「ギターを弾く楽しみ」、「音楽をプレイする楽しみ」等は同じようで人によっては全く異なるものなんだなと感じます。
まずは最初の前提条件の違い。
前提条件とは、「なぜ音楽をプレイするのか」「なぜギターを弾くのか」です。
ぼくの場合「作った曲を他人が聴けるように加工する作業」がプレイの意義で、その次に「その曲でギターを担当する自分のギターアレンジ」となって来ます。
あきらかに「コンポーザー>アレンジャー>ギタリスト」の順に自分が存在していると思いますので、「趣味=エレキギター」と書くことが多いですが本当のところは「趣味=作曲とバンド演奏とエレキギター」というところなのかなと思います。
けして「エレキギターありき」ではなくて、作っちゃった曲をカタチにしたい、自分を含めたバンドのメンバーの音を組み合わせてみたい・・・という欲求から楽器をプレイしているわけですね。
けれども、ぼくとは逆に「ギターを弾くためにバンドをやっている」という方もいるし、もっと極端に言うと「ギター以外のバンドプレイには特に興味がない」というほどギターオンリーの趣味な方もおられるようです。
そういったギター探求型の志向の方にもいろいろ種類があって、「なるべくコピー元にそっくりに演奏すること」を第一に考えている「コピー魔」のような趣味の方もおられるし、それとは逆にどんな曲でも自分のギターを主としたアレンジに改変して「俺のギターこそがロック」と攻めまくるスーパーヒーロー型趣味の方もいらっしゃいます。
いづれにしろ、ギターヒーローに憧れてギターを弾いている方はぼくとは違う趣旨でギターを弾いているのではないかなぁ~と思います。
ぼくはギターを聴いてギターが弾きたくなることってあまりなく、ドラムやベース、キーボードプレイヤーの演奏を聴いて「わ~、こんなリズムやグルーブの中に入って演奏してみたい…」と思うことが多かったように感じます。
いい例がグランドファンクやバッドカンパニーですかね。。。
グランドファンクは、とくにマークファーナーのギターソロに夢中になったわけではなく、ドンブリューワーとメルサッシャーのハードロックなのにファンキーだったり、ワルツなのにハードだったり、とにかくロックなのにソウルばりにタイトなリズム隊に魅了されちゃったわけです。
バッドカンパニーも、ポールロジャースの歌、いかにも英国的な伝統のロックを感じさせつつソウルフルなサイモンカークとボズバレルのリズム隊に夢中になったのであり、ギタリストとしてはバッドカンパニーのミックラルフスよりもはるかにフリーのポールコゾフの方が好きでしたが、あきらかに音楽としてはバッドカンパニーの方が好きでしたから。
要はベーシストの違いで、アンディーフレイザーにはピンと来なくてボズバレルが好きだったということですね。
ギタリストに対する興味は本当に一時的で、その時にやりたいアレンジの参考として聴くことがほとんどだった気がします。
もしかしたら、ぼくがギタリストに夢中にならなかったわけはこういった過去の決めつけも理由のうちのひとつだったかもしれません。
高校生のころ、よくクラプトン・ジェフベック・ジミペイジ、それにジミヘンドリックスの4人の中で誰が一番好みかとか、君はその4者のうちなら誰タイプ・・・とかいう話がされていました。
当時のぼくは前述の理由から、ジョンボーナムとジョンポールジョーンズのリズム隊からなるツェッペリン(ジミペイジ)>ジミーオールダーカーとカールラドルそれにイボンヌエリマンも居たので(当時のクラプトンバンド)>ティムボガードとカーマインアピスのBBA(ジェフベック)の順でした。
でも、それよりもソウルフルなボーカルとヘビーなギターリフがカッコいいスティーブマリオットのハンブルパイや、前述のバッドカンパニー、クリームなき後のクリームの魅力満載だったウエストブルース&レイング、めっちゃ明るいロックンロールなジョーディーやスレイド等の方がギターを弾いていて楽しいともっと気に入っていました。
なんとジミヘンはリズム隊が嫌いだったので1曲最後まで聴く気にならなかった…という、まったくギターを無視した聴き方だったのです。
いえ、左利きのぼくは当時、「なぜ左利きなのにジミヘンそっくりにやらないの?」とか、「左利きなのにストラトを逆さに持たないのはなぜ?」とかしつこく周囲に言われ続け、左利きだとジミヘンのクローン人間になることが要求されるのか…と、ジミヘン自体が重荷で嫌いになっちゃったっていう理由もありました。
そう言えば、TVKテレビの「ファイティング'80s」という番組に出た時にも宇崎竜童さんに番組内で「ジミヘンじゃなくてチョイ変」みたいにからかわれたのを思い出します(笑)。いや、ぼくの場合は「地味変」かな。。。
それを嫌だとか言うんじゃなくて、左利きだとジミヘンファンでないといけないと世間は思うという不思議な現象についてです。
もしかしたら、堂々とブラックサバスのトニーアイオミに対して「なぜストラトを逆さに持ってジミヘンのコピーをやらないのか?」「左利きなのにSGはおかしい」とか言っちゃうわけ?とか思ってしまいますが、そんなわけは絶対に無くて、差別されている左利きは世界的にメジャーにならなければ個人の好みの自由すら与えてもらえず、世界的にメジャーになったブラックサバスやカーズなどの中心人物として存在することで「ジミヘンのコピーをするべき左利き」から「自分の世界をもった左利き」にはじめて認めてもらえるのだと感じています。
でもね、バンド単位で考えてみるとジミヘンのバンドエクスペリエンスはジミヘンだけが左利きなので左利き率33.3%だけど、ビートルズはポールとリンゴなので50%ともっと高いわけですよ。
でも「ビートルズこそが左利きのための左利き型音楽・左利きの憧れるべきバンド」なんて言わないじゃないですか…。
さらにはぼくの場合、最初に楽器屋に買いに行ったのはギターではなくてベースだったという点もあります。
弦が6本よりも4本の方が演奏が楽そうな気がしたので…(笑)
でも、楽器屋に行ってみると左利き用はギターしかなく、ベースは無かったので担当楽器がなんでもとにかくバンドがやりたかったぼくは「じゃあギターでもいいや…」ということで購入したのがグレコのレスポールモデルでした。
そんな程度のギターへの想いだったから、バンド自体への興味の方が勝っていたと思われます。
また、プレイスタイルについてですが、ぼくは「好きなスタイルを目指す」という一般的な方向に疑問があります。
もし、「好きなスタイルを目指す」ということであれば、自分のフェイバリットなミュージシャンのクローンになって音楽をやるか、好きなミュージシャンのジャンルの中にいる多くのミュージシャンを片っ端からコピーして、その中の一員に加わることを目指す…ということになるのかと思いますが、ぼくは「自分の好み」と「自分に能力がある方向性」とは違っている気がするのです。
ぼくの場合、曲をつくる自分と、バンドアレンジを考える自分、そしてギターを弾く自分の好みが完全一致しているわけではありませんでした。
けれど、その3つを組み合わせると自分の世界になる・・・というか、曲をつくった時点でのイメージの願望をバンドアレンジで「こうしか出来ない」とワンパターン化し、さらにギタリストとして「こうしか弾けない」と幅を狭めていくので、悪い意味で「自分の世界になる」のです(笑)
なので、どれも大して能力がないっていうことも、個性または、バランスとしては能力なのかもしれません。
メジャーな音楽、売れた音楽が必ずしもアンダーグラウンドの音楽より技術やセンスが優れているとは思っていませんが、メジャーでないためにほとんど人に聞かれずに消えてなくなっているのは事実かなと思います。
究極の自己満足は他人を巻き込む満足だと思いますから、多くの人に聞いていただけるチャンスは重要だと思います。
そういえば、ギター選びについても同じようなことが当てはまる私です。
なるべく小さくて軽いアンプやマルチエフェクター、たぶん市販のギターでは最軽量なSGの使用。。。
演奏場所まで歩きで行くことが多く、歳をとってきてキツいのでなるべく器材を軽くしたい、少しでも楽にライブで人前に立ちたい、ということが中心で、音色の良さは後回しにした考えですから、ギター中心の考えではありませんし、まずは「人前で演奏したい」が先決になっています。
とはいえ、それなりに好みのこだわりみたいなものは無きにしも非ずではありますが・・・。
そんな考えの私、明日からもあまり注目されるわけでもなく、控えめなライブ活動、かつ、やや寂しい集客状況のライブ活動ではありますが、ささやかな音楽活動で人生で一度だけでもここをお読みの方にお会いできる機会があれば・・・と夢見て、残り少ない音楽活動できる人生を過ごしています。
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