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「Seymour Duncan Vintage Stack ですべて解決!」

2022/06/20 00:00

 前回のブログに書かせていただいたとおり、シンラインのハウリング対策のため、ピックアップをダンカンの「Vintage Stack」に変更しました。

 結果から申し上げますと、ハウリングも解消、音色も懸念していたほどハムバッカーらしい音にはならず、心配したのがかえって取り越し苦労だった…という素晴らしい結果となりました。
 とりあえずはムービーをご覧いただければと思います。


 当初、元ギター(既にボディー以外は全て違うギターになっているので…)レジェンドのままだった際には非常に甘い音で、かつ、ピックアップの音で低域がカットされたようなペラッとした音でしたので、ネックとピックアップを付け替えた後のカリカリに硬い音でハウリングが酷く発生するのは、変更したピックアップの特性だと思って、ピックアップの調整を必死に行って来ました。

 しかし、全くラチがあかず、なら、シングルコイルピックアップを諦めて、なるべくハウリングに強いハムバッキングピックアップで、シングルコイルの音色に近いままでハムバッキング化するコイルを縦に積んだスタック型ハンバッカー、ダンカンの"Vintage Stack"を装着してみたところ、硬い音の原因はピックアップとは関係なく、極上仕上げのネックからの音色である事が判明しました。

 なぜそれがわかったかと言いますと、スタック型といえどもハムバッカーですので、多少は高域が削れ、中低域が増幅されて、もとの完全なシングルコイルピックアップとは音色が激しく変化して当然なはず…だと、非常に悪い状態を懸念していたわけですが、なんと、ピックアップの変更で音色に与えた変化は、リアピックアップの歪み音色の際に巻弦の音のコンプレッション感が増えた…と、全体的にほんの気持ちパワーが増した…という2点だけで、基本的な音色の変化についてはあまり感じられないほど変わっていませんでした。

 いえ、厳密には歪み音色は変わらなかったと言うべきかもしれず、ギター側のボリュームを絞ってクリーンな音にしていくと、以前はペラっと存在感が薄れていってしまったのに対して、何というか、音色そのものは変わらないのですが3D的といえばいいのか、立体的に聞こえやすい音になり、特にフロントピックアップの音色での存在感は増した感じがします。

 しかし、あくまでもピックアップの違いによる変化は、プレイヤーが軽く感じる程度で、たぶん、お客様にとってはノイズとハウリングが無くなっただけ…に感じるだけかと思います。
 要は、木材勝ちのギターの場合、スタック型ハンバッカーは違和感を発生させにくい…という結果だったと思います。

 ぼくの場合はハウリング対策でしたが、ここまでのノイズレスを追求する方々は、もしかしたら常識的以上に歪みが欲しい方々が中心なのかもしれませんから、このVintageタイプよりも歪みが強いモデルを買われた方が良いのかもしれませんが、歪みからクリーンまでボリュームコントロールだけで調整するぼくにとっては、Vintageタイプが向いていると思います。
 でも、普通のシングルコイルピックアップに比べると、フロントでは全く気がつきませんが、リアの巻弦では軽くコンプレッサーをかけたような感覚をプレイヤーは感じますので、ペケペケに弾いてサスティーンが無くボリューム急激に減衰する音が好みだったりしたら、また、クリーンのみでしかギターを弾かない場合には、このピックアップは向いていないと思います。
 ぼくの場合は、かなりドンピシャでした。

 いゃ、長年エレキギターを触ってきていて「ギターの音は木材の内容とパーツの両方で出来上がっている。」とわかっているつもりでしたが、ボディーは変わらず、元のピックアップの特性は「ボリュームアップに従って線が細くなってしまうラジオトーンのような音色」であって、元のネックのままの音はかなり柔らかい甘い音であったため、ネック交換しピックアップを高品位なものに換えただけで、まるで真逆なキンキンに硬い音になるとまでは考えていませんでした。
 これほどまでに「ネックの音色」にすべてが塗り替わってしまうほどの違いを生むとは・・・考えもつきませんでした。

 それくらい、ネック以外の部分については音色の核になる部分はなかったとも言えるでしょうし、逆にボディーについては木材の質が云々よりも、セミアコボディーの空気感という点の方が音に特徴が出ているのみということで、音色そのものの決定権についてはすべてネックが中心であり、ピックアップは音色そのものではなくて音の拾い方の違いで多少の音質差がある・・・という程度の違いに過ぎなかったという答えでした。

 ハウリング対策についてはいろいろ考えて遠回りしてしまいましたが、ぼくの使い勝手を考えるとスタック型ハムバッカーへの変更が一番良い答えだったようです。
 これで主役のギターになれるかと思います。

 ちょっと残念だった事もありました。
 現在装着している古い6点のブリッジプレートは38年前のESPのギターについていたものですが、弦がスプリング部分に当たるので弦が切れやすいのと、このギターは少しスケールを短く作っているため、1弦のブリッジ駒のネジが外れる寸前でオクターブチューニングがこれより短く出来なかったため、弦がスプリングに当たらず真っ直ぐにブリッジを通過して、ネジの長さにももっと余裕のあるこのギターのデフォルトの3点のブリッジプレートに戻そうとしたのですが、Vintage Stackはピックアップが太っていて、センチサイズの機種には入らず、インチサイズでないとダメでした。
 音色のイメージからすると、あまりゴツいブリッジ駒にしない方が良いような感じの音になったので、今は駒の変更は考えない事にします。


 なお、ちなみに外した264ギターズ製ピックアップですが、40年近く前のギターではありますが、どうもヌケがわるい音になってしまっていたPACOの特注テレキャスターに装着したところ、まるで購入当初のように元気なサウンドになりまして、完全復活してくれました。
 ちょっと重いギターなのでライブであまり使うことは無いかもしれませんが、普通のテレキャスターとは全く違った強い音のギターで、1980年代の高級ギター?らしい音かもしれませんね。
 こちらの復活も嬉しい誤算です。

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