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あらしのあとさき

2011/09/23 13:35


蜘蛛は空が好き

嵐のあとの雫をせっせと払いながら

ふと見上げる 朝の空

雲が ひとつ 渡ってく

蜘蛛は 空が好き




アスファルトの道の真ん中に

いっぴきの まだら猫

天と地を支えるように座ってた


つと 歩き始めたとたん

世界は一変する


そこは サバンナの平原

亜熱帯のジャングル


走る必要がないときは 走らないさ

ただ 悠然と 歩く


ああ・・・

おなかに 赤ちゃんが いたんだね




やっとの思いで 連れ出したのに

君は

季節忘れの鶯を 連れ帰ってきた

このパラレル・ワールドを自在に行き来する

桃源郷の鳥を



もう 野生のうたは

すり切れそうだよ


飼いならされるのも嫌だし

飼いならすのも嫌


今まで 自分を支えてきたのは

虚無という世界にだけは

堕ちないという挟持だけ


欲しかったのは

愛人や友人のまえに

同士であり 同胞だっただけ


見えない翼が 鞭になり

戦いを拒む心が 刺となるのなら

もう やめよう


あらしは 

魔王のように 荒ぶる神のように

破壊し 爪痕を残し

通り過ぎていった


何もなかったように 青い空



蜘蛛は空が好き

蜘蛛の眼に 青い空が写る

細くしなやかな糸が

秋の陽に きらめく








































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