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Gibson SG Faded 2017 T

2017/10/17 00:00

 村上がやたらいろんなところに穴が開いたビックガードだらけなボディーのベースを買って楽しそうに弾いているので、ぼくも普段はピックガードのないSGを使っていますが、村上のベースに合わせてラージピックガードのSGを買いました・・・。

 と、買ったのは本当ですが、理由はウソです(笑)

 とりあえず、なにも考えずに音源でたとこ勝負でテキトーに弾いたためミストーンだらけで申し訳ありませんが、購入記念にムービーを撮りました。

https://youtu.be/wBpErEvbsCo



 さて、この購入したSG、右用ならば5万円台後半から6万円台で販売されているGibson SG Faded 2017 Tについて調べてみました。ちなみに残念ながら左利き用は89,000円でした(笑)。

 ああ、これだ。書いてあった。

「近年のSGスペシャルの指板材はグラナディーロ(=メキシコ紫檀)。グラナディーロは希少となったインドローズの代替材で、高密度で硬く、ややきらびやかなサウンド特性を持っています。」

 ローズウッドと書かれているけれど、あまり黒くないサラッとした木の指板。
 普通のローズウッドよりも硬い音になる感じで気に入っていたけど、やっぱりちょっと違うローズウッドだったんですね。
 60s Tribute2013のチェリーも、今度のFaded 2017 Tも、気に入っているGibsonギターはこの指板でした。"高密度で硬く、ややきらびやかなサウンド"なんとなく納得。


 Pickupについては57クラシックの中域をブーストさせた傾向の490R/490Tが装着されているようです。Gibson社としてのこのピックアップの特性は「モダンレトロ」で、ビンテージタイプの古い音を基軸に、今風なアプローチが可能な中域の歪み成分を加味したもの・・・というもののようです。
 例によってぼくのピックアップセッティングではフロントは異常に下げる傾向がありますが、そんなセッティングでフロントはかなり良い感じの音です。たぶん、メイプルネックで締まった音になっているせいでしょう。なかなか艶やかで良いです。
 リアはかなりハードロック的な歪みの強いサウンドで、普通のバーストバッカーがフェンダーアンプで出した音だとすれば、ブキーのアンプから出したような中域の膨らんだトーンです。
 しかし、これも不思議なことに小さな音では「歪み過ぎで煩い」と思っていたにもかかわらず、音量が上がって演奏全体にバランスするとキーンという高域も相まって丁度良い感じになって来ます。これもメイプルネックとの相性ですね。

ネックは材が通常のマホガニーではなくてFenderのギターたち同様にメイプル。握りは1960年代前半タイプのSlim Taper、持っているギターで一番細いネックかもしれませんが、上から下までの握りがあまり変わらないので、キュッと首だけ締まったネックのような不安感はありません(材がメイプルだからというのも気持ち的にあるかも・・・)。
 なんだか首だけがキュッと細いギターは妙に変な低域が出て来ちゃうものが多いように感じますが、SG Faded 2017 Tのネックは薄さも薄めではありますが、それ以上に幅がせまく感じます。
 さすがに普通のGibsonらしいマホガニーネックとは随分違い、音の立ち上がりが速くてFeder的です。わずかにチラッとトラ目がでています(笑)。
 マホガニー材のネックに比べると澄んだ音(直線的な音)で倍音の感じが安っぽいとも言えますが、その分、分離も良くて音程が聞き取りやすく輪郭ボケしないので、強く歪ませたい方にはかえってメイプルネックのSGは良いかもしれません。

 ボディはマホガニー材とのことですが、様々なネット上の写真を見る限り2~4ピースで接合位置もいろいろに見えます。しかし、なぜかぼくの購入したものは1ピースに見えます・・・。またはよっぽど接合位置の合わせが上手でわからないのか・・・。っていうか、普通のSGは柾目にボディを使っているのに、ぼくの購入したものはやや板目に近いとり方をされているように見えます。(そして木目として見える重そうなイメージに反してかなり軽い・・・)
 最初に持った時には「まさかとは思うけど、この木目はプリント印刷のインチキ?」と疑ったくらいです。ウォーン塗装で木目も触れるのであり得ないですが、本当にマホガニーなら、こんなにマホガニーも少なくなってきているのに贅沢な使い方を最廉価版のギターにするなんて考えられないなぁ・・・きっと、「マホガニーの仲間の木」なんだろうか・・・と疑っています(笑)。
 それとも、最近のアメリカ南部はハリケーン水害に竜巻や山火事と災害が多いので、そういった際に被害にあって折れたり伐採したちょっと不吉な樹木なのかな。。。(笑)

 ブリッジやテールピースは2017年製は新開発のアルミニウム製で、叩いてみると従来のスティール製よりも倍音が高い音程なので、軽量化だけでなく、高域特性が上がっているはずだと思います。実際に今までのGibsonには無いシャキシャキ感が音にあります。

 ボリュームやトーンのポッドは普通のBカーブと思われるものが装着されているのですが、完全に基盤化されていて、なんだかわからない楽器用とは思えないラジオ部品のようなパーツが装着されており、その中のコンデンサーの働きなのか・・・、まるでAカーブと思えるような(いや、それ以上に・・・)鋭くボリュームが落とせます。
 その落ち具合は素晴らしく、ギンギンに歪ませた音をフルボリュームとした状態で、60~70%でクランチ、50%以下では完全にクリーン・・・という感じでいけます。便利です。いつもならAカーブのポッドに変更するのですが、このギターにおいては必要ありませんでした。
 しかし、何かわかりませんが、何かのフィルターを通っている音っぽい・・・というか、「ギターの生鳴りの音=アンプから出てくる音」ではない感じがします。なぜかな~・・・。
 もしかしたら、Gibson傘下となったONKYOのしわざなの?(笑)

 SGの上位グレードから数えると、カスタム(高級シリーズ)→スタンダード(標準シリーズ)→スペシャル(廉価版シリーズ)の大枠の中では廉価版シリーズのスペシャル。
  2017年モデルにおいては廉価版スペシャルシリーズからさらに下に外れた最低グレードである"Faded"、しかもその中でも一番簡素化されたベーシックグレードが"T"を冠すぼくの購入したギターです。(ちなみに"T"はトラディショナルという意味で、古典的でシンプルでベーシックということのようです。)
 要はGibson SGの中で一番安っぽいギターだ・・・ということのようです。

 豪華なバインディングが無いのは当然。。。
 ポジションマークも真珠の薄切りではなくてプラスティックです。
 ピックアップセレクターのトグルスイッチの下に通常はあるはずの「トレブル/リズム」と書かれたプラスチックプレートもありません。(ぼくはいつも外しているけど)
 ボディー塗装が指板の部分にかかってしまっていたり、ピックガードをとめているネジが2つほど斜めに入っていたり・・・、随所に安っぽさが漂っていますが、なぜかカッコ悪くないです。っていうか、アンティックな古臭い感じでカッコいいかもです。

 フロントピックアップ側にハイパスフィルターをKEY渋谷店で装着してもらいましたが、今のところそれ以外の変更は行っていません。

 最後に、なぜこのギターを買ったのかの理由ですが、まずは①「メイプルネックでSGを弾いてみたかった」ということ。
 これはそれなりに面白いというか、自分にはその方がコントロールし易くあっていると感じました。
 ただし、どうでしょう。。。リアの音についてはクランチくらいの歪みにした際、やや倍音が足らずにスッキリしてしまうので、ブルースタイプのギターには向いていないような気がします。逆にSGという1960年代生まれなロックなギターですが、カントリーロックのようなライトな感じには通常のSGより上手くマッチする気がします。

 そしてもう一点が②「ラージピックガードのギターの自由度」で、1960年代前半タイプではピックアップエスカッションのサイズがあるので、通常のハムバッキングピックアップと同じ大きさのピックアップしか装着できませんが、仮に1960年代後半モデルのラッジピックガードの場合はピックガードにピックアップが装着されているため、ピックガードを特注すれば様々なサイズのピックアップを装着できる可能性がある・・・という点です。
 けれど、現状のピックアップのバランスで面白いと思ったので、しばらくはこのままで使いたいと思います。

 変更したいと思っているのはペグで、近いうちにクルーソンタイプからグローバーのニッケルクロームのペグに変更したいと思います。
 これにより、ちょっと中高域でバランスが不安定に感じるところがあるのと、音の強弱に対する他の弦振動の混じる音の煩さが解消できると思います。

 総評として。。。
 確かに安っぽい音なのですが、でもこれでいいんじゃないの・・・と思える良い意味での違和感があるSGでした。
 Gibsonらしい音を望まれる方には絶対おススメしませんが、Fender好きな人がGibsonは音が太過ぎて苦手だけどたまには弾いてみたい・・・なんていう方にはドンピシャかもしれませんね。よく歪むのにスッキリ感があって「爽やかなGibson」です(笑)。

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