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「SansAmp Classic」

2021/01/29 17:00

 ぼくの最大のお気に入り楽器「TECH21・NYC社製 SANSAMP CLASSIC」の製造が再開されたようなので、今日は嬉しいから"SANSAMP CLASSIC"について書きたいと思います。
 まずはその成り立ちについてホームページにあった内容を抜粋しますと・・・。

ブランド・ストーリー:TECH21・NYC / SansAmp

“キング オブ ラインレコーディング”の境地を切り開いたアナログ・アンプシミュレーター

1989年に発売された「SANSAMP CLASSIC」は、世界で初めてチューブ・アンプ・エミュレーション回路の開発に成功をしました。それまでは不可能とされていたチューブ・アンプのサウンドをライン・レコーディングする手法は、ご存知の通り現在でも多くのミュージシャンに愛用され続けています。

……発売当初は誰も目に止めなかった黒いストンプ・ボックス。NYのトップ・プレイヤーやエンジニアがその小箱に秘められたサウンドを発掘して以降、SANSAMPは瞬く間に世界中のアーティストの定番レコーディングデヴァイスの地位を堅持しています。

“アナログ回路であること”にトコトンこだわった芳醇なトーンは、今もなお多くのプレイヤーを満足させる魔法の小箱です。





"TECH21 SansAmp (Classic)"

■1台3役。
 (1)ギターアンプ用プリアンプ
(2)ライン接続用ギターアンプ
(3)オーバードライブエフェクター

■製造元等
 1993年から使用しています(購入は3台め)。
 アメリカTECH21社の製品で、世界初のレコーデイング用ギターアンプシミュレーターでした(アナログ)。
 発売当時は「ライン用のアンプ」ということで、価格もエフェクターの価格よりもアンプの価格に近く4万円程度とかなり高めでしたが、1990年代初頭ではほとんどのミュージシャンが所持していると言って良いくらい人気がありました。
 その後はLINE6などのデジタル製品におされてギタリストの利用は少なくなり、同社の製品はベース用の「ベースドライバー」を主とすることになります。
 そのような訳で、この器種は販売を終了していたのですが、ホームページを見たところ、また再発されたようです。
 TECH21社からは様々な後継器種が発売されていますが、どうしても自分にとってはこの最初のSansAmp Classic同様に相性も無く便利に使えるものは、まだ発売されていません。

■ぼくが使うわけ

(1)独自のアンプトーン

 他のアンプシミュレーターが対象のアンプに似せたトーンをある条件下で出す機械なのに対し、これはアナログなのであくまでも対象のアンプは雰囲気を似せるだけでこのアンプ自身のトーンを持っていて、それが気に入って28年以上使っています。

(2)どのギターでも対応

 シングルコイルでもハムバッキングでも、所持するどのギターでも相性良くドライブトーンを鳴らすことが出来ます。(どうしても他の器種では「シングルコイルピックアップでは歪みが足りない」とか相性が出てしまいます。)

(3)接続先との相性

 基本はライン接続用のアンプなので「PAに直挿し」は当たり前として、トーンを絞りめにして使えば「オーバードライブエフェクター」としてギターアンプに使えますし、空間系エフェクターやボリュームペダルと併せてギターアンプのプリアンプとしてギターアンプのパワーアンプインに接続する・・・というように使えますが、そのどの方法でも違和感なく自分の音が作れます。

(4)自分なりの使いやすさ

 自分にとって不必要な帯域に音が無いというか、好みの音をセットするとうまく音がきれいなダンゴになる感じで、これがそれぞれのギターに丁度良いトーンでうまいダンゴのトーンを作れます。
 ぼくがSansAmpでギターごとにコントロールするのは、トーンつまみ1つとパワーアンプ歪み(出力イメージ)のボリュームつまみ1つ、それからFender系シングルコイルギターの場合はハイミッドブーストスイッチとローミッドブーストスイッチの両方をオンにしますが、Gibson系だとハイミッドブーストスイッチのみをオンにします。
 昔からぼくはトレブル・ミドル・ベースではなくて「トーンつまみ1つ」というコントロールが好きで、このシンプルさが音づくりしやすい一番の理由です。
 それに出したい音に応じてアンプイメージ3段切り替えスイッチを通常の場合はノーマル(ブギーマークシリーズ的歪みの粒)、カントリー風やブルース風ギターを弾きたい時だけクリーン(ツインリバーブ風音の粒)を選ぶだけです。
 また、出力先がギターアンプの場合はマイクシュミレーションスイッチはオフ、ギターアンプを使わずにPAやレコーダーに直挿しで使う場合はオンにします。
 このマイクシュミレーションスイッチはややアンプから離れてコンデンサーマイクで収音しているような音質にするためのスイッチで、ライン録音等の場合の音像が近すぎる違和感を解消し、ギタリストがステージの上で自分のギターの音を聴いている状況に近い感覚を作ってくれます。
 
(5)たぶん生涯離れられない関係だと思う

 自分が音楽をはじめて今までの生涯の中でこれほど長い期間メインで使った楽器は他にありません。
 途中に「真空管アンプ直」だったり「エフェクト内蔵アンプ」だったり、同じTech21社の30Wアンプだったり、マルチエフェクターのみでの使用だったりと、SansAmp Classicからの脱却を何度も試みてはいたのですが、結局、その度に"SansAmp Classic"に戻ってしまい、かれこれ30年近い付き合いになってしまいました。
 なぜいつも"SansAmp Classic"に戻ってしまうのか・・・なのですが、それは「様々な環境下で同質の音を違うセットの中で出すことができる」という事だったと思っています。
 演奏現場に小さなPAしかなくてかつ大きな音が出せないアコースティック中心のお店ではアンプを使わずPAに直挿し(ライン用アンプシミュレーターとして)、大きな音で拡声してくれるライブバーやライブハウスで気に入ったギターアンプがある場合はソレに接続(オーバードライブエフェクターとして)、小音量ライブや小スペースでのライブやライブハウスなどで気に入ったアンプが無い場合はSansAmpはプリアンプとして使って自持ちのZTamp Lunchbox Juniorをパワーアンプ以降として接続、誰かの家や公園などの環境下ではラジカセ等に直挿し、録音ではマルチトラッカーに直挿し・・・という具合で、どのような出力先であっても、大体自分らしく変わらない同質の音が出力できることが一番の理由です。
 もう一つは、どうもぼく自身がデジタルの歪みがコントロールしにくく、アナログの方を好んでいる・・・さらには、ちゃんと目的のアンプに似た音が出ることは望んでおらず、フェンダー系のアンプが強く歪んでオレンジのキャビネットで鳴ったような音を理想としているようなところが自分にはあるので、何というか、他のSansAmpでも他社のシミュレーターでもメサブギーのシミュレーションはメサブギーに似ているのですが、SansAmp Classicのノーマル(メサブギー風)はメサブギーそっくりというわけではなく、メサブギーのマークシリーズのような箱の鳴った感じ・・・という程度の音で、逆にぼくには音づくりしやすかったというところがあります。アナログだからピッキングのニュアンスやボリュームによる音の変化は他人のプレイでプログラムされたソレではなくて、あくまでも入力に対する変化は自分らしく出力されます。

 そんなお気に入りなので、たぶんぼくはこれを一生使いつづけるんだろうなとおもいますが、ディレイとリバーブとボリュームペダルを併せたマルチがあればもっと良かったんだけど・・・。


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