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ま、いいっか。。。

2016/05/09 00:00

 ゴールデンウイークは終わってしまいました。。。それでは、また来年!です。

 ところで私、今年で57歳になりますが、みんなのように「こういう音楽をやりたい」「こういうプレイヤーになりたい」とか一向に定まらず、いつまでも「その時に自分が弾きたいと思ったことを弾く」だけで、「何がしたいの?」と質問されたとしてもきちんと答えられないままの自分がいます。

 よく巷では「良いプレイヤーは良いリスナー」とか言われているようですから、その定義ではぼくはほとんど他人の音楽を聴かなくなって来ているので「悪いプレイヤー」に違いありません。

 思い起こしてみると。。。一度音楽をやめるまではどこに居ても音楽をよく聴いていました。1989年までですね。
 そして、1990~1993年まではギターを弾くのをやめただけでなく、音楽を聴くのも辞めてしまいました。

 1993年の秋も深まった頃、もう一度音楽をはじめよう、ギターを弾こうと思ったのは音楽からのインスピレーションではありませんでした。
 画廊で見た絵に対して、そのストーリーを作りたいと感じたからでした。

 そこでイメージしたのは「無音の中の想像上にある音」だし、真空状態のような・・・音が伝播しないであろう宇宙空間の中や、異次元からイメージだけが洩れてくるような音楽のようなもの、あえてカタチを問うならば「音楽以外の芸術に描かれる音楽らしきものの創造」を目指し始めたように思います。

 なので目指すところは「音楽なき音楽」だったような気がします。
音楽を想像していく上で、あまり経験も定石も、ひとつのジャンルに特化することも必要なかったようです。

 さらには2000年から2003年くらいにルネッサンス以前の楽器に興味をもったのも、そういった想像に拍車をかけたと思います。
 西暦800年の音楽やプレイスタイルも、1980年の音楽やプレイスタイルも、ぼくの中では同じ時間軸に乗ってしまった普通のものになってしまったのです。あまりに時間軸は長過ぎて、その中の好みを拾い上げようとしても自分の一生ではとても無理に感じました。
 また、その中の何かをやりたいと感じるわけでなく、「へー、そんな音楽があるんだ~。」と、映画の1シーンづつを感じる程度の興味しか持たないぼく。

 そのサンプルは、それぞれが別々個々の厳しい修行による技術の習得によって生まれるものがほとんどなわけで、あれもこれも面白いと感じるところをシーンとしてもらっていこう・・・なんて不謹慎な考えでは習得できるようなものでないわけで、たとえ2000年前と昨日を同一空間に置いたとしても本物のプレイヤーになろうとすれば到底無理なわけです。

 で、流行歌やロックなどのポップミュージックって何なのだろう・・・と考えてみると、かなりいろいろな要素が時代の流行とは別に混じっていたりするわけで、そういった意味からすると「ニセモノであり続けること」がポップミュージックを作る上では不可欠なんでないかのぅ~などと思えて来てしまう、ここ数十年の自分が居りますですハイ。

 そこで、ニセモノになるためにニセモノの本物を必死に勉強して聴き、その筋のニセモノの本物に自身が組み入れられるように大物に寄り添い・・・っていうのが、とてもバカバカしく思えてしまうへそ曲がりな私であります。

 で、何が言いたいかっていうと、今ぼく自身の感覚としては「絵描きの人が音楽を絵で描いたらどうなるの?」とか、「この絵は音楽にするとどんな感じ?」とか、「真空で音のない世界にある音楽はどんな感じ?」とか・・・、自分が知らない世界の想像がしたいんだな・・・ということです。

 考えてみたら、「ギターを弾くために音楽をやる」っていうのもとてもナンセンスだと思うわけで、「音楽らしきものを創造するために楽器を弾く」すなわち、ぼくは絵が描けないし、壮大なスケールのお話が書ける能力もないので楽器で表現しているに過ぎないわけで、かつ、絵や文章よりも音楽は気軽だ・・・というだけなんだろうなぁ~と思うのでした。

 弓矢が苦手な狩人が、獲物がとれなくて弓を弾いて音を出し、音楽らしき節をつけて語っちゃってインチキな神託みたいなことをやって、他人の獲物を強奪する宗教づくりみたいなことが音楽の興りだし、弦楽器の発祥なのですから、音楽っていうのは「ペテンでもいいから他人を気持ちよくさせて、その見返りとして恵んでもらう。」すなわち、「夢を与えるから、食い物よこせ」っていう行為なんだろうなと思っちゃうわけであります。

 だから「代々優れた音楽家の家系」とかって、本当は「代々ペテン師野郎」っていうのとかなり近い内容なのではないかな~。

 だから、自分がギタリストとしてどうあるべきだ・・・とか、気にならないわけではないのですが意識の外のことだし、たまに良いギタリストになるにはギターの練習するよりも、他人を上手に騙してしまうペテン師の勉強をした方が効果が上がるのではないだろうかと真剣に思っちゃったりしちゃったりします。

 そんなわけで、何をやっててもぼくの口癖としては、目いっぱいじゃないし、確実に努力不足の「ま、いいっか・・・」になってます。

 さあ、これからもどんどん「ま、いいっか・・・」な曲を作って、「ま、いいっか・・・」なギターを弾きますよ~。

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