さて、今日は2台のテレキャスターを同じフレーズ、同じセッティングで弾き比べてみました。
2台のテレキャスターとは、まず1本がFender社のカスタムショップを除くレギュラーモデルのテレキャスターの中では一番高額なUSA製1952年タイプのモデル(25万円くらい)にPACO製高級テレキャスターのネックをセットしたギター(写真左の黄色い方です)、もう一台がFender社では最安値(7万円くらい)のMexico製Player Telecaster(写真右の白い方です)。
なぜそんな動画を撮ったのかと言いますと、Youtube等で見ていたら楽器屋の店員らしき人たちまで「安いギターは使いものにならない」というような事を言われ、GibsonやFenderの廉価モデルをバカにしていたのを見て、「本当にそうなのだろうか。。。鑑賞的価値はないけれど、音楽をする道具としては、ぼく程度の技術レベルであれば必要充分だし、大体にして新しいモデルはとても力が要らずに弾きやすい。」と感じているので、本当にこの音の違いは決定的に酷い差で使いものにならないとハッキリ判るのか・・・を皆さんにも見ていただきたいと思ったからなのです。
どうでしょうか。
ぼくの感覚では、音の違いを考えてみるとUSA製1952タイプはいわゆる真鍮のゴチーンという音がめだつ旧来からの音で、案外高域は少なくて中高域がめだつ音。
さらにはリアピックアップもフロントピックアップもさほどパワー差がないため、現代の使用勝手ではリアはもっとパワーが欲しいし、フロントはもっとパワーを下げて欲しいと感じてしまうところはあります。あくまでも昔風で、現代の音楽状況にもマッチできる・・・というような感じがぼくはしています。
見た目はラッカー塗装なので綺麗ですね。
それと比較してMexico製Player Telecasterは、真鍮のゴチーンな音はさほど感じなくなってしまいましたが、明らかに高域の出が良く、同じ音量で弾いているのに音がクッキリ大きく感じます。
旧来のTelecasterとは違う音ですが、2000年くらいのアメリカンスタンダードの後を継ぐようなオールラウンドな対応ができる音にぼくは感じました。
また、リアピックアップは高出力でホットめな音、フロントは逆にパワーが小さくてクランチなサウンドを作りやすいので、本当に美味しいポイントをつかんでいるピックアップだなぁと感じます。
見た目はウレタン塗装なのでカッコ悪いですが、ソリッドなベタ塗りカラーならそんなに気になりません。
また、従来のTelecasterはネックを外さないとトラスロッドの調整が出来ませんでしたが、このギターは弦をはったままでヘッド側で調整できるのでメンテナンスも楽です。
ちなみに、弦は同じダダリオのバランスドテンション009~040インチのセットですが、1952type Telecasterの方は新しい弦を張ったばかり、Mexico Player Telecasterは交換後2ケ月経っている状態の弦です。
そんなわけで、価格と音、道具としての使い勝手を考えると、「廉価版ギターはダメ」という楽器屋さん等の意見には「?」の気持ちです。
要は、高いギターの商品としての価値観を高めておきたいがための「ぼくは専門家」のリップマジックを狙っての廉価版への悪口なのかなと感じました。
確かにレギュラーモデルはカスタムショップ等の工芸品?に比べたら量産モデルなので、消耗品というか道具というか、家電と同じようなレベルのものだとは思います。
しかし、それが使用に耐えうる優れた道具なのであれば、やはり商品価値の優劣を守る発言よりも、本当のことを伝えて欲しいなぁとぼくは感じました。
いや、もしかしたら2台の音の優劣は歴然で、弾いているぼくにだけわからないのかもしれませんね・・・。
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