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音づくりに関する質問への回答

2018/11/20 00:00

 今日は、先日、ちょっと対バンのギタリストの方から嬉しいご質問をいただいたので、その紹介と、ぼくなりにそういった内容に近づけるために工夫していることを書きたいと思います。

 質問していただけた内容は「かなりバランスに対してギターを引っ込ませてもギターが聴こえるのはどうしてか。」「空間系エフェクトを多用しているのにクッキリと各楽器が聴こえるのはどうしてか。」「ギターアンプを使わないで、どうしてギターアンプらしい音を出せているのか。」というようなバンドアンサンブルと音色についての質問でした。

 いやぁ、こういったご質問は嬉しいですね~。無い知恵絞って数年やってきて考えた音づくりですから、興味を持っていただけたのが、もうとっても嬉しいです。特に質問してくださったのがとてもセンスの優れたギタリストの方だったので余計に嬉しいです。
 簡単に言うと、どの楽器についてもややローカットして中域重視の音づくりとし、TECH21のSansamp Classicをギターに、Sansamp Bass driverをベースに使う・・・というのが答えです。

 基本の音色を「ドンシャリなCD時代の音」ではなく、「レコード時代の低域は細くて、低域であるべき音が中域にかんでいる(今の感覚で言うならば、ベースをギターアンプで鳴らした感じ)」にすることによって、迫力成分である「うなり」のところをカットして演奏しているといえばいいかもしれません。

 この方法は、人数が多いバンド時に「迫力よりもクリアにする事を重視」した際に用いられる手段に近いと思います。

 最近のベーシスト音色を聴いていると、なにを弾いているかわからないくらいうなり成分が多く、ドラムのバスドラの音までかき消してしまっているのをよく聴きます。
 比較的弱いピッキングでも大きな音がでるようにしてプレイされていることが多いようです。

 うちのベース村上はまったく反対で、低音カットの中域重視の音、かつ、バランスに対してやや小さめの音量にセットし、ボリュームが必要な部分では思いっきり力強く弾いてボンッ(とかバキッ)というような音で弾きます。
 音の先生になっている主はブッカーT& MG'sのダックダンです。いや、今の方は「映画ブルースブラザースでベースを弾いていた髭面パイプのおじさん」といった方がいいですかね。。。

 逆にぼくのギターは、皆さんがブースター等を使って「基本は、元の音に対してブーストして強い音を作っていく。」のに対して、「一切ブーストせずに、ボリュームペダルとギター側のボリュームで、どんどんカットして使う。」という、現代の皆さんとは逆のことをしています。

 そのため、ギターはかなり大きな音量にセットしており、通常は100%の音量で弾くことはソロでも無く、バッキングでは10%~15%程度、ソロで50%~75%くらいでプレイしています。

 なぜ100%で弾くことがほとんどないのかですが、ぼくは1チャンネルのギターアンプにエコーマシンを搭載したアンプをイメージしてプレイしているので、歪みを抑えてクリーンにする際はクリーントーン用の音色を選択するのではなく、歪んだ音の音色のまま、ギター側のボリュームを絞ってクリアにしていく方法を用いており、その際にクリーンな音でソロを弾きたい時には、やはりボリュームが足りない場合があるので、その余力を設けているのが75%~100%までの余裕なのです。

 このことによって、強いベースの音とうねりですべてがゴチャゴチャのダンゴな音になる・・・というありがちな事は起こらず、積極的にギターにリバーブやディレイがかかっていてもクリアーな聴こえになり、ボーカルもハッキリ聴かすことが出来ます。
 当然、ギターのオブリガードやソロでのボリュームが足りなくて聴こえないということは、ボリュームペダルのコントロールさえきちんとしていれば起きないのです。

 ドラムの居ないバンドで、半分の演奏は録音物(ドラムとシンセ)なので、そのオーディオ的な音に音色を揃えないと、打ち込みドラムの音がショボくてバランス的に聴きづらくなるので、大きな音になればなるほどギターもベースもアンプを使わないでSansampでライン出力した方が良いバランスになります。(逆に小さな音量の場合、Lunchbox Junior等のオーディオに近いギターアンプを使用した方が安定したプレイが出来ます。)
 当然、ドラマーがいるようなバンドの演奏時には、もっと太い音のする普通のギターアンプを使うことになりますが、今のぼくにはドラマーの居る環境が無いため、打ち込みの録音されたドラムやシンセに合わせる環境を優先することになり、ギターアンプらしさもギターアンプではなくてサンズアンプで作っていくことになります。

 もしも環境が違ってドラマーの居るバンドでプレイしていたならば、たぶんヤマハのアンプヘッド「THR100H」のセンド・リターンにディレイとボリュームペダルだけを繋いで、会場のマーシャル等のスピーカーから出力させてもらって使っていただろうと思われます。
 しかし、オーディオ的なオケに合わせてプレイする今の環境では太い音が出過ぎて全体のバランスを欠いてしまいますので、やはりオーディオ的な音でギターをプレイすることになります。

 さて、そのようにベースのうなりを除去して、ギターの迫力成分も除去しちゃうわけですが、それが自然に出来て嫌みの無いオーディオ的なアンプサウンドを可能にしてくれているのがSansamp Classic等です。

 しかし、オケで流す打ち込みドラムとシンセに合わせてライン演奏するスタイルは、やはり演奏していても迫力は欠けるし、ペラペラになってしまうわけです。

 あの低域での迫力ダンゴサウンドがあるからこそ、「おお、ロックじゃん」というような「音で埋まった世界」を構築してくれるわけですが、それがぼくらのバンドでは不可能ですから、違う方法で「迫力のようなもの」を構築していかないと、とても皆さんのバンド同様に聴いていただくことは出来ません。

 その解決策として実施しているのが、「ガラの悪そうなカッコのコケ脅し」と「近くに来ないで~と思われるような怪しい人格」による迫力です。

 すみません、ウソです。いや、ホントかな(笑)


 工夫している点は、通常は八分音符分の長さのグリッサンドタイミングを、四分音符の長さ(倍の長さ)にのばして大げさにプレイする。グリッサンドのタイミングをベースと完全に一致させた合わせとする。
 アレンジ上、ギターとベースのユニゾンは合わせのみとし、また、単純なコード弾きは極力少なくして、リフのライン多様化、リズムのポリリズム化等を考えるようにする。
 ギターは比較的高音域を中心としたプレイをし、ベースの中域があたかも低域に聴こえるような周波数帯域バランスを狙う。
 それとともに、オケのシンセを追加する点は、薄っべらにならないように楽器数を増やす意味と、このバンドに本来は必要としてしているメンバーは「ボーカル」「ギター」「ベース」「ドラム」「シンセ系キーボード+生ギター」「ピアノ系キーボード」の6人編成なのだというイメージを作る意味です。

 さすがにギンギンにロックな音のバンドの中では小さな音になってしまいますが、かなりな小さなボリュームから演奏できるロックバンドとしてなんとかバランスするにはいろいろと研究を重ねているつもりです。


 そんなぼくの音づくりの要になっているギターアンプシミュレーターSansamp Classicですが、発売からは30年近く経っており、すでに製造を終了しています。
 現在の新しいキャラクターシリーズのSansampはどうも気に入らない音なので、もし、今使っているものが壊れたらぼくのギター人生も終わってしまう現状・・・。

 さらには、ボリュームペダルとリバーブ・ディレイ・コーラスとして使っている小型マルチエフェクターの電源の調子も悪く、ここは何かSansampに替わる何かと、適当な軽いエフェクターを発見しないとやばいなぁと思っている今日このごろです。

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