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デジタルアンプ

2021/02/02 08:00

 先日、Sansampについてのブログを書き、アナログでないと音作りできない時代遅れの爺さんであることを書きましたが、頭の中では真っ逆さまな事も考えています。っていうか、逆さの事を考えて迷っているからこそ書いたとも言えるかもしれません。

 今、メインで使っている超小型ギターアンプの"ZTamp Lunchbox junior"が、そろそろ寿命かな…と思えるガリ音をはるかにこえた飛んでしまいそうな大きなスイッチノイズ、音の濁りやピリピリと鳴るノイズなどが乗って来て、いつ音が出なくなってもおかしくない状況になっています。

 今、Fenderのベストセラーアンプになっているデジタルで安価なギターアンプ"Mustang Amp'"は、あきらかにぼくが山野楽器時代のFenderでモニターとしてFenderオフィシャルホームページでレポートを文面とムービーで載せてもらった"G-DEC"の後釜機種で、当時ぼくが要望していた電池駆動の小音量バージョン、フロアエフェクタータイプと商品化され、残りは「10kgを切る軽量でエフェクトループが付くまたは、エクステンションペダルに対応してフットボリュームコントロール出来るライブ向きのモデル」さらには「内蔵のエフェクターの個々がオンオフできれば嬉しい」という意見を当時要望しましたが、気づいてみるとそれも現行モデルのMustang amp "GTX50 または GTX100"にて商品化されていることがわかりました。
 ぼくの要望したすべてについてFenderは商品化してくれた・・・いや、計画の範疇でたまたま合致することが10年ちょっとで3~4回続いた偶然なのだろうかと思いますが、個人的にはここまで「Fenderのホームページで自分が書いたレポートの内容ピッタリに製品開発された」と感じ、度重なる偶然の一致の連続だったとしても、やはり嬉しいものです。

 あの時、Fender G-DECのモニターレポーターを公募していた際、はっきり言ってデジタルアンプには興味がなかったぼくですが、「一生に一度でいいから、あの憧れのFenderのモニターをやってみたい」という気持ちから応募したのでした。
 ぼくが魅力的だと言った内容は、G-DECウリのギターカラオケ機能の魅力ではなく、デジタルギターアンプの部分の魅力でしたし、それはそのまま"Mustang Amp'"シリーズへと継承されていったのは間違いないでしょう。
 もしかしたらFenderは、世間がギターカラオケ機能を重視しなかったらMustang Amp'への変更を予定していたのかもしれませんし、フロアタイプもLINE6に対抗する安価なモデルとして最初から検討していたかもしれませんが、ぼくにとっては「ぼくの要望をFenderがカタチにしてくれた」と思いたくなる事実が立て続けに起こっているという夢のような現実なのです。

 正直、デジタルは苦手なアナログ人間なのですが、今回の"Mustang amp GTX-50"は、RMS50Wで8kgしか重量がなく、重さのバランスも良いため軽く感じ、大きさも12インチのエミネンススピーカーを搭載している割には小さく、形状もトラディショナルな前面のルックスとなり、なんとエフェクトループもステレオで搭載し、XLR端子での出力が可能となっており、おまけに別売りのフットスイッチを使うと、沢山の音づくりしたパッチを切り替えたり、個々に設定したエフェクトのオンオフが出来たり、もしかしたらエクステンションペダルを追加してボリュームペダルやワウなどの機能も追加できるのかもしれませんので、ほぼぼくの要望が達せられているモデルと言えるかと思いますし、アンプ本体の価格は約4万円くらいと安めですし、非常に興味を持っているのです。

 まぁ、わずか4万円(便利なフットスイッチを入れる5万円超え)と言えども、定年再雇用で年収が半分以下になってしまったぼくにとっては、楽器を売却して資金を作らなければ買えないし、今年は62歳になる高齢者が慣れないデジタルに奮闘する必要があるのか、結局は諦めてしまうのではないか…と、不安と障害もありますが…。

 でも、たぶん、ここでデジタルに挑戦しなければ、もう残りの生涯での挑戦は不可能でしょう。

 さらにはそれなりにいろいろな時代の中で自分が挑戦して来た唯一の事、すなわち、その時代の老舗ブランドがビギナーズモデルとして生産しているモデルをバンド活動に使い、出来ることであれば若いビギナーさんたちの参考にしていただけるサンプルになりたい…というところで、このアンプはまさしくそれにピッタリですし、現在メインにしているギターたちメキシコ製Fender Player TelecasterもGibson SG Juniorも、老舗ブランドの最低価格ビギナーズモデルなので、なるべくギターとアンプだけでどこまで出来るか…は、自分としては挑戦したいと感じる課題です。

 とは言っても、ぼくの挑戦はデジタルの魅力である多彩な音色には向かず、普段のアナログ的なアンプ使用にコーラスやディレイ等の内蔵エフェクトの使用程度かと思いますが、それもぼくなりの哲学というか…、そんな感じを伝えたい気持ちでもあります。

 すなわち、「何でもやれる多彩な音色」をいくつもセットし、たくさんのアンプや機材を擬似的に所持するのがデジタルの最大の利点ではありましょうが、ぼくのような単細胞生物にはその多彩な音色を使いきれずに、また、演奏中のバランスもうまく作れずに訳がわからなくなるのがいいところかと思いますので、「自分の考える音楽の幅の中でオールラウンドに使える1音色にこだわる」、すなわち、「多彩な機能の中から、自分がギターと一対で一番気にいるアンプを作る」という作業、あとはフットスイッチを活用したライブのしやすさの追及じゃないかな…と思っています。

 そうですね、ぼくは「誰々の何とかという曲の音」を沢山ストックする事には興味を持っていません。
 アナログでもデジタルでも、「自分らしい音が出せるか」が一番であり、その自分らしさのジャンルは「自分の在籍するバンドのコンセプトによるもの」以外にないわけで、今はバンドは1つなので1音色あれば良いのです。

 とは言いつつ、どうしようかな…、今更ながらデジタルもののセットアップする根気というか、ちょっと自信ないし…。
 うーむ、迷います…。

追伸:
 そのG-DECのモニター時のムービーだけは残っているのでリンクを載せておきます。2010年6月9日発売にあわせたモニターでした。
 モニターやる前は「様々な特典」とか書かれていましたが、山野楽器は直後にFenderの代理店を終了し、結局特典とは「G-DECをほんの少し安く買える」というだけでした。
 ふたを開けると公募でモニターをやったのはぼくだけと思われ、他は様々な雑誌でコメンテイターをされている方々ばかり・・・。ちょっとガッカリした覚えはありますが、それでも天下のFender USAのページにドーンと載れたのは、ダンエレクトロのホームページにドーンと載せてもらった時よりも嬉しく感じたのは事実です。やっぱり憧れのブランドでしたからね~。

※1本目「到着~ただ弾いてみる」

※2本目「音づくりしてみる」

※3本目「最終回」

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