学生時代、バイト先の女の子からポストカードが届いたことがあった。
大学の卒業旅行で、オランダのアムステルダムからのエアメールだ。
さらりと、何気ない一言だけが書かれたエアメールだったが、彼女が現在異国の地で、とても楽しく過ごしているんだという事が、その一言で十分すぎるほど伝わった。
手紙とはE-Mailなどと違って、送った人の手元に基本、ずっと残る。
手紙を貰った人は、目には見えない「心」というプレゼントを貰った感覚になる。
貰った手紙を捨てるときは、その人との関係が終わったときだ。
ただ、くしゃくしゃにして屑籠へ捨てるのだと、何故だかスッキリしない。
びりびりに破いて…、そして燃やす。
最後の燃えカスが消えるまで、じっと眺めて…。
そうやって、自分の気持ちにけりをつけるのだ。
何故そのような行為になるのかというのは手紙とは、やはり“手作りの気持ちのこもった〝プレゼント〟と同じであるからなのだろう。
これは現在の若い世代からには理解できない行為であろうと思う。
さて、今度旅にいくときは、自分も手紙でも書いてみようかと考えた。
旅じゃなくても、近くであってもだ。
その旅先の、静かなCaffe'で珈琲でもすすりながら短い文章の手紙を書こう。
そして、その町にあるポストから出す。
今自分が感じた気持ちを、大切な人に共有して貰う為に。
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