BLOG

 

夏詩の旅人と東日本大震災

2021/02/17 19:00

 もうすぐ東日本大震災が発生してから、10年になろうとしています。
僕の実体験にフィクションを交えた小説「夏詩の旅人」の中にも、この東日本大震災の模様が出てきます。

小説の中ではストーリーの構成上、あの地震の発生年数を前倒しして2003年にしていましたが、この小説に出て来るあの大震災は、紛れもなくあの東日本大震災を書いたものなのです。

僕はあの大震災が起きた中で、どうしても忘れられない人がいます。
結婚式を控えていた町の防災課に勤めている若い20代の女性が、沿岸の人たちに避難勧告を続けた為、逃げ遅れて津波に呑み込まれて亡くなった女性です。

彼女が叫ぶ防災棟からの避難勧告は、あの時に避難して生き延びた多くの人たちが聴いていました。

当時ネットでは、彼女の事が取り上げられていましたが、TVなどのメディアではほとんど彼女の事は伝えられていませんでした。。

あのとき彼女は、住民を守る為、逃げ出さず最後まで防災棟で避難勧告を続けていたのです。
どんなに怖かったことでしょう。
そして婚約者を残して死んでいった彼女は、どんなに無念だったことでしょう。

そんな彼女の事を風化させたくない想いで、僕は小説の中に彼女をモデルにした人物を登場させたのです。

「夏の旅人」という作品は、基本は1話完結の短編作品にしていますが、最終回だけは長編にした為、数話に分けて書いています。

「最終章」と題した「最終回シリーズ」は、ざっと400頁ほどの長さになり、その中では大震災の他に、原発問題やテロ問題、マスコミ報道のあり方といった事をいろいろ問いてみた内容にしました。

今回は、防災課の女性をモデルにした女性が登場する冒頭シーンのみを、3回に分けて効果音を付けた朗読用動画を作ってみました。

今、あらためて震災で亡くなった方々のご冥福を祈ると共に、私たちが生きている幸せを感じ、命を大切にして欲しいとみなさんに願いたいと思います。

https://ameblo.jp/tanaka-kozo-blog/entry-12654673514.html?frm=theme

この情報をシェア

COMMENT

何らかのエラーがあり登録できませんでした。
入力に不備があります

・・・・・・・・・