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青い鳥を探して。

2012/01/25 07:35

あの日 

何だか 訪ねてきてくれる気がして
何度も 窓の下を見ていたんです。
やあ、と手を挙げて 今にも・・・。


夜、また あの公園に行ってみた。

デ・メロン星は
今夜は 凍える程透明な光を放っていた。

そして また 誰もいなかった。

いつものベンチに歩いていくと
何か きらめくものがあった。
手のひらに乗るくらいの
水晶玉のようなカッティングガラス。

街灯にかざしてみると 
それは まるで デ・メロン星のように
七色に変化して輝いた。

わたしは そのオブジェを胸に抱いて家に帰った。


ドアを開けると
仲良しの青い小鳥が 待っていたかのように
飛んできて 肩先に止まった。
いつかの朝、明け方の窓辺に
迷い込んできた 青い小鳥。

なぜだか ここに居着いて
どこへも飛んでいこうとはしないので
彼女は
いつしか わたしの 可愛い友達になった。

ギターを弾くときはいつも 肩先に止まって
私の唄に合わせてさえずる。
大切な パートナー。

持ち帰ったガラスのオブジェを
出窓の上に置いてみると
朝の光を受けて きらきらと 輝き始めた。
そのときの色は
なぜが 小鳥と同じような
淡い blue。

指先に 小鳥をとまらせて
わたしは 囁いた。

ーねえ、青ちゃん。
 お願いがあるの。
 このガラスのオブジェを残していった人のところへ
 出張してくれない?
 あなたは 私の歌をすべて知っているから
 その人が 寂しくなくなるまで そばにいてほしい。
 
ーあなたなら その人のところまで
 飛んでいけるでしょう。


窓を開け放つと 
青い小鳥は
大きく一回転して 
朝焼けの空に 飛び去っていった。  
 
 





 




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