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「心のイントロダクション」について

2018/02/28 00:00

 先日のブログで、組曲以外に3月4日のライブで演奏する曲のエピソードを書きますとお約束いたしました。
 組曲の6曲以外の演奏曲は、「ピーターズシャドウ」「心のイントロダクション」「Waiting for you」「レクイエム」の4曲なのですが、その中から今日は「心のイントロダクション」についてお話しようと思います。

 ちょっと前のブログでも書きましたが、この「心のイントロダクション」という曲の演奏は、たぶん3月4日のライブのみの企画になると思います。
 キーボードをたった1曲のために運ぶ手間や、ボーカルがぼくなのでライブ時間の都合もあり地元の"Sammy's Hawaiian Cafe"でのライブ以外は演奏できないと思いますし・・・。

 さて、昨日はピーターパンの影のお話を書かせていただきましたが、実はまだぼくが歌ってやっていたバンド時代(Wonder Boys)の1995年に「Never Land」というピーターパンをぼくなりに解釈した組曲をCD化していました。
 まだ美妃は5歳の時なのでギターケースに座布団を敷いて寝ていた頃ですね(笑)

 その1曲目が「心のイントロダクション」という曲でした。

 1995年当時はバンドメンバー全員が日曜日に集まることができず、居るメンバーだけでなんとか演奏するしかなく、通常はドラムの西野とギターのぼくの2人でした。
 仕方なく考えた手段が「アコースティックユニット化」でした。

 前作(1994年制作「Time up」)の録音で最後の曲で使ったフラットマンドリンを大きくしたような「アイリッシュブズーキ」という楽器をぼくが弾き語り、西野が南インドのバクワジ(パッカーワジ)という両面太鼓でリズムを作る・・・という方法で、「二人だけでもアコースティックで演奏できる曲」を組曲として作ることにしました。

 演奏方法を試していくうちに、楽器の成り立ちのようなものや、音楽の表すものは何なのか等を考えるようになりました。
 行きついた考えは、自然と同化するゆっくりだったり激しかったりする大地の広がりを表現するリズム。
 そして、人間が最初に発明した空を飛ぶ道具であり、弱い人間が地球で強い者になれた理由でもある弓矢から派生した弦楽器による飛翔感。
 そんな、広い大地から天高く飛び立つ・・・その気持ち良さを疑似体験させてやろうというのが音楽なのではないか・・・などとおぼろげに考えるわけです。

 そうなってくると、頭の中で「空飛ぶ人 = ピーターパン = オトナになりたくない = それを良しとする」という風に頭で連想してしまい、ピーターパンのお話を自分の感覚で今の自分の置かれた環境の中で考えなおし、自分の感覚でピーターになった気分で組曲を作りました。

 CDでの演奏は、そのアコースティックな演奏にあわせて普通にドラム・ベース・エレキギターを載せたのですが、一工夫したのがキーボードでした。
 ピーターパンなだけにパンフルートの音は欠かせませんので、キーボードは終始パンフルートの音で誰でもわかりやすいメロディーを奏でてもらうことにしました。
 結果的にこのパンフルート音色がバンドのカラーとなり、殆どの曲で中サビ・サビと一緒に歌っていることもあって、キーボードを担当する片渕がバンドの中心的イメージになりました。

 このCD「ネバーランド」をフリーマーケットで演奏しながら販売しましたが、完全に1枚残らずプレスした300枚が完売したCDはこれと次の「チャイルドハート」だけでした。(他のCDは激しく残部が今でも残っています(笑))

 フリーマーケットでの演奏は1994~1999年まで行い、当初は西野とふたりだけのアコースティック、それにピアニカを追加したり、狭いブースで小さな電池式のギターアンプを使って演奏するため、オリジナルのミニエレキギターを制作してもらい、イタリア製オモチャのドラムや小型ベース、電池式ミニ鍵盤のキーボード、さらにはミニチュアコンガやボンゴ等で助っ人メンバーの助けを借り、わずか2畳くらいのスペースに5人がぎゃうぎゅう詰めになって演奏する「超小型おもちゃ楽器編成」などを編み出した思い出もあります。
 巷でストリートとか言いはじめる前にそれらしいことをバンド形態で(しかも弾き語りと変わらない音量で)やっていたわけですね。

 コンセプトは「芸能は河原乞食」でした(笑)

 さて、「心のイントロダクション」はその物語組曲への導入の曲です。
 「はじまりは終わり・・・新しい旅へ続いていく。新しいぼくの心のイントロダクション」等とわけのわからない歌詞で終わる曲で、ドッタンバッタン元気のいいリズムでメロディーなのに、なぜか歌詞はちょっと暗いのです。

 35歳当時のぼく自身を描いた部分かなとも思いますが、オトナになれない自分や、音楽を諦められずに一度やめてもはじめてしまう自分、夢ばかり見て現実に落胆してばかりの自分、でもそれを否定するのはやめて、あえて肯定してしまうと・・・そこにはピーターパンになった自分が居た・・・という感覚でしょうか・・・。

 この曲を含んだ組曲「ネバーランド」とその次に発表した組曲「チャイルドハート」は、1995~1998年当時なぜか鬱病の方々にウケが良く、鬱病が良くなるとウチのバンドのお客様をやめていくという(苦笑)そんな不思議な現象がありました。
 どの曲もキーが高過ぎてもう歌うことは出来ませんが、この「心のイントロダクション」は当時に一番ウケた曲でもあるし、他の曲よりはキーも低めなのでなんとか最後に1回くらいはやりたいと思い、3月4日(日)19時からのSammy's Hawaiian Cafe(東横線「白楽」下車徒歩4分程度)でのライブで演奏することにしました。

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