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「ギターの塗装と発汗性蕁麻疹」

2021/08/30 09:00

 夏になると困ったことに弾けるギターがこの”Vanzandt Bronson”と、ウォーン塗装のGibson SGしか弾けなくなります。
 なぜかと言うと、50歳くらいから発汗性の蕁麻疹に悩まされていまして、普通のツルっとした塗装のギターのボディーが腕に接触すると腕が汗でヌメヌメになったと同時に腕が蕁麻疹だらけになり、そのままにしておくと腕だけでなく顔も含めて汗をかいた部分にどんどん蕁麻疹が出てしまうようになってしまったからです。

 ボディーがウォーン塗装のSGは、ほとんど塗装が無いに等しいので汗を吸ってくれるため蕁麻疹は出にくいのですが、なんとなく今はハムバッキングピックアップのギターを弾く気になれないので弾いていません。

 写真の”Vanzandt Bronson”の塗装は薄いラッカーのメタリック塗装なのですが、表面の光沢がなくてサラッとした手触りになっており、汗が残らずに、蕁麻疹を防いでくれます。

 この暑い時期に普通の塗装のギターを弾くためには、長袖の服に着替えてギターを弾くか、考えられないくらいクーラーを強くかけて22~25度くらいの部屋でギターを弾くか、ボディーに当たる部分にサポーターをしてギターを弾くか・・・しかありません。
 非常に暑苦しいか、面倒か、不経済か・・・です。

 そのようなわけで、この2週間は”Vanzandt Bronson”ばかり弾いています。

 Vanzandt の塗装、物凄く薄くて、軽く当てただけで塗装が剥がれて木肌が見えてしまうため、光沢がないメタリックであることも手伝って、購入から2年しか経っていませんが、まるで古いギターのように傷だらけです(笑)
 ネックもそんな感じでラッカーですが光沢が少なくてサラッとした肌触りです。
 傷が目立ってしまう点はありますが、肌触りや弾きやすさについてはこの塗装がぼくには1番あっているような気がします。

 塗装による音の違いはあまりよくわからないのですが、ぼくは厚いシーラーと強い皮膜のポリウレタン塗装のギターはあまり好きになれず、かえってもっと皮膜の柔らかいウレタン塗装のギターの方が好きなことの方が多いようです。Vanzandtのような薄いラッカーのサラッとした塗装のものの音はバリっとした木材っぽい音とオールディーなピキィーというような中高域があって一番好きですが…。
 偶然かな・・・。それとも安いウレタン塗装のギターは下地処理が大雑把で材木っぽいままだからでしょうか・・・。
 ネックも、直接手が触れる部分はサテン仕上げでサラッとしている方が弾きやすくて好きです。

 蕁麻疹が出るようになる前は塗装よりも、そのギターから出力される音の好みだけしか考えていませんでしたが、今は音と弾きやすさのバランスを気にするようになりました。

 同じように発汗性の蕁麻疹癖がある方がいたので、どう対処されているか伺ったところ、彼は、腕がボディーに触れる部分をレリック加工して、さらにサラッとするようにヤスリをかけている…との事でした。
 どうしても普通に塗装されたギターを使う場合には、腕に包帯を巻いて演奏するようです。

 我慢して蕁麻疹が出まくるのは嫌だから、それぞれ解決方法を考えますよね…。

 しかし、ウォーン塗装のギターは湿度がそのまま音に出てしまい、湿度の高い時期にはボソボソで抜けない音になる傾向があって、個人的にはあまり夏時期に向いたギターとは思えない感じがします。

 そう考えると、人生最後に使うギターとしてイメージした"Vanzandt Bronson"は、音や弾き心地だけでなく、塗装でも理想的なセミオーダーギターだったと思います。

 この"Vanzandt Bronson"、今週末に264Guitarsさんに持ち込んで配線を変更してもらう予定で、コントロールをマスターボリュームと、フロントのみのボリュームにしてもらいます。
 これでセンターポジションがもっと頻繁に使えるようになり、音色的にも、ノイズ低減の上でも良くなる予定です。

 楽しみ!

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