配信代行業者にiTunesやAmazonからの配信を依頼して、12月中旬に配信販売が開始される予定の4曲の組曲「空飛ぶ自転車と赤い竜」ですが、その4曲について、1曲づつ、過去のエピソードなどを話すとお約束した第3回目です。
今回は「赤い竜」という曲についてです。
「竜」とか言うとハードな曲を想像する方もいらっしゃるのかなと思いますが、実は4曲の組曲の中で一番静かなバラード曲です。
組曲の中でのお話の内容はこんな感じです。
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ところで皆さんはアーサー王のお話を知っていますか?
アーサー王はローマの英国統治終了後、バラバラだったブリテン人を統一し、ブリテン人の王となった人ですが、その財宝を赤い竜が守っているとのことです。
さて、少女のお話に戻りますが、宇宙の真ん中に透き通るような光が見えてきました。
すると、少女以外にもたくさんの自転車に乗った人たちが、その光を目指して飛んでいるではありませんか…。
その光に近づくと、その光の中にはあの伝説の赤い竜が居るではありませんか…。
自転車に乗った人たちは一瞬で気がつきました。
赤い竜が守って来たアーサー王の財宝とは…、それは不可能を可能にする人間の夢を見る力であると…。
侵入者の占領地ではなくこの土地の人たちがこの土地の主でありたい、という誰もなしえなかった夢を見てそれを成したのは、誰かの真似でもなければ既定の職業に就きたかったわけでもなく、自分や周囲の夢だったのですね。
既存にある職を選ぶことや、憧れる人の模倣をすることを夢にして「自分らしさ」を人生に求めるのは難しいことでしょう。
選択や模倣の上にはオリジナルはありませんから…。
赤い竜がみんなに伝えたかったのは、きっとこんなことではなかったのではないかと思います。
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というわけで、曲はこんな感じです。
竜はいわゆる恐ろしいイメージではなく、このお話の中では天使のような存在なので、優しく温かな存在として描かれています。
意味ある人生に人を導く案内人のような存在、かつ、夢見る力を増強させる魔法使いのような存在がこのお話での赤い竜です。
そんなホワ〜っとしたようなイメージを表すためにどんなアレンジにするかいろいろ考えたのですが、手っ取り早くイメージを他曲と変えるにはリズム隊かな…と考え、Aメロはプログレッシブともいえそうなエレドラ音色にしました。
あわせてベースのフレーズもいつもはあまり使わない比較的ロングトーンだったり、倍音だったり、ちょっと違うプレイをしています。
この曲のベースのフレーズ、けっこうぼく的には気に入っています。
ギターシンセの広がりのある音の方が主になっているため、あまりエレキギターの存在感はありませんが、一応、コーラスのかかったような音でずっと弾いています。
なんとなく、竜とはアジアからヨーロッパに伝わった…というイメージがあるからか、様々なところにアジアンテイストを加えてみました。
エレクトリックなお琴のような音とか、サビのギターのバッキングのフレーズとか…ですね。
また実は、曲の出来た順序は曲順どおりではなくて、
(1)空飛ぶ自転車
(4)Dream
(2)Wrap it !
(3)赤い竜
だったため、実際には最後に作った曲だったので、最後に収録するDreamに繋ぐコントラストを意図的につくれた曲でした。
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