仕事場へ行く道筋に 個人宅の薔薇庭園があって
いつも 眼を楽しませてもらっているが
きょう 通りがかったら
旬を過ぎた花を刈り入れていた。
マダムに
「いつも ありがとうございます」
と 御礼を言ったら
「もう 散る寸前だけど よろしかったらこれをどうぞ」
たわわな 大輪の薔薇の枝をいただいた。

オーナーの心意気は
花びらが 道路に見苦しく散り敷かないように・・
との ことなのだろうけれど
わたしは 散る花びらが一番好きだ。
連れて帰る。
そして 数時間後。
家へ向かう道すがら 見つけた。

雑草まじりの草花に 埋もれんばかりに
静止している 黒い鉄の馬。
そのふたつが
理由もわからないまま
反発もせず 共存している。
きょうの 風に 吹かれながら・・・