今日は、ぼくが使っていたギターアンプについて、思い出せる限りで記してみたいと思います。
中学2年の秋、最初に買ったギターのGreco EG-420と一緒に買った最初のギターアンプは"テスコのTS-10"でした。1973年だったかな…。
10wだけど、ちゃんとリバーブが付いていましたが、ロックをやりたいのにフルパワーにしても歪まない…。
おかげで、当時はディストーションもオーバードライブも発明されていなかったので、シンエイのファズとか、ローランドのダブルビートとかの歪みペダルを買い、ひとりで家で数ヶ月使っていました。
さて、バンドをはじめることになり、10wではとてもパワーが足りない事がわかったので、フルパワーでちょうど他の楽器とバランスできるローランドの40wアンプ"CA-40"を買いました。
大きな音でバンド練習出来る友人の家では、当時のハードロックを演奏するのにはアンプ全開エフェクト無しでバッチリでしたが…。
大きなホールでライブをやった際に、CA-40では低域が足りず、また、ハードロックなのにアンプが小さくてカッコ悪い(今の自分からは考えられない思考)と感じ、ローランドの大きなセパレート120wの"SR-120"を買いました。
凄いデカい音で、ギターを弾くとドラムが聴こえないくらいのデカくて倍音の多い音でした。
ここまでが中学生~高校生の頃でしたが、さて、人前ではハードロックだ~(いや、厳密に言うとぼくの場合はハードめでポップなロックンロールでしたが…)とカッコつけたかった自分ですが、高校も最後の頃になるとハコバンドのトラのようなアルバイト?もするようになり、スタックスソウルや西海岸のフォークロック、ザ・バンドのようなアメリカンルーツミュージックを母体としたサウンド、BBキング、実は中学生時代から好きだったカーペンターズなど、いろいろな音楽をやりたくなって来ていた自分としては、パワーよりもいろいろなバランスや音色に対応できるようにしていきたいと思いはじめました。
そうこうしているうちに大学生となり、その頃には1ボリュームのみで爆音にしないと歪まないギターアンプだけではなく、ゲインとマスターの2ボリューム、さらには3ボリュームのギターアンプが発売され、爆音 を出さなくとも歪み音色が得られるようになりました。
さらには、エフェクターとしてディストーションやオーバードライブが発売され、ボリュームペダル等と組み合わせることで小さい音から爆音までクリーンから歪み音色を自在に弾くことが出来るようになりました。
今では当たり前のことですが、ぼくの高校3年から大学1年の頃のたった1年で、本当にギターの世界は変わりました。
最後は大学の軽音に寄付して部室に置いて来ちゃったアンプですが、20Wのトランジスタアンプで、"ELKのFS-22"という軽くて小さいギターアンプがありましたが、ディストーションに近いファズが内蔵されていて、エフェクター使用せずに使うにはもってこいのアンプでした。
アンプのそばでギターを弾いて、ソロになったらボリュームを上げて、バッキングの手前でボリュームを下げて使っていました。(ハコバンのバイトで音量とリズムのバランスどりがいかに演奏に大切なのかをえらい怒られながら覚えたので、大きい音でも小さい音でも、きちっとダイナミクスを失わない演奏になるよう心がけるようにしはじめていました。)
安物のアンプでしたがとても使いやすくて、こういうのが優れた初心者用アンプだよなぁと今も思っています。たぶん、今弾いても良い音が出せる自信があります(笑)。
しかし、地元ではブルース・R&Bバンドをやっていたので、ロックやクロスオーバー(フュージョンの昔の名称)での歪みとは違うクランチな歪みが欲しかったのです。
かなり高額ではありましたが、石橋楽器に鈴木茂氏が所有していたと思われる1960年代の"Fender Deluxe Reverb"が売られており、これが1ボリュームなのにボリューム4くらいから実にきれいな音で枯れた歪みを提供してくれました。5年くらい使いましたが、バンドの運営資金のため売却。もったいなかったなぁ~と思っています。
さぁ、トラやフォークデュオのバックや何やらで仕事的にギターを弾くことが多くなった大学2年以降、オーバードライブやコーラス、それに小型化してきたボリュームペダル、デジタルになったディレイなどのコンパクトエフェクター化があったので、もっとそういったエフェクターと併用してアンプを使いたくなってきたぼくが選んだのは"Vesser V30"というELKが作っていたブギータイプの真空管アンプでした。
対抗するブランドはエーストーンが作っていたJagboxというアンプでしたが、セールス的にはJagboxの勝利だったものの、ぼくの好みとしてはVesserの方が好きでした。
しかし、あまり長く使うことなく手離してしまいました。重かったからかな。。。
Vesser購入とほとんど同じか、それよりちょっと前だったかなと思いますが、低圧トランジスタを使ってMoogが作ったGibsonのアンプ"Gibson Lab L-5"という100wアンプを購入しました。
100wにしては妙に音の小さなアンプでしたが、今考えてみるとこのアンプが世界最初のモデリングアンプだったのではないでしょうか。
なんだかいろいろな音が出るということで、メカに疎いにもかかわらずそういうのが欲しくなる傾向は今もかわりません(笑)。
このアンプの音は気に入っていませんでしたが、軽かったので8年くらい使いました。エフェクターのセッティングは固定しておいて、アンプのパラメトリックイコライザーをいじって音の変化をさせていました。
なんか売却した覚えがないのですが、ありません(笑)。
ケンミミストーンズ時代にはアコースティック社のギターアンプも使いました。
録音に使っていたスタジオにあった縦型のコンボのものが使いやすく気に入ったので、それより古い型でしたが同じ縦型コンボの中古を購入。
トランジスタなので大きなわりに軽くて、音圧もあるアンプでした。音は良かったのですが、ブーンという発信音が出てしまう欠点と、アコースティック社製で縦型だったのでステージでベースアンプだと勘違いされるという欠点はありました(笑)。
1990年にギターをやめて、1993年の終わり頃からまたギターをはじめた後ですが、小型高出力のピーターソンの100wアンプも購入しました。
狭いクルマにたくさんの器材を載せる際に便利だと考えての購入でした。良いアンプでしたが、やっぱりジャズ用でぼくにはあまり合わず売却してしまいました。
その後はTech21社のTrademark60が気に入って使っていたのですが壊れてしまい、BlackStarのアンプ2台他いろいろ購入しましたが、今所持しているメサブギーの15W、オレンジのトランジスタ60W”Crush Pro 60”、Tech21社の”Trademark30”に落ち着きました。
けれど、ドラマーが居ないバンドのギタリストとしては、それらのアンプでオケのサウンドにあわせてギターを弾くのはバランスが悪く、ギターアンプで音づくりするのではなく、音づくり自体はSansampをギターアンプに見立てて行い、単にモニターするボリュームまでオーディオ的に聴こえるようにするためにアンプを使うこととしたため、大音量時には100WのZT-amp Lunchboxを、小音量では30WのZT-amp Lunchbox Juniorを使うようになりました。
昔から考えると、とても考えられないアンプ使用の変遷ですが、小さな音でもダイナミクスのある演奏を心がけたいという気持ちはずっと変わっておらず、その中で本当にぼくに必要だったアンプを1台あげるとすると、それは実際にはアンプではなくてアンプシミュレーターの”Sansamp Classic”なのだなぁと感じます。
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