ギターのピック等についてのこだわりは本当は個人的にはありますが、でも、ぼくはバカバカしい基本的な考えをもっていて、よほどのことがない限り、そのぼくなりのルールに従ってチョイスしています。今日はそんなどうでもいい話を。。。
まず、そのチョイスについてはギター全般の基本的な考え方に比例しています。
ぼくは「腐っても鯛」志向なので、というよりも、老舗メーカーの廉価品が好きです。
なぜかと言えば、エレキギターの基本的な構成を位置づけ、たとえ模倣品メーカーがもっと高品位なものを制作していたとしても「本物(オリジナル)」でありつづけることは大切であり、かつ、そのオリジナルブランドの低額モデルこそが量販の工業生産品としてギターのポピュラーな本物であると信じているからです。
たとえば、オリジナル曲こそが自分自身であると思いたい、本物よりも上手に演奏したコピー曲の方が演奏は優れているかもしれませんが、それは本物の自身(オリジナル)ではないと思うので、いつまで経ってもオリジナルにはなれずに「オリジナルに対する改変」に終わってしまうと感じます。
逆に「改変」で名をあげたならば、自身のプレイはやはりオリジナルで勝負するべきだとぼくは考えているからだと思います。
どんなに優れたギターであっても、現行のFenderやGibson等の模倣の上から生まれるギターでは、結局、とても良質な改変品であって、オリジナルではないと思う、またはオリジナルから改変要求のあったプレイヤーズモデルのように感じます。
ぼくが知っていてオリジナルだなと思うエレキギターブランドは、リッケンバッカー・アンペッグ・ギブソン(エピフォン・メロディーメーカー・スタインバーガー含む)・フェンダー・ダンエレクトロ・ヘフナー・グレッチ・ローランド(ギターシンセ)くらいでしょうか・・・。
なので、まずは老舗であるGibsonやFenderを信じる・・・というところからはじめてしまうのでありまして、まずは弦もピックもシールドも、なるべくGibsonにはGibsonを、FenderにはFenderを使うことを最初に考えます。
何故って、「製造メーカーを信じる」と決めるわけですから、特異でない標準的な弾き方を自分がしているのであれば、そのメーカーが作ったものの中から選ぶのが一番合うはずだ・・・と考えることを最初にするからです。
ぼくがボトムの細い弦を好むのも、その影響が強かったと思います。
ぼくが最初にFenderやGibsonのギターを使いはじめた大学生時代(1978年頃)、フェンダー150ロックンロールもギブソン740XLも他社製とは違って裸弦に対して巻弦が細い弦が主流でした。他社の009~042や010~046ではなく、010~038や009~040など。
それらがなくなってしまったので、しばらくダルコファンキー009~042を経て、近年発売されたタダリオのテンションコントロール弦だけが限りなく近い009~040というセットになっているため、それを使っています。
自分が最初に使いはじめたころのFenderやGibsonの当時の志向です。FenderやGibsonが変わっても、ぼくは自分が出会った頃のFenderやGibsonのイメージを変えずに接しているという感じでしょうか。。。
当時は今のようなボトムヘビーなハードロックの音が基軸ではなく、各弦のテンションが同じにコントロールされた弦(いかにも製造メーカー側の理想)が「良い」と考えられたのかなと思います。
各弦のボリュームバランスも、ピックアップの駒で必死に調整しなくても自然に合うし、弾いている時の弦に対する力のかけ方も同じバランスで良いし、オクターブチューニング時の駒の調整も一直線でほぼいいし、どうしてその考え方が正しいものとして残らなかったのかが不思議に感じます。
また、ピックについても、「もし、何を使えばいいかわからなかったら・・・」という前段はありましたが、高校1年の時でしたか・・・、御茶ノ水の楽器屋さん下倉楽器に綺麗なお姉さんの店員さんが居て、「009からの弦のセットならミディアムのピックを、010からのセットならハードがいいと思うわ。」と言われたので、それを信じました。
だってやっぱりね、綺麗なお姉さんの言うことは絶対だし、柔らかい弦には薄めのピック、硬い弦には厚めのピックっていうのは理にかなっていると思いましたから。
しかし、中学時代からグレコのギターを使っていたのでグレコの008~038の弦をはっていましたが、そのお姉さんに「008~の弦はチューニングも狂いやすいし、切れやすいし、良くないよ。」と言われて009からのセットに変えました(笑)。
1975年のことでした・・・。しかし、008~038の弦だったらピックの厚さはどうしていたんだろう・・・(笑)
うむ、あの綺麗なお姉さんも、たぶん当時23~25歳くらいだっただろうから、当時のぼくの年齢は15歳(今は58歳)だったので、きっと今は65~68歳くらいになってしまっているのですね・・・。ちょっと寂しい(笑)
それにしても、他の店はみんなメンバーが知らない人になっていますが、谷口楽器だけはあのぼくが中学2年生の時に生まれてはじめてのエレキギター(グレコのレスポールモデルEG-420)を買った時から居られた方がふたりいらっしゃいますね~。ってことは勤続少なくとも44年以上!凄いですね~。ぼくは勤務が東京になってから約27年ほぼ毎月通ってますけど(笑)
逸れましたが、なので、ピックについてはちょっとくらい弾きにくくてもFender系ギターは白い古いタイプの昔からあるFenderのティアドロップのミディアム、Gibson系ギターにはしょっちゅう形が微妙に変化して使いにくいけど我慢してGibsonのティアドロップの黒のミディアムを使っています。
Fenderについてはべっ甲柄のちょっと小さくなった1980年代くらいから発売されたヤツはダメで、あくまでも古い白いやや大きめでミディアムにしては硬いヤツが好きです。テレキャスターで弾くと「ゴリッ」とか「パキーン」とか出したい音が思ったように出せますし、FenderはGibsonに比べてスケールも長く、その分、弦のテンションもきつくなりますから、Gibsonギターに同じ弦を張っていたとして同じような感覚で弾きたいなら、当然、FenderではGibsonで使っているピックよりも硬くて長いピックであることが理にかなっていると思います。
逆に、Gibson系ではハードな音でもスウィートに弾きたいし、Fender系のように強めには弾かず、なるべく力を抜いて弾きたいと考えることが多いため、あまり「ゴリッ」とひっかかりがきついピックは個人的に調子良くありません。
Gibsonティアドロップの黒いミディアム大きさは、それには好都合です。
さて、そんなわけでやっと写真の説明です(笑)
上の白いピックは基本的にずっと数十年変わらない信頼のおける「ぼくがFender系(及びロングスケールのギター)を弾く際に使うFenderの古いタイプのピック」です。
Fenderのギターを弾く際には絶対にコレ以外は考えられません。
ウォームな音色で弾いてもカリッとしたアタッキーなFenderの音の魅力を損なわず、ロングスケールにマッチしたしなりと大きさで、一番思いどおりの音が出ます。
というより、このピックで弾いて良い音のギター出ないギターはFenderとしてはダメなギターだとすら思っているフシがあります(笑)。
さて、Fenderギターにて使用するピックはこのピックが販売されている限り問題なくこれを使い続けますが、問題はGibsonギターにて使用のピックです・・・。
Gibsonギターについては「バチンッ」とか「ピーン」というような煩い音になるのが一番嫌なので、アタッキーさとバイト感を重んずるFender用のピックとは違い、いかに力まずにスムーズである中で強弱を強さではなく音色変化としてコントロールしたいという気持ちがあります。
下段のGibsonピックですが、一番左はかなり前のもので大きさ・硬さ・形状ともぼく的には現代の物よりもずっと音の良いピックだったと思っています。スムーズなのに適度なバイト感もコントロールでき、Gibsonギターを弾く上では現代のものよりもはるかに表現力が多彩だったと思います。
左から2番目も1980年代のはじめに販売されていたティアドロップ型の変形ハート型ピックです。実はコレがぼくのGibson系ギターを弾く上では理想のピックです。
一番左のものと先端の形状はほぼ同じだし、材質も同じだと思いますが、真ん中上部がハート型のために切れていることが、「ピックが軽くなって、余計にピックの先端を細かくコントロールできるようになった」「形状として無駄に力が入りにくい」「真ん中直線部分は短くなるため芯がしっかりするが、両脇は長いためにしなりとしっかり感の両方が味わえる」「真ん中の空間に人差し指をサポートする際、握り具合でいとも簡単に音の芯のトーンコントロールができる」という他のピックに完全に勝るピックでした。
1980年代のハート型とかなり前のティアドロップが硬さも音色も好みでしたが、それは現在の物よりもやや先が細く(先端は細くなく同じですが、脇の幅がほんの少し痩せていた)、厚さはさほど変わらないと思いますが、材質が現行のツルツルなプラスティック感があるものではなくてもっとサラッとしたセルロイド感のあるのが特徴でした。
正直、この時期のハート型を再版してもらいたいと願っています。Gibsonさん、どうか作ってください~。
さて、右から2つめは、ちょっと前まで(2年くらい前)のもので、現行のものよりも0.3mmくらい短く、形状がもっと丸く感じられるものでしたが、ちょっとでも先端が減ってくると空振りしてしまうというぼくの悪い癖を勃発しやすいピックでした。また、ツルッとした感じがピックを落としやすいと感じたのはぼくが高齢化して手先が思うように動かなくなってきた証拠でしょうか(笑)。音は現行のものよりも好きでした。
一番右の現行のものは少し大きくなり過ぎ、ちょっと弦をひっかけやすくなってしまいました。残念・・・。
たぶん、平均的なユーザーの嗜好がぼくの考えとは乖離してきているということなのでしょうね。残念ながら年数を経るごとにGibsonのピックはぼくの好みから遠ざかっていきます・・・。
自分だけのオリジナルピックを・・・などと考えてみたこともあるのですが、今つくるとすればGibsonのハート型ティアドロップの復刻版ですかね~。
新素材とかもいろいろ試してはみました。苦手な生ギターをまるで指弾きのようなタッチで弾けるピックなどは魅力的で良いと思いましたが、エレキギター用のピックとしては、やはりぼくの場合、セルロイド以外考えられないようです。
あと、同じピックなはずの同じセルロイド製のピックでも、色で音が違うとぼくは思っています。そんなわけないでしょ・・・っていうのが本当かもしれませんが、べっ甲柄のピックは同じものの白よりも柔らかく感じて音の線が細くなる気がします。
逆に白は硬くてパリッとした音でアタッキーになる感じ、黒はスムーズで滑りが良いけれど落としやすい・・・と感じています。仕上げや材質がブランドで違うので絶対ではありませんが、Fender Gibsonではそう感じています。
また、Fenderギター用とGibsonギター用を使い分ける場合、FenderがFenderで、GibsonがGibsonなのが一番間違えにくいとも思います。
逆に同じ弾きこごちを求める場合、ギター側で調整しようとするならば、ミディアムスケールのFenderギターの特注が必要となってしまい、現実的ではないなと思います。
そんなわけで、ほかに探すのが面倒なんでしょ・・・とも感じられてしまうかもしれませんが、ぼくのピック選びの話題でした。
ピックの選び方の本が1800円近くで売っていて、高くて買えない~と思い、悔しかったため、こんなどうでもいいような内容を書いてしまいました。すみません~。
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