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マッキー MIX12FX

2017/03/01 00:00

 マッキーの「MIX12FX」という廉価版ミキサーを購入してみました。
 マッキーとは言っても廉価版なので1万3千円程度なのに、モノでイコライザー付きチャンネルが4つ、ステレオ入力チャンネルが4つ、さらにはデジタルリバーブが内蔵されているというお得なミニミキサーです。

 正直、エフェクター1つ分の価格なのにエフェクター内蔵のミキサーですから、マッキーの上位モデルと音質を比べることは酷ですし、マッキーにしてはドシンと存在感のある音ではなくてペラッとした音ではあります。

 けれど、個人的には充分使えるレベルだと感じました。
 デジタルリバーブなども、ややノイズが乗る傾向はあるのかもしれませんが、価格をはるかに超えた使い勝手の良い音だと思います。ボーカル用プレートリバーブの音色は何にでも使えそうで便利なリバーブですし、短いルームリバーブもありますから一発でサウンドの雰囲気に変化を与えることも出来そうです。

 しかし、入力のゲインボリュームを上げていくとイマイチ音の明瞭感が損なわれる感じがあるので、楽器等を挿す場合は楽器からの出力は大きめにした方が良さそうです。
 また、ステレオ入力チャンネルは、例えばLRのどちらかにモノ接続すればモノで対応・・・とはなっておらず、左チャンネルか右チャンネルかの片側だけしか鳴らない設定なので、うちの場合はオケ以外はモノなので残念ながらステレオ入力端子が使えません(笑)。

 確かにあのマッキー特有の中高域に張り出し感がありながら明瞭感もある、とにかく存在感がある音・・・というわけではなく、「普通に無難にバランスしている」という感じではありますが、約1万3千円という価格を考えると充分だ!とも感じます。


 さて、なぜこのようなものを購入したのかと申しますと、今後のライブの方向性(どのような場所にも対応する使用楽器)という点で、ギターアンプ・ベースアンプの使用を諦める・・・と考えたためです。

 なぜギターやベースのアンプ使用を諦めるのか・・・ですが、ドラムとシンセの録音物に合わせて演奏している我々の場合、オーディオとなっているオケの音にボーカル・ギター・ベースを合わせて生で演奏しているわけですが、会場のPAによって音の輪郭や太さが左右されるオーディオと、ず太いに決まっている楽器用アンプからのギター・ベースの音に違和感があるためです。
 いえ、正確には、今まではPAを限定してそれに合わせてオーディオ的な音がするギターアンプ・ベースアンプを使って来ましたが、様々なライブ会場でライブを行うことを目指すとなると、ましてや、ほとんどサウンドチェックだけでリハーサル時間も無く出演バンドが多くて各バンドの演奏時間が30分程度のライブも目指す(本当は最低45分は演奏したい)となると、こちらで演奏ボリュームバランスを完全に作り上げて意図した音にしておかないと、最初の1~2曲は音づくり時間となってしまって音楽ではなくなる可能性があるためです。

 もし、ミニミキサーの低クウォリティーから全体の音色クウォリティーが落ちたとしても、意図した音楽イメージが崩れ去ってしまう程のことは起こりませんし、逆に曲ごとにイメージした音色の変化やボリュームバランスの変化についても意図どおりに行うことが出来ます。

 このようなお話をすると「わさわざ低クウォリティーにしてしまうような事をせず、経験豊富なオペレーターに任せるべきだ」と言われてしまうことがほとんどですが、失礼かとは思いますがぼくはそう思えません。
 どれだけそのオペレーターの方がぼくらの音楽やぼくらの意図するバランスを理解し、どれだけその理想についてディスカッションして1つの方向に向かい、相反するバランスの曲それぞれにおいて入念なリハーサルを行い、照明効果と音との相互性を考えていただけるかが必要だと思いますが、そんなことは不可能なわけで、普通は「前のバンドの基本設定から、ボリュームだけちょっとイジる」のがいいところなことは充分承知しています。

 そういったところで「わずかな時間のライブなのに、最初の1曲でつまづきたくない」という意味もありますが、もっと大きな問題は、ぼくらは当然リズムのオケを聴きながらでないと演奏できませんから、「オケの音とギターやベースの音をバランス良くモニターしなければ演奏できない」というところが一番の問題点です。
 以前、オケの音のモニターバックがほとんど無く、自分のギターアンプからの音だけしか聴こえず、客席に降りて演奏したこともありました。
 逆に、オケの返しが大き過ぎて自分のギターが全く聞こえないで演奏したこともありました。
 そのどちらも、お客様の耳にはちょうど良いバランスで鳴っていたそうですが、演奏はリズムもわからず、まったく当てずっぽうでいい加減な演奏であったことは言うまでもありません。

 ライブを"Sammy`s Hawaiian Cafe"に限定してからは、PA自体を持ち込んだため、ギターアンプ・ベースアンプを使っても完全に自分たちのバランス・音色で演奏出来ていましたが、今後の「様々な会場で・・・」という考え方ではそれは成り立たないと考えました。

 ベース村上は先日ベースアンプヘッドが飛んでしまったのを機に「サンズアンプVTベース」を購入し、ベースアンプを使用せずにサンズアンプVTベースからPAにライン入力することにしました。
 ギターも試験的にサンズアンプクラシックを使用してPA直としたところ、ラインのためにやや迫力は低下するものの、音色的には全く問題なしでした。

 さらには、ぼくたちは簡易PA(パワードスピーカー)を所持しているので、小さめな音のライブであれば、会場を借りてライブコンサートの主催もできます。
 それもしていければいいなと、ドラム無し(またはドラムはエレドラ使用で小音量)であれば、この程度のミキサーで充分に対バンの音づくりも可能と考えました。

 そして、ミキサーに内蔵されるリバーブも持ち物の数や演奏条件に大きく影響を与えます。
 対バンのボーカルへのリバーブ使用はもちろんのこと、ぼくたちの曲では「妖精の人形工場」などは石壁の回廊の遠くから聞こえてくるような音をイメージしていますし、次の曲の「秘密の扉」ではどちらかというとデッドな部屋、他にも洞窟の中、山岳地帯の空中など・・・、「普通のバンドが普通に聴こえる普通の音」を基準とはせず、「お話にあった音響環境」がリアルなイメージを作ります。
 そうなると、「品位の良い普通の音」よりも、「この曲は硬い響きのラージホールリバーブ」「この曲はスモールルーム」など、使い分けができればよりリアルな演奏感が出せます。
 リズムとシンセのオケの演奏にはすでにそれを想定したリバーブがかかった状態で録音しているので、ギターとボーカルにかかるリバーブの変化がイメージを作りやすくしてくれます。

 また、ミキサー側のリバーブを使うことで、ボーカルはハーモナイザーのコントロールをするだけで良くなり、かなりの手間を省けます。
 ギターに関しては、ぼくの場合「サンズアンプ→ボリュームペダル→ディレイ→(リバーブ)→ミキサー」と接続することになりますが、リバーブが省けます。

 ギターアンプ・ベースアンプを使わないことによるデメリット(楽器の音としての圧倒的迫力の低下)は否めませんが、もともとぼくも村上もTECH21社のサンズアンプについては非常にコントロールしやすくて自分の音づくりがしやすいと感じていますので、生のドラムでなくオケと合わせて演奏するぼくたちにとってはかえってバランスとしては聴きやすい音になるのではないかと思います。

 また、逆にギターアンプを使用することがあったとしても、同じ器材で単にサンズアンプの設定を変える(「アンプだと音が硬くなるのでトーンを絞る」「マイキングのシュミレーションスイッチを切る」)程度で対応できると思います。

 ついては、このミキサーを大きめのモニタースピーカーに接続してバンド練習してみて、確認したいと思います。

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