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Fender Player series Telecaster(その2)

2019/11/05 10:00

 Fenderブランドの最廉価モデルとして発売されたメキシコ製プレイヤーシリーズが気になっていたのですが、先日、谷口楽器で購入してしまいました。
 昨日のブログでは「買いました」の報告だけでしたので、どのようなギターなのかをお話していきたいと思います。

 プレイヤーシリーズは、次代を担うプレイヤーに向けたオールジャンルギターということで、税抜価格でプレイヤーシリーズのテレキャスターが69,300円(税込76,230円)というブランド内最廉価な価格を考えても「ビギナーズモデル」であることは間違いありません。

 近年のGibson SGのビギナーズモデルも気に入っているので、Fenderの方もラインナップが変更されてどうなったのかな~と以前から気になっていたのですが、こんなギターです。

https://shop.fender.com/ja-JP/electric-guitars/telecaster/player-telecaster-left-handed/0145222500.html


 当然、いつものように「ややネックを真っ直ぐよりも逆反りに」し、「極限まで弦高を下げ(特に巻弦側)」、「リアピックアップは高めに、フロントピックアップは極限まで下げて」、「両ピックアップともに斜めに巻弦側を下げ」、「ボリューム・トーンのポッドを右利きと同じに逆回転に変更」と調整しなおすとぼくのギターらしい音にだんだん変化していくのですが、このギターのネック材等、ほとんどダンエレクトロと同じようなフニャフニャなとても良いとは思えない木材でしたから、当初からこんなにエッヂの利いた良い音が出るとは思っていませんでしたし、自分好みに調整する前の店頭販売の状態でこんなに弾きやすいとは・・・そちらについてもビックリでした。

 ↓昨日もアップした調整後のムービー。

https://youtu.be/575eUbACess


 ネットのカタログを見ると、塗装はポリウレタンではなくウレタンのようで、塗装面は厚く、ポリウレタンのように硬質でなく柔らかいため、音はハッキリせずにボワンとしているのかな・・・と思いきや、もっと上位の中間クラスのジャパン製やアメリカ製よりもシャープな高域が出て、それでいながら音の厚みも感じられる、ぼく的にはかなり好みの音でした。

 この価格帯でこれだけの音色である点にビックリしただけでなく、ネックは細めなCシェイプでRも少ないミディアムジャンボフレット、ネック幅もビギナーズ(少年少女)を意識したためかやや狭くて弾きやすく、1フレットから22フレットまでフラットな弦高で本当に弾きやすそうなギターだったため、下手をすると現行のFenderギターの中ではぼくとしては一番弾きやすいかもしれないと思いました。

 しかし、なぜこんなに使いやすい音がこの価格で得られるのか・・・(ぼくの好みな音)の理由を考えてみたのですが、ウレタン塗装やとても良いとは思えない木材は音の面では圧倒的に不利だと思われるので不思議でたまりません。
 
 よほど塗装の下地処理の際になにかしているのか・・・、よほどピックアップの相性が良いのか、指板がローズウッドではなくてもっと硬くて音の伝達の速いパーフェローだからなのか、なにかトラスロッド自体が音に影響を与えるような素材等になっているとかなのか・・・。
 それらも理由のひとつではあるのでしょうが、でも他に理由がなければこういい感じな音にはならないと感じました。Fenderではいったいどう魔法をかけているのだろう・・・。
 この魔法は村上のUSA製ムスタングベースでも感じていて、同じくたいした木材を使っているわけでもないのに妙に良い音(実践的に使いやすい音)がするのです。

 昔からのテレキャスターとの違いは、メイプル指板ではないのにネック裏にトラスロッドを入れ込む切込みがあること(たぶん、指板の違いに関係なく同じ製造方法をすることで経費節減を狙ったもの)、ヘッドなどはグロス塗装となっているけれども、ネックの裏側はサテン塗装になっていること、指板のRが昔のモデルより少なくてチョーキングで音詰まりしにくくなったこと、見た目は1970年代テレキャスターなのに1960年代のスパゲッティーロゴなこと、3.6kgと軽いギターより重く、重いギターよりは軽い微妙な重さなこと(厚い塗装で重くなった軽い木材?、または強烈に乾燥させた重い木材?)、通常な安価なモデルのボディー材がポプラやバスウッドなのに対してこのギターは通常のUSA同様にアルダーである点・・・くらいでしょうか・・・。

 ぼくの感覚としては、15年くらい前のアメリカンスタンダードに非常に近い、なんとなくフジゲンのギターに似たイメージのあるギターになっている気がします。
 そういえば、使っているゴトーのペグも当時のアメリカンスタンダードと同じものですね。
 トラスロッド調整がネックを外さずに出来るのは、ほんの少しだけ逆反り状態を保ちたいぼくにとっては、しょっちゅういじるところなので助かります。

 現在のフェンダーブランドの格付けでは、一番上位はカスタムショップ、次にアメリカンプロフェッショナルシリーズ、次にアメリカンオリジナルシリーズ、次にジャパンシリーズ、最下位に位置するのがメキシコ製造モデルのプレイヤーシリーズのようです。(さらに下位の別ブランドである中国製または東南アジア製のスクワイヤーもあります。)
 ブランドとして最下位に位置するプレイヤーシリーズがこんなに通常使用に問題なく使えるギターであることが驚きですが、それ以上に思うことは、Gibsonの廉価ギターSG Faded2017でも感じたことですが、高額なギターが趣味的な一つの音色に固執したようなものが多い中、ビギナーズモデルは対応するジャンル幅が広くて、得意分野に合致したその道のプロでない限り、通常の人には扱いやすいギターになっているというところです。

 これでは楽器の品位として不充分だと思う方もおられるかとは思いますが、それは極限でのデカいボリュームの中で、他のギタリストも2~3人居る中で、自分のギターだけが飛びぬけて目立つ際立った音がしなければならない等の特殊な環境での必要ではないのかと、ぼくは感じます。それよりも、きちんとバランスする中では、たとえやや低次元であっても欲しい変化に対応するオールジャンルなギターの方が1本だけでステージがやれるので良いとすら思えます。

 高額だったギターを4台も売っての購入がこの安物?
ということで、何を考えているんだか・・・と思われる方も多いかもしれませんが、自分の必要としては、「状態の良いテレキャスターが手持ちでない(ネックはローズウッド指板が良い)」、「Gibsonのビギナーズモデルが気に入っているのでFenderのビギナーズモデルも気になる」、「白いギターが欲しい」、「Vanzandt Bronsonの細いネックに慣れてしまい、他のギターが弾きにくく感じるため、同様に細いネックのギターが使いたい」という自分の要望を叶えるモデルだったということで、けして選択肢として誤ったとは感じていません。

 ライブで使ってみて良い感じていければ、Vanzandt Bronson、Gibson SG Faded2017、そしてこのFender Player series Telecasterの3台をメインとして使っていきたいと思います。

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