今日は、ぼくのフェイバリットギターアンプ、ZTamp Lunchbox Juniorの紹介をしたいと思います。
一時、エフェクターを使うのが嫌で真空管アンプのみの使用になり、このアンプは使用を中断していましたが、重い荷物を避けたい健康状況になったため、使用を再開しました。
手のひらサイズでありながら35W(Peak50W)の出力がウリ文句のこのアンプですが、サイズという性能以上に多才な利便性を持つアンプで、それがぼくがこのアンプを選ぶ理由となっています。
デジタルアンプですからPeak50Wとは言っても、音圧的にはトランジスタ20W程度のアンプと同等の出力ボリュームくらいに感じます。
また、真空管アンプのような素晴らしい歪みトーンは残念ながら得られません。
エフェクトループもないので、プリとパワーの間に空間系エフェクターを使うことも、ボリュームペダルでマスターボリュームをコントロールすることも出来ません。
もしかしたら、他社デジタルアンプが様々なアンプモデリング等で高音質化している中、意味のない小型アンプかに感じられるかもしれません。
なぜそのようなただ小さいだけのアンプをメインに使うのだろうと疑問に思われるかもしれませんね。
けれど、他社の電池で使える小型デジタルアンプも、マスターボリュームをフットでコントロール出来るものは無く、実際に歌と合わせてバッキングやオブリガード・ソロと様々なボリュームで使うためには、外部エフェクターで音を作り、ボリュームペダルやクリーンブースターでボリュームコントロールする…という使い方になるわけで、アンプ自体の高音質なモデリングトーンは使えず、「プリアンプはクリーンに設定し、事実上エフェクターからトーンコントロールが効くパワーアンプに直結したような使い方」をしなくてはならないのです。
いわば、せっかくモデリングアンプで作った音はフットでボリュームがコントロール出来ないため実践には使えず、自宅でソロだけ弾いて遊ぶ道具・または録音用にしかならないわけです。
その点、電池で外で使えるアンプなのに、なぜボーカルに合わせてボリュームをフットでコントロール出来るようにしてくれないのか…、せっかくの素晴らしい音色は「ただの遊び」で実践には使用できないゴミのような練習用アンプを作り続けるメーカーに対して、必要がある機能を搭載せずにそのような制作を続ける不思議は常に感じています。
確かにZT-ampの歪みトーンは粗くて中途半端な魅力のない音ですし、コントロールもトーン・ゲイン・ボリュームの3つしかなくシンプルですが、クリーンなトーンでは抜けも良く、他の電池式小型デジタルアンプで作るクリーントーンよりはるかにパワーも張りもある良い音が出せますので、マルチエフェクター等の使用を前提とするならば、結果的に他の電池式小型デジタルアンプより良い音色が得られる可能性が高くなります。
ZT-amp Lunchbox Juniorの、Peak50Wでありながら電池で駆動でき、運搬しやすい超小型で3kg、価格は2万円以下である基本性能は魅力的です。
それに加え、このアンプが持っている通常のギターアンプを超えた性能は魅力的に感じますので、それをご紹介します。
まずは、ギターアンプとして考えると、他のアンプに比較してオーディオインからのオーディオ拡声能力がはるかに優れていることに驚かされます。
ぼくたちのように、ライブではドラムとキーボードを録音したオケに合わせて演奏する者にとって、小さな音でのライブの場合、小型PAの補助出力として使えるくらいの音色を提供してくれて非常に便利です。(小音量のカフェライブでは実際にギターアンプとしての使用に加え、PA補助としても使用します。)
また、バックパネルの写真をご覧いただくとわかりますように、ヘッドホンジャックから外部にギター音色を出力する際、本体のスピーカーからの出力を「する・しない」を選択出来るようになっています。
実はこの機能、非常に有効で、オーディオについて素晴らしいのは外部入力だけではなく、外部出力についても優れたZT-amp Lunchbox Juniorは、大音量でのライブの場合、自分のモニターとしてのアンプ、PAへの送りとしてのヘッドホンアウトの同時使用を可能にしているのです。
当然、自宅で夜中に弾きたい時のため、スピーカーオフも選択出来るようになっています。
さらに、このヘッドホン出力の優れているところは、どうしても、アンプから離れて弾いている位置で良い音を作ると、アンプのスピーカー前のマイキング位置では硬過ぎて聴き辛い音になってしまうこと等がよくあると思いますが、ZT-amp Lunchbox Juniorのヘッドホン出力からの音は2〜3mくらい離れた床にアンプを置いている音を立った位置で聴いているような音に補正されるようで、違和感がありませんでした。
違和感のない補正というと、パワー感が損なわれてぬけが悪くなると思われる方もおられるかと思いますが、基本的に「アンプのスピーカーから出ている音を自分の立ち位置で聴いた音」と同じように補正されているので違和感なく調整できるという自然さがあるだけで、ぬけが悪くなるということはありませんでした。
これはPAに送る音と実音の違和感の調整で時間のかかるリハーサルのロスタイムをかなり軽減します。
そのような、オーディオの入出力に非常に長けたアンプであることが他社にない魅力としてあげられます。
また、Peak50W(ドラムのいるバンドでも上手に使えば使える出力)のアンプで電池対応(単三電池8本)できるギターアンプはたぶん他に無く、かなり重量もあって大きい充電式のTaxiくらいしか対抗できるアンプはないものと思われます。
ZT-amp Lunchbox Juniorの電源供給は、ACとDC12V(カーアダプタ・電池アダプタ別売)となっています。
また、この機能も素晴らしいのですが、9Vのパワーサプライを1つ背面に装備しており、エフェクターに電源を供給できます。
すなわち、外で30〜40分程度演奏する程度なら、単三電池8本のみでアンプとマルチエフェクターを通電させ、Peak50Wの出力でドライブさせられ、運搬についてもこれ以上楽なものは無い…という実践的なアンプなわけです。
ぼくらの活動の主軸となっていく足元の狭いカフェライブ等では、この極端に小さなアンプは便利であり、その大きさからは考えられない迫力はまるで「ビックリ箱のような驚き」です。
現状では歌に合わせてフットでボリュームコントロール出来る電池対応モデリングギターアンプはどのメーカーにも存在しないので、自宅遊びではなく公園やカフェ等の人前で使うためには、マルチエフェクター等でプリアンプとボリュームコントロール・リバーブなどの空間系エフェクターを加味する必要があります。
いづれにしても現状ではアンプだけでボーカルとのバランスを整えることが出来ないわけで、プリアンプとリバーブは別にした「トーンコントロールが効くそこそこの音量で鳴らせる電池対応のパワーアンプ」として考えた場合、この小ささ・軽さ・音圧・パワーは非常に魅力的に感じています。
このアンプを買ったばかりの頃に撮ったビデオがありますので、それを載せておきます。
COMMENT