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井上堯之さん

2018/05/07 00:00

 ぼくが日本国内で尊敬したり憧れたりしたギタリストって、そう多くは居ないのです。
 いえ、日本に限らず世界でもそうは居ないと思います。どちらかというと、ギタリストよりも好みはドラマーやベーシストの方が強く感じているので、それが理由かと思います。

 そんなぼくですが、日本で4人のギタリストについては尊敬や憧れがありました。
 お2人はメジャーではなく、大学時代の先輩で須田さんという方と高校時代に横須賀地域で人気の高かったバンド(ジャム→アップルパイ)のギタリスト白井さんでした。

 高校時代に素晴らしいバンドだと思ったアップルパイというバンドは、カルメンマキ&OZがゲスト出演するライブで、完全にOZが浮足立ってしまうほどはるかにカッコいい演奏をし、どちらがプロだかわからない素晴らしくタイトでパワフル、独自性の強い日本のロック色を出したアレンジで唯一無比のバンドでした。
 このバンドが日本のロックを代表するバンドになれなかったのは七不思議だと今も感じていますが、そのアレンジの中核でボーカリストでもあったギタリストが白井さんで、最初に見た頃はGibson SGを、そのSGを当時のぼくのバンドの相方ギタリストに売却してからはFender Telecasterを使われ、グラムロックからハードロック、そしてファンキーなソウルっぽい色を加えたサウンドへと少しづつサウンドを変化させていましたが、そのどれもが完成度の高い素晴らしいバンドサウンドでした。
 当時のぼくにとって、白井さんの考えを伺うことはぼくの理想のバンド構築への道に感じていましたし、日本人のバンドが世界的に見てもカッコ良い姿としてあるべき音・ルックス・テクニックすべてを持ったバンドだと感じていました。

 大学時代の先輩の須田さんは、それまでソロばかりを意識していたぼくにバッキングの大切さやカッコ良さを教えてくださいました。
 また、Fender Telecasterの中高域に伸びがあって、ストラトキャスターよりもはるかに太くて男っぽい音の魅力も教えていただいたなぁと思います。大学1年の頃の師匠でした。

 さて、メジャーなプロギタリストで尊敬したり憧れたりしていたのもお2人で、石間秀機さんと井上堯之さんでした。

 石間さんは大好きだったフラワートラベリンバンドのギタリスト。今はシタールのように弾くギターのシターラというオリジナルの楽器を使われていますが、やはり少年の日の憧れイメージはゴールドドップのレスポールでした。
 けれどぼくが強く影響を受けたのはそのレスポールでのプレイではなく、Make upという曲で使っていた白いストラトキャスターの音でした。
 なんとも透明感のある艶やかなサウンドに魅力を感じ、中学3年の終わりごろだったですが・・・メチャクチャに重いメイプルボディーのカチコチに硬い音のフェルナンデスの白いストラトを購入しました。
 石間さんには品川の民族楽器店でお会いし、握手してしばらく手を洗わなかったのは内緒です(笑)。

 そして井上堯之さん。
 残念ながら、先日、77歳の生涯を終えてお亡くなりになられたそうです。。。
 ぼくの感覚では、ギタリストのルックス、基本的に出すべき音、使っているギター・・・それらすべてにおいて「カッコいい」と感じられるギタリストという存在そのものだった気がします。
 この方を外国人に例えたとすれば、日本のスティーブクロッパーだったように感じます。
 井上堯之バンドは日本のブッカーT&MG’sだったような気がします。
 スパイダース時代についてはほとんど映画くらいでしか記憶がありませんが、その後のショーケンやジュリーとの活動は友達の家で中学の頃聴いたPYGから意識していました。
 Gibson SG → Fender Telecaster Deluxe → Gibson L6S・・・、後ろの2つは欲しくてたまらないギターでしたが、左利き用の製造は無く、手にすることは出来ませんでした。
 そうなんです。ぼくが欲しいギターはイコール(=)井上堯之さんが使っていたギターで、一般的にはあまり人気のないギターでした。
 特にL6Sはカルロスサンタナもほんの一時期使っていましたが、サンタナよりもはるかに井上堯之のL6Sは綺麗な澄んだ音や、美しく艶やかな歪みのトーンに聴こえました。
 思うに井上堯之さんはFenderのGibson寄りなモデルや、GibsonのFender風ギターを好まれていたのではないだろうか・・・と思うのであります。
 それはまさにぼくの好みそのものであったため、いつも井上堯之さんの音に惹かれていたのだと思います。

 そして、麻生レミさんのバックで井上堯之バンドが演奏した時の白黒的衣装(井上堯之さんは黒のタキシード)は、これぞオトナのロックだと感じさせる音や演奏のカッコ良さもありましたが、全体のルックスにおいてもカッコ良かった。。。

 ジュリーのバックで弾いている時のイメージから、テレキャスターデラックスにはアポロキャップ、L6Sにはタキシード・・・みたいな勝手なイメージをもったものです。
 間違いなくぼくの憧れのギタリストでした。ご冥福をお祈りいたします。

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