以前、「本当はテレキャスターのハムバッキングが欲しかったけど、左利き用の販売は無いと山野楽器に言われたので諦めた。」と言いましたが、左利きにチャンスをくれるアメリカですから当然作っていたので、合理化が進んでいなかった時代のモデルではよくあったりするのです。
左利き用をとる手間が面倒だから「わざわざアメリカに注文しないよ」という日本輸入業者の都合の話であり、アメリカ本国にはドッサリという程ではなくともそれなりにあるのです。
けれど、これまで左用では一度も見たことがなかったモデルをイシバシ楽器の中古店で見つけてしまったのです。
1983年型テレキャスター・エリートの黒。
テレキャスター・エリートと言えば、GibsonのL6-Sと同じくらい欲しいと発売当時に思っていた憧れのギターでした。
まさか左利き用が存在しているとは夢にも思いませんでした。
しかし、ネックのジョイント位置の脇に2ケ所ひび割れが…。さらにフレットはかなり減っているようですし、裸弦のフレットばかりが減っていて巻弦が減っていないので、もしかしたらネックが歪んでいるかもしれません。。。
そのせいもあってか、極希少なエリートの左用にあっても8万円程度の予定価格です。予定価格でまだ販売されていないため、調整中で弾く事ができませんでした。
程度の悪い現状渡し保証無しで8万程度を予定、フレット摺合せやネックの直し等が入ると高額になってしまう可能性もあるとのこと。。。
程度が良いものであれば、左用は買う時高くて売る時に安いという鉄則で、15万円くらいはするのでしょうから、まぁ、そんなところでしょう。。。
かなりボロいんだけど。。。すごく気になる。。。
その話はここまでにしておいて。。。
考えてみると、これまでの人生で、現在のメインにしているGibson SGやFireBirdに憧れた事はまるでなかったですが、ここ数年(50歳前後)で憧れのギターだったギターをかなり手に入れました。
もう売却してしまいましたが中学時代の憧れだったゴールドトップでミニハムのレスポール・デラックス、1952年タイプ・ブロンドのテレキャスター、1959年タイプ・ダンエレクトロ59-DC、1957年タイプ・カスタムショップ製白のストラトキャスター(フレットとトラスロッドがもうダメ)、ストラトの購入は20年前だけど、他はここ5〜6年内の購入です。
とくに1952年タイプのテレキャスターは20歳代最初の頃に欲しくてたまらなかったギターでしたし、そのコピーモデルは何台も購入しましたが、オリジナルであるUSA Fenderではなかなか左利き用を作ってくれなかったので「ついにこのギターを手に入れた!」という感動があったことを思い出します。
とは言え、欲しかった20歳代のころはセンター2ピースボディでもっと高級感もありましたが、現行のものはカスタムショップとの質感差をつけるためか、3ピースボディで塗装も当時のようにキレイではなく、変な言い方ですが、Fender USAがFender Japanの8万円くらいの程度ギターを作った…ような感じはありますけど…。
しかも、メチャクチャにフレットが低くて細くて、音はとても良い感じですがかなり弾きにくいギターではあります。
不滅の人気ギターで、材質等が悪くなった点を除けば、同じ企画のまま20年以上販売され続けているモデルですね。
まぁ、そこまでギターが出回ってこなれて来ないと左利き用をFenderではラインナップしてくれないっていうことなのかな…。
逆に最近のGibsonでは、そのギターの発売最初の時期だけに左利き用を作るようで、一瞬左利き用が世に出ますが、1ケ月もするとすべて完売して無くなり、その後はもう見つけることは出来ない…という感じです。
ぼくが思うに、FenderよりもGibsonの方が左利きの心を理解して無駄のない製造をしているように感じます。
そこで、楽器メーカーのみなさんによーく考えて欲しい事があるのです。
それは多くのメーカーがFenderと同じような考え方で、「あたり前な一般的なモデルのみに左利き用を設定する。」という考え方が合理性が高くて売れ残りが少ないと勘違いされているからです。
スタンダード・ストラトやテレキャス、レスポール・スタンダード、ジャズベース等の左利き用は、特に変わったカラーでない限り、左利き用も売れ残っていたりすることが多いと思います。
けれど、つい最近まで大手の楽器屋ではかなりタマ数のあったGibson FireBirdの左利き用、今、たくさん売れ残っていますか?
廉価版でP90を搭載したLesPaul SpecialやSG Special・Junior、あんなに左用が沢山売られていてAmazonでも購入出来たのに、右用の在庫はまだかなり見ますが、左利き用は今は1台もありませんよね。
左利きは、無理矢理右に直してギターを弾くことを拒絶した人間であり、言わば、頑固であったり、へそ曲がりであったり、逆さにギターを持って妙チクリンに見られてもかまわないと考えた変わり者な可能性が高いわけです。
そんな人間が「サンバーストのレスポールスタンダード」とか「サンバーストのストラト」だとかを絶対の中心として、「思いっきり普通」を前面にしてギターを弾きたいと思うのだろうか…、そこんとこ、よーく考えていただきたいのです。
なのでGibsonの「比較的安めな限定モデルに左利き用を量産し、一定の時期のみ販売する。」というやり方が結果的に当たっているのです。
限定モデルはその時期に買い逃したらもう手に出来ないので、特に左利きは血眼になってお金がなくても借金して買いますから。
しかし、借金と言っても不意の出費なので、大きな金額は無理…。そこで「比較的安価な限定モデル」となるわけです。
そのように「きちんと左利きに売れるモデル」をラインナップすれば、はるかに右利き用のギターよりも回転率もよく、在庫0にはけること間違いなしです。
やはり、左利きを排他しないで平等な商売をしてほしいという気持ちは、ギターをはじめた中学時代から思っていました。
小学生の時、野球のグラブを買う際、キャッチャーミット以外(ファーストミット、ピッチャー用、内野用、外野用)は、すべて苦労することなく左利き用が購入出来ました。
そのせいか、野球のスタープレイヤーには左利きが多く存在していると思いましたが…、まさか世界的にみると50%近いとは…びっくりです。
http://matome.naver.jp/odai/2134015586279963401
音楽の世界でも、左利きというジャンルを見てみると大天才といわれる方々が並びますし、科学者等でもそのようです。
上のリンクのブログ、なかなか説得力ありまして、なんとなく左利きに天才が多いのが理解できる気がします(笑)。
残念ながらぼくは鈍才でしたが。。。(笑)
そのような観点から全世界的視野で考えてみると、左利き製品を積極的に置かない…ということは、天才を生む活動を阻害するという行為に繋がり、楽器製造や販売を担う業者としては「文化・芸術の向上」に寄与せずに、ただ楽器というものを転がして儲けている業者ということにもなってしまいます…なんちゃって。
そういえば、左利き楽器店として有名な御茶ノ水谷口楽器では、店舗規模が小さいためGibson JapanからGibsonのギターの配給がされなくなりましたが、つい先日からGibson Japanを通さずに並行輸入でGibsonの販売を開始していました。
がんばってほしいです。
ちょっと思ったことが、ギターの谷口楽器だけでなく、野球のグラブも、ゴルフのクラブも、はさみも何でもかんでも、左利き用を集めたショッピングセンターがあったら面白いし、はたして営業的に成り立たないものなのだろううか…なんて思ってしまいました。
左利きであるが上に何かを諦めたり、左利きなのに無理に右用の道具を使ってどもりになったり障害をおこしたりしない、左利きにもチャンスのもらえる差別のない社会があればいいなぁと思います。
ちなみに我Beware of Moving Wax doll、ベースの村上も小さな頃は左利きだったと言っていたので、左利き率100%です。
COMMENT