長年の想いがついにカタチになることになりました。
Gibson SG Juniorに、こともあろうにGibson系ではないFender系のピックアップをフロントピックアップとして追加しようという長年の夢が叶います。
以前、ミュージックランドKEYに居られてぼくのギターを何台もみていただいていた遠藤さんがご紹介くださった佐藤さんという方が作業してくださる事になりました。
遠藤さんはもう楽器関係のお仕事ではない仕事に就かれているのに、面倒をみてくださり、本当に感謝です、ありがとうございます!
定年再雇用で超薄給となった自分にとっては、安くで作業してくださる方を探す事が必須でした。
フロント側に穴を開けて装着するピックアップは、40年前に使っていたテレキャスターのフロントピックアップでダンカン社(まだ当時はESPではなかった頃)のビンテージタイプです。
ビンテージなのでたぶん出力も低めなのだろうと思いますが、出力の高いP-90のリアとマッチングさせてみたいという発想が大元でした。
なぜ通常のGibsonギターらしいハンバッカーのギターへの装着でなく、加工が大幅に必要になって来るSG Juniorへの装着なのか・・・ですが・・・。
ひとつには、ハムバッキングピックアップとシングルコイルピックアップではなく、シングルコイルピックアップ同士でのミックストーンの方が、自分の経験上では好きだからという点。
次に、もともとぼくはシングルコイルピックアップの音の方が好きだという点。
さらには、ギターの個体として、所持しているギターでP-90搭載の中では暴力的なほどデカい音で鳴るギターであり、しかも、所持するギターの中で一番軽いというところも、ライブを中心に考える自分にとってはこのギターを選択する意義がありました。
さらにはギターの構造による音の違いもあるかもしれないと思っています。
ストップテールピースとチューンオーマチックブリッジという豪華な(笑)造りの通常のGibsonギターの音よりも、ブリッジがなくてテールピースに逆向きに弦をはったバーブリッジの廉価版仕様の音の方がストレートで好きでした。(テンションきついし、ブリッジ駒がなくてシャープにならず弾きにくいけれど、音は好きなのです。)
しかし、思い出になりますが、このJuniorの購入時、楽器としては不良品でした。
ナットの切れ込みに割れがあったり、切れ込み過ぎていて弦が指板まで落ちてしまっていたり、オクターブも全くあっていない状態で自宅に届き、プラスチックの粉をナット割れ目に埋めて修復したり、ボリュームつまみがスカスカでやたら外れてしまうのをなおしたり…。
まあ、言葉で言えば、新品なのに不良箇所だらけのポンコツギターだったわけです。
復刻版初心者モデルの最低グレードモデル…なので、ボディ材もスカスカなため軽くて、1度ビスを外すとビス穴が開いてビスが効かなくなるくらいの、マホガニーっていうよりはラワンですか?という感じのボディ材(笑)。
ネック材も同様のマホガニーですが、昨今のローズウッド材の輸出禁止や高額化に伴い、指板はローズウッド材ではなくて焼いたメイプル材です。
廉価版仕様なのですが、これがぼくには好都合でした。
メイプル材特有の音の立ち上がりの良さ、歪んでいても明るく明瞭感のある音となり、P-90シングルコイルピックアップのシングルなのに粘りのある音と相まって、持っているギターの中で一番ストレートにロックな音のギターとなりました。
バランスとは恐ろしいもので、ボディやネック材が粗悪?(笑)だと、指板の共振と音が目立つんだなぁと…。
そんなわけで、そこそこオンボロなギターであることは承知している上で、自分が所持するGibsonギターの中で一番音をコントロールするのが楽しいし、もともとハズレ物のボロだったからこそ余計に可愛く感じるギターなんです。
このギターの特性としては、生鳴りもアンプを通した音も、弦が新しいと「巨大」と言いたくなるくらいデカいですが、低域が乾いた音がするため、普通のGibsonギターよりも硬い音です。
また、サスティーンは強く弾くと短く、弱く弾くとやや短めです。
だからと言ってサスティーンの短さが悪影響を及ぼすかと言うとそうでもなく、ボリュームコントロールによる歪みの調整や、駒の無いブリッジでの多彩なミュートテクニックを意識せずに使うようになり、逆に、ギターの至らないところは自分から積極的に調整する癖がつき、コントロールする楽しみを与えてくれます。
そうですね、たとえれば、高額ギターがフェラーリだとすれば、20万円クラスのギターがBMWの3シリーズくらい…、このSGジュニアなどの廉価版仕様ギターは軽自動車あたりに匹敵するのかな…。
今回のリアにFender系ピックアップを追加するという事で、軽自動車をベースにリッターカーへの改造をブランドを超えて行う…、うーむ、考えてみるとフォードとベンツの合体したスマートみたいなギターになるのではないかと思っています。
マホガニー材で、ましてやGibsonのギターでFender Telecasterのピックアップなんて誰もやっていない改造かと思いますが、フロントピックアップ単体の音については、ぼく的にはメロディーメーカーのギターの音に金属カバーのキラッとしたイメージが加味された音になるのではないかと想像しています。
想像どおりの音になったとしたら、間違いなくGibson系のメインギターはSG Faded からこちらのSG Juniorに変更します。
先方にギターが届いたので、近々作業が開始されることでしょう。
めちゃめちゃに出来上がりが楽しみです。
各ボリュームやトーンのつまみ位置、ピックアップセレクターを追加する位置については問題なしであろうて佐藤さんから連絡をいただきましたが、一点だけ気になる点がピックガード…。
ピックガードは当初、装着されているものをそのまま利用してピックアップ追加部分に穴をあけてもらうように考えていました。
しかし、ピックガードの長さが足りないためピックアップのザクり部分が丸出しになるであろう…事がわかりました。
新たに別形状のピックガードを作っていただくか…、それとも穴が丸出しになっても当初の予定どおりに今のものを使うか…、まようところです。
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