![]() 「Magic doll」
お話のはじまりは、良い魔法使いのおじいさんが、親を亡くした悲しみの少女に亡くなった親の魂と交信できる力を持つ人形を与え、人形は少女の亡くなった親の魂からの愛の意思を少女の夢の中で伝える、幸せを運ぶ友人となりました。 しかし、数年後、悪い魔女が街々で憎しみや争いの気持ちを心に芽生えさせてしまう悪魔の心を持つお人形、悪魔の人形を配り、ついに少女の住む街にも、言葉巧みに愛を運ぶ幸せの人形を持つ子どもたちを騙し、彼女の作る悪魔の人形と取り換えさせるためにやって来ました。 幸せのお人形は、強い気持ちで「この子をひとりぼっちにさせない。必ず守る。」と決意します。 「La poupee du diable」 カッコいい今風ギャルチックなルックスを持つ悪魔のお人形をかざし、「薄汚くて古臭いお人形を、今一番流行のナウなヤングのステキなお人形にとりかえてあげるわ。」と子どもたちを誘います。 けれど、どんなにステキに見える人形であっても、子どもたちには、古臭くても永遠に純粋な気持ちで自分のことを思ってくれている心の美しさがにじみ出た可愛らしい愛を運ぶ幸せのお人形は大切な友だちですから、手放すことは出来ません。 他の地域では簡単に悪魔のお人形が求められたのに・・・魔女は当惑します。 さて、そもそも魔女はどうして悪い魔女になってしまったのでしょう? なぜ、愛の幸せの人形をつくるおじいさんとは別の道を歩んでしまったのでしょうか…。 私の想像するところ、おじいさんがこの人形の魔法を知ったとき、同じ場所に少女だったその魔女もいたのです。 いわば、一緒に魔法を知った仲間だったのでしょう。 おじいさんは、若い頃、自分の居ない間に家族全員を失うという悲しい思いをしたそうです。 そして長年かかってこの魔法を知り、自分のために家族と一緒にいられる方法としてこの魔法を使ったのでした。 おじいさんは、この魔法で同じような悲しみを持つ子どもたちを救いたいと考え、ちっとも儲からない「幸せの人形」づくりを天職としたのでした。 その時、同じようにひとりぼっちで悲しい思いをしていた少女があの魔女だったのです。 魔女となった少女はおじいさんとはまったく違った思いで満たされていました。 オトナも子どもたちも「いつも貧乏で親のいない自分をバカにして虐げる。いつか仕返しして世の中みんなを不幸にすれば私はきっと幸せになるんだ…。」悲しみを怒りの気持ちで抑え、そう思っていましたから、悪魔の魂を引き入れた人を不幸にする悪魔の人形を作りはじめたのでした。 悪魔の人形は、人間の悪の部分ばかりを伸ばし、それを褒め、快楽と自分の優越感のみを望み、暴力を好む子どもたちへと仕向け、いじめやケンカ、最後は戦争へと結びつけていきます。 その計画に邪魔なのがおじいさんの作る幸せのお人形たちです。 でも、おじいさんももう年をとって昔のように幸せの人形をせっせと作ることができません。 誰かにこの魔法を伝授して、次の世代につながなくてはいけなかったのですが、それを伝える時間も、もうなくなってしまったようです。 魔女はおじいさんの力が鈍った今、勝負の時とばかりに悪魔のお人形を街から街に配り歩きはじめたのでした。 もともと幸せのお人形を持たない子どもたちは、いとも簡単に騙されて悪魔のお人形をもらっていきます。 街にはどんどん犯罪や暴力が増えていきました。 けれど、貧しい孤児の多く住むこの街にはおじいさんの作った幸せのお人形がたくさんいます。 魔女の地球凶悪化不幸せ計画には一番邪魔になる存在です。 それでも、簡単に子どもたちは騙されて人形を交換するだろうと魔女は思っていました。 けれど、簡単にはそのようにはならず、子どもたちが躊躇した理由は「幸せの人形の涙」だったようです。 「人形の涙」 古いからと言って、大切な友だちでもあるお人形を取り換えたりするような行為は、まるで悪いオトナたちが貧乏になったり落ちぶれた友達を捨てて、お金持ちや権力にハイエナのようにたかって媚をうっている様に似て醜いものです。 すでに子どもたちは、たとえ世の中がどんなに間違いだらけでも、大切に守るべきものは、心の美しさと愛なんだと知っていたのですね。 幸せの人形たちは暴力をふるったり、怒りをあらわにすることなんて出来ないんです。 だから、悪魔の人形に騙される子どもたちを見て悲しくて涙を流していたのです。 幸せの人形を持つ子どもたち同士、今まで会ったこともなかったのに、それぞれが同じ思いを抱いているのがわかりました。 「この魔女に悪魔の人形づくりをやめさせなければ…」 そして、少女に魔女が声をかけてきたとき、少女の持つ幸せのお人形は夢の中で生きるだけでなく、ついに現実の世界で動き出します。少女を守るために…。 「人形大戦」 少女の持つ幸せのお人形が空に飛び出すと、次々にほかの子達の持つしあわせのお人形たちも飛び出しました。 その挑発に悪魔のお人形たちも反応して空に飛び出し、この町の空は人形たちで満たされました。 凄みをきかせて幸せのお人形に近寄る悪魔のお人形に対し、幸せのお人形たちは楽しそうに踊りはじめ言いました。「あなたたちも踊りましょう。楽しいですよ。」 悪魔のお人形は、心の清い者の言うことをきいてその通りにすると、自己矛盾を起こして爆発してしまいます。 けれど、快楽は大好きですし、特に踊りは悪魔のダンスを得意としているため、どうにも我慢できません。 魔女は「踊ってはいけない!」と叫び続けましたが、ついついつられて踊ってしまい、悪魔のお人形は一体残らず爆発してしまいました。 そこで魔女は気づいたのです。 それは、復讐のために作り、悪魔の魂を招き入れたお人形ではあっても、単なる道具のはずのそのお人形を愛おしく大切に思っていたという真実でした。 魔女自身が、愛とは無縁の復讐の道具を愛おしく感じていたことで、人形はさらに自己矛盾を起こして爆発を早めたのでした。 そして、魔女は、深い愛に満ちた幸せのお人形のすばらしさ、それを作ったおじいさんの偉大さに感動し、これまでの自分の行いを恥じ、心から反省しました。 「Avo Magiist〜Magical doll house」 改心し、少女に謝る魔女に対し、お人形が語りかけます。 お人形は幸せのお人形をつくるお爺さん(Avo Magiist=老魔術師)がなくなった事を知っていました。 それはお爺さんが亡くなった時、一人の女性に愛を贈るため、自分の魂を、少女の両親の魂と一緒にお人形に託すようにしていたためでした。 一人の女性とは魔女の事でした。 世の中に虐げられ、悲しい思いをしてきた少女は悪い魔女になり、虐げてきた人々への報復のため、悪魔のお人形をつくってきましたが、悪魔のお人形は武器も使わず愛の力と思考で戦った幸せのお人形に敗北しました。 強い者が勝つわけではなく、善が悪に必ず勝つというものでもない。ただ敵であるあなたを愛するおじいさんの心があなたを救ったのです。 その事を語り終えたお人形は、少女の腕の中に戻り、何も無かったかのようにやすらかで優しく愛らしい笑顔のまま、動かなくなりました。 魔女も少女も幸せの人形を作ったお爺さんが亡くなったことを知り、深く悲しみましたが、少しの間少女は考えてから、人形を共有して、良い魔女になった魔女に一緒に住み、家族になってお爺さんの人形づくりを継承していこうと魔女に言いました。 魔女は許してくれるだけでなく、意地悪をしていた自分と家族になってくれるという言葉に感動し、何度も少女に感謝しました。 そして、二人ではじめた孤児の子には無料で幸せのお人形をプレゼントするドールショップ「Magical Doll House」。 ちょうど、映画でいえば、お話が終わり、その後の出演者等の紹介字幕の時に流れるエンディングソングのような感じですが、その順調な開店状況でこのお話は終わりました。 さて、小さな少女の枕元で、そんなお話をしてきかせたお母さん。 お母さんは、おばさんと一緒に人形屋さんを経営している女性のようです。 そして、そのお話をしてきかせていた時、彼女の傍らに居たのは、お話の中で大活躍したあの、幸せのお人形そのもののお人形でした。 このお話は、お人形にちなんで彼女が創作したお話なのか、彼女があの時の少女だったのか…、それはこれを書いている私にもわかりません。 けれども、彼女が言いたかったことはわかるつもりです。 それは歌の最後の言葉、 Don't stop Love for peace each other. Let One of the dream of each other. Dream is better than strong magic. Earth is full of Love & Peace. 平和を愛する心を互いに持ち続けよう。お互いの夢を(愛と平和)の一つにしていこう。どんなに強い魔術(武力や財力?)よりもその夢は強いはず…。そうすれば地球は愛と平和で満ち溢れることでしょう…。 非常にありきたりで当たり前な理想論かとも思いますが、つまらないプライドや威嚇や文句ばかりが横行する世の中にあっては、くだらないと一笑に付すのではなく、もう一度「Love & Peace」を大切に考えたい、母親として娘にそうあってほしいと願ってのことなのだと思います。 |
![]() 1.空飛ぶ自転車
あるところに普通の少女が住んでいました。 その日はなにか不思議に気持ち良い春の休日の朝。 何が気持ち良いって、そりゃもう、いつものような憂鬱感なんてまるでなく、まるで身体が軽く感じるくらいウキウキしちゃう日だったのですから…。 そうそう、いつもの憂鬱っていうのは「いったい私は何のために生きてるの?」「私にはこれといった夢がなくて進む道がわからない。」そういったみんなが思うような悩みですね。 そんな気持ちがスッと晴れて少女はあまり気持ち良いので、家を飛び出ると元気よく自転車に飛び乗りました。 すると、どうしたことでしょう…、ペダルを漕ぐごとに自転車は宙に浮き、空を飛び出したではありませんか。。。 実はこの「空飛ぶ自転車」はある人?からの招待状のようなものだったようです。 ペダルを漕ぐと勝手に方向を定めて飛んでいき、ペダルを戻すと自分の家に向かうようです。 少女は「これはきっと、夢を捜す旅に違いない」「なんだか長い旅になりそうだ」と予感して、一旦家で旅支度をしてから空飛ぶ自転車の旅をすることにしました。 2.Wrap it! 一旦家に帰って少女がした旅支度、それはお弁当づくりでした。 少女のお弁当はちょっと変わっています。おにぎりとかも入ってはいますが、思い出やトランプなどもラップに詰め込みます。 そして空飛ぶ自転車に乗り、ペダルを漕ぎだしました。 自転車はゆったりと空に浮かび上がったかと思うと、一漕ぎが5m〜50m〜50km〜50000kmという具合にスピードを上げて天高く昇って行きますが、不思議なことにゆったりとした乗り心地で、息も苦しくならず、まるでどこかに吸い寄せられていくような感じです。 ついには地球を飛び出て、太陽系を離れ、銀河系も遠くに見えるくらい遠い宇宙まで来ました。 時間という観念がなくなってしまったので、ゆっくりと瞬間移動しているような感じ…と言えばいいのでしょうか…。 少女が家を出てから数十万光年以上経っているのに、地球時間的感覚だとまだ2〜3時間といった感覚しかありません。 次第に自転車の飛ぶスピードがゆっくりになって来たようです。 3.赤い竜 ところで皆さんはアーサー王のお話を知っていますか? アーサー王はローマの英国統治終了後、バラバラだったブリテン人を統一し、ブリテン人の王となった人ですが、その財宝を赤い竜が守っているとのことです。 さて、少女のお話に戻りますが、宇宙の真ん中に透き通るような光が見えてきました。 すると、少女以外にもたくさんの自転車に乗った人たちが、その光を目指して飛んでいるではありませんか…。 その光に近づくと、その光の中にはあの伝説の赤い竜が居るではありませんか…。 自転車に乗った人たちは一瞬で気がつきました。 赤い竜が守って来たアーサー王の財宝とは…、それは不可能を可能にする人間の夢を見る力であると…。 侵入者の占領地ではなくこの土地の人たちがこの土地の主でありたい、という誰もなしえなかった夢を見てそれを成したのは、誰かの真似でもなければ既定の職業に就きたかったわけでもなく、自分や周囲の夢だったのですね。 既存にある職を選ぶことや、憧れる人の模倣をすることを夢にして「自分らしさ」を人生に求めるのは難しいことでしょう。 選択や模倣の上にはオリジナルはありませんから…。 赤い竜がみんなに伝えたかったのは、きっとこんなことではなかったのではないかと思います。 4.Dream 赤い竜の時代は魔法の時代でした。 赤い竜が、最大の魔法でありアーサー王の宝として守るもの…、それは「人が夢を創り出す力」であり「夢そのもの」だったようです。 赤い竜は少女に優しく語りかけました。 「夢は捜すものじゃなくて自分で創るものなんだよ。」 そこにはいろいろな意味が含まれています。 そうですね…。私自身のことを考えてみますと…、ただ漠然と世代の社会の中で流されていただけの自分に気付かされます。 年齢とともに感じる「普通」に照らして自分の位置を見たり、集団と言う力に依存するが故の不自由・正義感の喪失…どうでもいいことのオンパレードばかりで、挙句の果てには「しょうがない」とか諦めの言葉ばかりを吐いてしまう…。 そして命が果てる時、たぶん「いったいこの人生は何だったのだろう…。何と無意味なものだったのか…。」と感じてしまうでしょう。 人という生き物は、どうも、生きた証しを残すことで人生を創り、その原動力が夢であると思いたい生物のようです。 たぶんそれは、自分と言う影響力が人類のためにほんのちょっと役立ったという自己満足かもしれません。 けれど、悲しい思いや寂しい思い…楽しい思い出もあわさった記憶の中から、他人にも見せることができる夢を創れたら、それはどれだけたくさんの幸せを創ることができるでしょう。 自分の人生の中でその夢は果たせないかもしれませんが、有り得ない夢を持たなかったら飛行機も空を飛べないし、クルマもない、電気で動くものだってありゃしないのですから…。 いつの世でも、すばらしい夢は「バカバカしい絵空事」と見られるものです。そんな子どものような考えで絵空事を考えられたら、それが一番素晴らしい夢に決まっています。 少女がお弁当に詰め込んだ思い出たちは、きっと将来の夢に繋がるキーワードになることでしょう。 夢、それは諦めずに生き続ける事なのかもしれませんね。 そして、赤い竜に別れを告げて沢山の自転車に乗った人たちが家路につきます。 少女も家路につきました。 なんだか、人生と言う旅にワクワクする気持ちでいっぱいになりました。 さて、では私も少女を見習って、先のあまり長くない人生ではありますが、命に希望が見えるような夢を描きたいと望むことにいたしましょう。 |
![]() 「Requiem」歌詞
何かを見つめてるような瞳 そこには何も見えないのに かすかに聞こえた鐘の音 そこには何も聞こえない 人を愛すことよりも 国を愛することを 偽りの平和信じ 戦い続けた もしも君に会えたなら 今すぐ駆け寄りたい Love & Peace, Forever we need it. Love & Peace, 真実の愛が欲しいだけ あつい思いをした事も忘れ 他人の事などかまわない 愛の君は微笑みかけたのに 誰一人として気づかない 教会の鐘がまた鳴るとき 一羽の鳩が飛び立つ 国は亡び 人は変わっても 鳩は思う もしも君に会えたなら 今すぐ駆け寄りたい Love & Peace, Forever we need it. Love & Peace, 真実の愛が欲しいだけ ///////////////////////////////////////////// 「Requiem」は、1989年に作った曲ですが、最近の世の中の状況から復活させることにしました。 |
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