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ある 12/25 と 12/26

2011/12/27 00:35


午後の図書館は 

大好きな 迷空間。


いつのまにか 陽が傾いて
ガラス張りの窓の向こうに 
空が燃え上がった。


決して とどめおくことのできない
その一瞬の偶然に行き合って

何者でもなく 

何ももたない

無防備な ひとつのいのちに還って

ただ 溶け入る・・



再び 
何冊かの本に眼を落とし

気がつくと

あたりは すっかり宵闇色に。



帰着を 延ばすかのように

自転車を押しながら

ふと 見上げた空には 厚い雲がかかり

手や頬に かかる 冷たい粒が。


雨じゃない。


雪だった・・・。


今年初めて見る雪。


今夜は あの人の 生まれた夜だった。


2011年前の 夜は
どんな夜だったんだろう。


あの人は どんな産声を上げたのか。


燃え上がる夕日を見て 何を思っただろう。


首筋に舞い落ちた雪に 思わず
首をすくめたりしただろうか。


そして・・・

大声で 笑ったことが あっただろうか。


教義より

遺品より

その人の 生きたことばや 迷いや 嘆きを

知りたい。


それは 
いつか見た 夕焼けや
雪のような ものなのかもしれないけれど。

確かにあったと想うことだけで

きょうを生きる事が
できるかもしれない。

そうして

たぶん

わたしはここにいる。

ときおり
ここが息苦しくなって
夜の裏側の世界に旅もするけど。

かなり 気まぐれに
紙ヒコーキも 投げ上げるけど。


夜と朝のはざまで

いま

少しきしむ体をなだめながら

静かに 息をしている。


また 

そろそろ

ものがたりの続きが 呼びかけてくる・・・










 

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