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「セミオーダーのVanzandt Bronsonと Rover75、そして色」

2021/08/13 18:00

 2年前に60歳で定年退職となり、現在の定年再雇用でほぼ高卒初任給程度に収入が減少した際、「もう、まともな価格のギターは今後買う財力がない…。」と考え、自分の理想に近いギターを…とイメージしてセミオーダーしたのが写真の"Vanzandt Bronson"でした。

 一見、何もオリジナルのDuo Sonicのコピーモデルと変化が無いように見えますが、ボディー材はポプラ等ではなくアッシュのブックマッチ2ピースで、配線もBronsonとは違ってテレキャスター同様となっている上、トーン無し、リア・フロントの単独ボリュームになっています。

 本当はミディアムスケールでボディーが薄いテレキャスターを特注したかったののですが、Vanzandtは Moonを作っている工房で手作りされていて、各モデルともカスタマイズが可能だったため、費用を20万円以内に出来て希望に近いギターを作るにはコレが一番…と考えた上での購入でした。

 しかし、仕様については完璧ではなかったと感じる点が2点出現してしまったのは、注文時には考えつきませんでした…。

 1点目は欠点というより、他のギターに持ち替えた際の違和感で、ネックのナット幅が狭くて、ヘッド側のネックが細すぎる点です。
 まあ、この握りについてはオーダー範疇外なので仕方ありませんが…。
 ぼくはどちらかと言うと、ネックは薄いモダンCで、フレットはチョーキングしやすいRが少ない形状で、ハイポジションからローポジションまで、あまり太さが変わらなく感じるネックが好きなので、最近のFender Telecasterのネックの握りは大好きです。
 そんなわけで、このギター単体では問題ないのですが、他のギターに持ち替えた際の違和感が計算外でした。

 さらには、テレキャスター配線は良かったのですが、単純に各ピックアップの単独ボリュームは間違っていたと感じています。
 せっかくセンターポジションでノイズレスになるのに、ギブソンギター同様にフロントボリュームを下げて使うと、センター位置でノイズレスにならなくなってしまうし、センター位置での歪み具合がコントロールしにくく、リアかフロントを単独でしか使えないセッティングになってしまいました。
 ぼくはギター側でトーンをカットする事はないので、これが素早いピックアップセレクトに向いていると思ってやった事ですが、間違っていたようです。
 今、よく考えてみると、確かにフロントをボリュームダウンして歪まないクリーントーンにしておいてからリアのフルアップで歪ませる音色とを、ピックアップセレクトで切り替えたいシーンも確かにありますが、多くは両方のピックアップのマスターボリュームでコントロールしたいシーンの方が多いです。

 出来る事ならば、再改造できるならば、また、そういう配線が可能なのかはわかりませんが、ぼくの希望を満たしてくれる配線は、通常のトーン位置がフロント単独のボリュームコントロール、通常のボリューム位置が両方のピックアップにかかるマスターボリューム(テレキャスター同様にバイパスフィルター付き)が理想なのかな…と今は思っています。
 この点は明らかな失敗でした。

 しかし、その点を除けば、本当に今の自分にとっては理想的なギターです。

 さて、Vanzandtの中では一番安いモデルとはいえ、人生最後に購入したそこそこ高額なギターをこのカラーにしたのか…ですが、実はブリティッシュレーシンググリーンにするか迷った末に、このバーガンディミストにしました。

 今のこのユニットになってからは、BMW続けて2台→Volkswagen UP!とドイツ車乗りになってしまいましたが、ぼくは元来、旧mini~Rover400~Rover75と乗り継いだ英車党でした。
 Roverが経営破綻してしまったため、車内のコントロール系が同じでわかりやすいBMWに乗り換えた…というドイツ車への乗り換えでした。(最後のRover車であるRover75はBMWが親会社の際に作られた、Z3のシャーシをもとに3シリーズのパーツを使い、ホンダレジェンドのエンジンをBMWが改良してして作ったFF車でしたから…。)
 そのRover75のボディー色はドーチェスターレッドという色でしたが、朝日を浴びたときの色がこのバーガンディーミストの色に近かったので、バーガンディーミストにしたのでした。
 また、ピックガードを赤にしたのは、Rover75の革シートのカラーが紫っぽい赤だったからで、真にこのギターをRover75に見立てた色でカスタマイズしたいという気持ちでした。

 それに対して迷った色のブリティシュレーシンググリーンメタリックは、ホンダが技術提携していた時期のRover400のカラーでした。
 Rover75は思いっきり自分にはクラスオーバーな高級車でしたが、このRover400は英国版シビック1600cc(日本名ではドマーニ)をベースにして作られたRoverの大衆車で、しかもぼくは100万円の中古で購入したクルマですが、足回りは日本でいうとジェミニのハンドリングバイロータスと同じような内容となっており、サイズ以上に上質な乗り味と、本革シート・ウォールナットのウッドパネルなどが昔からの英国車の雰囲気を感じさせてくれた上質な大衆車でした。

 なんだ中身はシビックかよ~とバカにする人も多くいましたが、足回りの違いは歴然で同じ車がベースだということは内装の形状をしっかり見ないとわからないだろうと思います(でもメーター類はグリーンライトではなくてオレンジライトですし、ウインカーレバーも左ですけどね・・・)。それよりも、英国で作っているシビックはこんなに素晴らしい乗り味なのか・・・それともRover200と400だけなのか・・・と驚くでしょう。

 定年再雇用になったらRoverの一番小さなモデルRover100(Rover114・MGメトロ)のブリティシュレーシンググリーンメタリック色に乗ろう・・・等と昔は思っていましたが、Rover社が消滅してしまったのでそれもかなわず、ヨーロッパ正規輸入車の中で一番安価だったVolkswagen UP!に乗っています・・・。

 そんなわけで、まるでジャガーのように豪華で美しかったドーチェスターレッドのRover75と、質素だけれど上質なサルーン感をもっていたブリティシュレーシンググリーンメタリックのRover400、どちらの色も思い入れのある大好きな英国車のカラーでした。

 ところで不思議なんだけど、同じような緑のメタリックをRoverではブリティッシュレーシンググリーンですが、ジャガーではジャガーグリーンと呼んでいます。
 そして、フェンダーのジャガーにはなぜジャガーグリーンが無いのだろう・・・。
 ジャガーとテレキャスターの中間のようなボディー形状のギターを作り(中身はテレキャスターで・・・)、ブリティッシュレーシンググリーンメタリックで塗装されたギターに"Rover"という名前を付けたりしたら面白いかも・・・。ベーシックなフェンダーに真っ向勝負するような・・・。
 まるでRover100~400のように大衆車でありながら品の良い、ものごとの本質を見据えたような、性能じゃなくて心地よさを重視したようなギター・・・。
 なんてね。。。

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