![]() 帰り道は学生たちでいっぱいで
この冬一番の寒さだというのに 笑顔もちらほらみかけます 出雲路橋(いずもじばし)の上で 誰かの邪魔をしないように 背中を小さくすぼめながら 川辺をいつかの風景とかさねます 「久しぶりだね」 「元気だった」 「どうしてた」 こんな冬の日が 大好きだっていったこと 君はもう覚えていないのかな よく晴れたとても寒い日のことです 「久しぶりだね」 「元気だった」 「どうしてた」 ポケットに入れたままの手は あの時と同じで 何度も何度も手を振ろうとしたけれど 人ごみで君を見失った時のことです 「お久しぶりです」 「お元気ですか」 「どうしてますか」 帰り道は学生たちでいっぱいで この冬一番の寒さだというのに 笑顔もちらほらみかけます |