1. 水性ペン
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水性ペンで書いた君との約束の上に 紙パックのドロドロしたお酒を零したんだ 君といっしょにいたいのか いたくないのかも読み取れない
水性ペンで描いた僕の青写真の上に 気が抜けて生温くなったビールを零したんだ どれがいつの どこで誰の 何がなんだかも分からない
晴れた8月の空に言葉を透かしたら 滲んで乾いたインクは何とでも読めそうさ
水性ペンで書いた冗談と行間の本音を ポケットにしまったまま洗濯機で回したんだ 望んだ答えも 望まない答えも同じにしか見えない
パズルのように千切れた欠片を集めたら でたらめに並べても 少し満たされそうさ
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2. 竹尺
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朝から晩まででも持て余すような 一日がどこまでも続いているから 永遠という言葉で表せるような 終端が霞んで見える毎日
そんな永遠はせいぜい竹尺の30cm
厚いペイバーバックの1ページのような 退屈な序章がいつまでも続いて 物語は起承転結を忘れ 最後のページまでダラダラ進んだ
片手の長さにも満たない時間を それでもただ持て余していたんだ
僕の永遠はせいぜい竹尺の30cm
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3. プルリング
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プルリング はじけた泡の向こうに 戻れない 君の暖かい言葉がある ジューサー かき混ぜた歌に合わせて 1000回目の同じ夜へ向かう
タバコが繰り返しその煙で かび臭い古い匂いまで洗った 今が続いているその象徴が 侘しさであるならばどうすればいい
同じ夢を見てる 匂いを頼りにして ぼんやりと曇っても そこにあるのは分かる 同じ夢を見てる あの頃の僕と寸分違わない ただ明日が減って 君がいないだけ
プルリング 弾けた泡の手前で 卑怯に逃げ続ける僕がいる 誰にも知られない夜の 半分眠ったような最後の1滴
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4. ウワノソラ
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必要になる 必要にない その日によるので分からない どうでもいいこと 伝えたいこと 真逆に思われてズレていく
難解な話題 複雑な事情 説明の途中で違う話 饒舌になる 神妙になる ウワノソラだから聞いていない
テーブルごしの君を 双眼鏡で見てるみたいだ 憶えたての手旗信号じゃ やっているこっちがウワノソラ
共感を呼ぶ 反感を買う その日によるので分からない 愛想が良い 機嫌が悪い 昨日と同じとはいかない
心に触れる 体に触れる 許される範囲が分からない 嘘っぽくない絶妙なフォローも ウワノソラだから聞いていない
右手を繋いで歩く君は よくできた人形みたいだ ディテールがやけにリアルで 胸から腰の辺りにウラノソラ
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5. 傘
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固く閉じていた傘の 塩ビのにおい きっと君は嫌がっただろう
あの日雨が降らないまま 君は去って 止まった時の外で 僕だけ年をとった
秋雨に夏の匂いがしたから 信号が変わっても ただそこで待ってる
時間の価値は 階段を駆け上がって 僕の手には届かない高みへ消えた
ペンキの剥がれ落ちた 2人掛けのベンチの 背もたれに傘を掛けて あと少し続きを待つ
雨の日を選んで 君が戻れるように 傘は閉じたまま 塩ビの匂いのまま
秋雨に夏の匂いがしたから 時代が変わっても まだそこで待ってる
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