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ルノー・トゥインゴにも乗ってみました。

2019/01/08 00:00

 さて、土曜日のフォルクスワーゲン版軽自動車とも言えるUP!の試乗に続き、日曜日はルノー・トゥインゴにも試乗して来ました。

 ノンターボの75馬力なUP!に対して、ターボ付き90馬力のトゥインゴで比較するのはUP!が可哀そうだな・・・と思いながらも、ターボ付きしか試乗車がなかったし、本当はトゥインゴで乗りたかったのは108馬力のGTだったので、間をとった90馬力のモデルに乗ってみました。
 GTは新車価格が240万円と、支払額総計で200万円未満を予定し、タイヤなどのサイズが安くて維持費が国産車並みと考えてのクルマ捜しをしている今の自分としてはGTは無理なんですけどね・・・。

 正直、偶数段と奇数段に別れたルノーがパテントを持つクラッチ無しトランスミッションは素晴らしく、アクセルをちゃんとコントロールしないと滑りまくってパワーも軽なみのUP!と比較しては失礼(笑)な、もう1クラス上のオートマチックと比較しても遜色のないスピーディーな変速かつ、まるでショックも息継ぎもない優れた6速でした。

 そして、UP!がアクセルベタ踏みで頑張って皆さんの流れについて行くのに対して、こちらは余裕。。。
 トランスミッションも、ドライブレンジでクリープするし、マニュアルモードでもエンジン回転が上がると勝手に限界よりはやめに変速するので、普通のATと違いを感じられないくらいスムーズ(というか、言われなければATだと思ってしまうと思います)ですが、3速のエンジンブレーキはUP!よりもかなり効きました。

 トルクも低い回転域で得られるようになっているため、実用域での加速は良く、マニュアルモードで比較的低い回転数でも勝手に変速してシフトアップしてしまう機構は気に入らないながらも、そのおかげでフルアクセル加速だとトルクレンジをバッチリ離さないようでリアエンジン・リアドライブでもあるため、グッ~と腰から押し出される加速感はなかなか上質で良いなぁ~と感じました。
 その辺と、UP!が、ボディーの鉄丸出しの内装・薄い天井が張ってあるだけの屋根で軽自動車っぽさ満載だったベーシックカーなのに対し、トゥインゴはドアトリムや部分革のシート・ステアリングの上質さなど、豪華です。
 でも、インパネとシフトレバー等については、これは好みでしょうが、トゥインゴは安いオートバイの雰囲気に見えてしまったり、全体的に丸いパーツを多く使っているデザインのプラスティック的質感がプラモデルっぽい安っぽさを持たせてしまったり(なんかマーチっぽい?・・・)、そこだけはぼく的にはUP!の方が良かったと感じました。

 あと数点残念なところは、アクセルペダルがブレーキ寄りにやや内側に入っている点、タコメーターが無いこと、オプションでもフットレストが無い点、シート位置が高い点でした。
 しかし、あと1点を除いては、後部座席の乗り降りのしやすさ、シートの下にも荷物を収納できるスペースの使い方の上手さ、リアエンジン・リアドライブによる回頭性の良さ・FR同様の後輪駆動による走りの上質感・安っぽくないインテリア・UPのスマートフォンソフト一式が月額使用料の発生する有料なのに対してトゥインゴは無料だったり(UP!で対象に考えている3ドアはソフトに対する対応自体がない)、確実に比べるすべもなくトゥインゴの方が良いクルマでした。
 それはもう、残念なくらいUP!は劣りまくっていました。
 同等なのはブレーキくらいかな・・・。ブレーキは両車とも「今のコンパクトカーって凄いバランスが良いブレーキなんだ~」と驚かされました。

 比べるべきはサイズだけで、残念ながらクルマとしては軽なみのベーシックカーとこんコンパクトなプレミアムカーの比較になってしまったようです。

 フランス車に乗ったのははじめてでしたが、「フランス車は柔らかい足回り」という印象をもっていた感覚は崩れ去り、なんというか、ドイツ車同様に硬いけれど英国車のようにサスペンションのストロークを感じるロール感があるにも関わらず、面白いようにクルクル回る・・・という印象でした。
 車種にも依るのでしょうが、ぼくの感覚では「英国車とドイツ車の中間よりもやや英国寄り・・・」のような印象でした。
 厳密には英国車はクルマが長くて、フランス車は短い印象があるのでキビキビ感はフランス車が上だと思いますけど。。。

 出来はあきらかにトゥインゴの方が良いのは歴然でした。

 しかし、トゥインゴならどうしてもGTにしたい・・・。
 けれどGTはタイヤのサイズ等を考えても、維持費が国産車なみ・・・とはいくはずも無く、チューンされたターボエンジンだからエンジンへの負荷も強くて「10年乗りたいので長持ちして維持費も安め・・・」にはならないでしょう。
 だいいち、新古車を見つけないと購入できる価格まで低い価格にはならないですから、人気のGTで広報車とか使用済みになるものって、そうは出てこないと思われます。

 もし、UP!の一番ボロい3ドアのものの新古があれば(あればですが・・・)、うまくすれば必要経費もすべて含んで160万円くらいで済んでしまう可能性もあります。
 社外品のアルミとタイヤをセットしても8万円くらいでイケてしまうので、それにETCだけで、まぁ、軽の新車より30~50万円安く買えてしまうかもしれません。(ディーラー新車でも法定費用等含めた総額で200万円未満で購入できます。)

 しかも、「意地になる」というぼくの悪い性格にはピッタリのキャッチフレーズイメージや特徴が浮かぶUP!。
 すなわちUP!は「ゴーカートのような走り」、「足回り等ドイツらしさ満載のほぼ軽自動車」、「トゥインゴのように出来の良いATのようなトランスミッションではなく、限りなく昔のオートバイのノークラに近い乱暴とも言えるマニュアルに近い操作を要するトランスミッション(でも楽しい)」、「普段の街中運転がスポーツ走行(笑)」、「軽なみのコンパクトカーには珍しく低い運転姿勢にコントロールできるシート」、「でも、そんなポンコツでも何だか品格があって愛おしくなってしまいそうな、昔のミニのような楽しさを持つクルマ」ではないかと思います。

 それに比べてトゥインゴは、まるでオートマチックと全く変わらない操作感・コンパクトでも普通の輸入車のクルマと同じような普通に走ってくれる性能・まったく意識することなく普通に乗れる楽ちん運転感覚・・・と、よーく考えてみるとリアドライブ・リアエンジンの特徴以外はプレミアムなクルマとしてとても普通なクルマなわけで、悪い意味で言うと「リアドライブ・リアエンジンという魅力以外には『良く出来たクルマ』であるに過ぎない」とも言えるわけです。

 そういった意味で、部分革シート・固めた足・108馬力のホットモデルGTにしか興味を持てないとも言えました。

 さて、最大の魅力であるはずのリアエンジン・リアドライブですが、ちょっと残念というか、いえ、通常使用時は前2席がほとんどの方なら問題ないのです。
 しかし、エンジンをかけている時に後部座席に座って感じた振動は、やはりエンジンの振動がかなり後部座席には響き、あまり気分の良いものではなく感じました。
 うちの下の娘は車酔いしますが、クルマは嫌いだし、寝たいため後部座席に行くことが多いのです。
 そういう娘がいると、この後部座席では無理なのではないかと感じたことは事実です。
 その辺は「クルマを運転することが楽しい」という気持ちとは反比例してしまうところではありますが、3ナンバーの今のクルマでも狭いと文句が出て「クルマに乗りたくないから電車で現地に行く」と言いはじめている昨今では、小さいサイズのクルマにしたらさらに文句も多くなるところですから「単にドライバー中心のクルマ選び」とはいかない部分だとも思っています。

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