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白いすみれさんへ
2011/11/23 21:00
彼女は 手紙を出さなかった雨上がりの朝
彼女は 手紙を出しに行く。
久しぶりの青空に
世界はきらきら 輝いて。
大好きな 赤いポスト。
御用はなくても 元気のシンボル。
やっと書いた返信を 差し入れようとしたとき
見つけた。
ポストの脇に咲いた 白すみれ。
ーああ、あの人の部屋の窓辺にも
この花が咲いていた。
ーおきゃんで 可愛い花。
くすくす笑いが聴こえてきそう。
と そのとき思ったことを 彼女は 想いだした。
白い花は今 雨の雫を 振り払いもせず
じっと うつむいて咲いていた。
彼女は 手紙を出さなかった。
ー大好きだよ。
ー大好きよ。
青空に こだまする声が 明るく響いて
もう通り過ぎた時間を思って
彼女は 部屋に戻って
少しだけ泣いた。
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