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サンクチュアリにて

2012/04/02 07:30



きのうは 桜の様子が気になって 公園に行ってみた。

ソメイヨシノはやっと2、3輪開いたばかり。


そこへ 車いすのおばあさんと

その息子さんらしき人と 男の子がやってきた。

「あ、少し開いてる」

と 男の子。

ーほんとだねえ・・・・

おばあさんが 桜を見上げてうなずく。


そっと立ち去ろうとして振り向くと

後ろには満開の河津桜。

その向こうに 半月の白い月が浮かんでいた。

何だか急に男の子に話しかけたくなって

「ね、ぼく。見て見て。 
 あそこに お月様見えるよ」

一所懸命 空を見上げる男の子。

なかなか 見つからない。

野球帽をポンとたたいてから 指差すと

どうやら 見つかったらしい。

ーあ、ほんとだ。

それから ふたりでそれをながめた。

彼が一所懸命 探し出してくれた事が嬉しかったのだ。

たわいもないこと・・だけど。




















池のほとりの蓮華亭に腰掛けたら

手が届きそうな位 低く

飛行機が飛び去っていった。





















ここは 変わらぬサンクチュアリだ。
どの季節訪れても やさしく 迎え入れてくれる。
それは いつも ここにあるという信頼感にもとづいている。

ひとは 自分以外のひとのなかに サンクチュアリを求めるが
互いの揺るぎない信頼を築く事はきわめて難しい。

理解をする事は たやすいが
それを 信頼にまで育てるのには 時間がかかる。

あると思っていたものは
まだまだ 脆弱で 不安定なものだった。


知りつくそうとすれば ますます 遠のいて
サンクチュアリは 姿を隠す。
見つめ合っている時間は止まったまま
膨張し 先へ進めない。


認め合い 手放しても どこへも消えてしまわないものが

信頼。

それなしでは 愛はもちこたえられないもの。


信頼は愛より難しい。


それが わかっただけでも
今年の桜はもう 
力を抜いて じっくりと 眺める事ができるだろう・・・


素敵な時間をありがとう。













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