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特注しようと思っているギター

2018/09/21 00:00

 先日のブログでもちょっと書きましたが、次のボーナスでギターを買わないと、その後は定年退職後でギターなどは絶対に買えない経済状態になりますので、無理やりギターを買いたいと思っています。

 ずっと自分の理想のギターとはどんなものなのか・・・を考え続け、いろいろなギターを購入してきましたが、最終的にGibson系・Fender系から1本づつを選び「人生の1台」として生涯の終わる時まで使っていこうと考えています。

 自分なりの究極の1台捜しでしたし、自分の望みを知るということがライフワークだったような気がします。

 Gibson系は思いもよらないところで自分の理想を知りました。
 当初は硬い音のピックアップを搭載していることが最大の条件だと思っていましたが、ミニハムバッカーより、ディマジオのシングルコイルの音がするバムバッカーより、シングルコイルのP-90ピックアップ搭載であることよりも、ネック材がマホガニーではなくメイプルであることがぼくにとって理想のGibsonギターということでした。

 マホガニーネックとメイプルネックの音を比べると、明らかにメイプルネックの方が音の立ち上がりがはやく、モワッとした音圧はないものの音はエッヂがある存在感がマホガニーよりも上の周波数帯域にある音で、ぼくにとってはギブソンらしい音をフェンダーのアタックタイミングでプレイ出来る・・・ということが最大のメリットでした。

 また、汗で蕁麻疹がでてしまう体質になり、通常の塗装のギターでは汗がボディーやネックに残って蕁麻疹の素になってしまうので、デコボコしていて塗装も薄くて汗を吸ってくれるウォーン塗装のギターが最適となりました。

 6~8万円と一番安物でもありますが、”Gibson SG Faded 2017”がぼくの一生の中で手にしたGibsonギターの中で一番弾きやすくて音も気に入ったモデルとなりました。
 Gibsonギターについてはもうこれで終了でいいかなと思っています。

 さて、Fender系ギターについては従来の自分の好みのギターと、今~将来の使い方での理想がかけ離れ、また、自分の体力的な理由からも所持するストラトキャスターやテレキャスターではないんだなと感じていました。

 そして、ぼくは案外一般的・普通には良いとされるようなギターとの相性が悪いという部分もありました。
 いえ、正確に言うと相性が悪いのではなくて、高額モデルの多くは音色の好みからビンテージらしい古臭いタイプばかりを購入していたため、向く音楽や使い方に限りがあることも多かったのだと思います。
 ぼくは素晴らしい品位の音よりも、何でもかんでもかなりいい加減ではあっても、いろいろなジャンルや、オールディーな音色もモダンな音色もいけるギター、そしてアンプ不使用でラインで使う場合も多いので、所謂「すばらしいヌケ」よりも「リニアに音量だけが変化する」ような、ライン時でもコントロールしやすいギターを今は望んでいます。
 そのように、ノージャンルで、ビンテージ感覚オンリーではなくロカビリーからモダンまで使えるのは、まだ演奏する内容を決定せずにいろいろ試してみるべきビギナーズに向けたギターが好みに合致するひとつの理由に感じます。
 また、ビギナーズは少年少女であることが多いため、ネックが細くて女性なみに手の小さいぼくにとって弾きやすいという点もありますね。

 その辺を考えた上で、さらに自分の健康上・体力上の理由(加齢上の理由?)から、なるべく軽量のギター(重くでも3.3kg未満)、チョーキング等で苦にならないミディアムスケールで、フレットのRはビンテージモデルほどきつくなく現代のフラットぎみなもの、弦高は可能な限り低く、弦のテンションはゆるめが好みで細い弦に対応の良いよく鳴る木材等を加味して現行のギターの中で合致するモデルはないか検討しました。

 検討の結果、左利き用はワンオフとなるためにかなり割高にはなりますが、VanzandtのBronsonというギターをカスタマイズするものが一番今の好みにあったものを作れるような気がしています。
 BronsonはFenderの2ピックアップでは一番安いビギナーズモデルのデュオソニックのコピーモデルですが、Bronsonという名前はその1ピックアップの1967~1981年に生産されていたBroncoからイメージされているのかなと思います。

https://www.taurus-corpo.com/vanzandt-entry


 「ビギナーズモデル」「ミディアム(ショート)スケール」の2点から見た本家Fenderのビギナーズモデルについておさらいしたいと思います。
 最初のビギナーズモデルは1956年に発売されたミュージックマスターでした。この最初のモデルからビギナーズモデルのボディーの形状は変わっていません。
ミュージックマスターはフロントのみの1ピックアップ仕様でした。
 1956年同年の2ケ月後にBronsonの原型となるオリジナルの2ピックアップ版デュオソニックが誕生しますが、2つのピックアップは逆巻き・逆磁極の直列配線となっていて、まだギブソンがハムバッキングピックアップを発明する前に2機のピックアップを同時に出力するとハンバッカーになる構造のギターでした。
 1964年には独特なトレモロユニットが装着されてブリッジがフローティングになったムスタングが発売されました。
 ムスタングとデュオソニックのトレモロ有無以外の違いは、リアピックアップが真っ直ぐ取り付けられているデュオソニック、ストラトのようにリアピックアップが傾斜して取り付けられているムスタング。あとは、ボリューム・トーンのポッドとジャックが金属プレートに配置されてピックアップ・ピックガードと別になっているムスタング、ピックガードにすべてが一体化されて簡略化されているデュオソニック。ピックアップのセレクターの異相がコントロールできるムスタング、ふつうに3点トグルスイッチのデュオソニックという違いでした。
 1967年にはムスタングとは違ったトレモロユニットが組み込まれてリアピックアップのみの仕様のブロンコ(Bronco)が発表されましたが、ボリューム・トーン等がピックガード一体でなく金属プレートとなっている点はムスタングと同様で、1981年まで作られたようです。その後はミュージックマスターのベース版がブロンコベースとして名前を残しています。
 現在では、デュオソニックはリアピックアップがハムバッキングピックアップとなっているものと、従来のシングルコイル2基のものの2タイプとなっています。
 ムスタングもなぜか今はトレモロがなくなってしまったようで、見た目のイメージの違い以外は、リアピックアップの角度の違いと異相のコントロールの有無だけの違いとなり、イメージとしてVanzandtでもBronsonとBronson2があって、その方向性に沿ったモデルなのかなと思います。

 さて、Bronsonとデュオソニックの違いは、デュオソニックはムスタング同様にショートスケール(24インチ)なのに対し、BronsonはほぼGibsonのミディアムスケール(628.65mm)にほぼ近い624mmとなっており、Gibsonギターからの持ち替えに違和感がなく、それでいてFender標準のロングスケールよりはるかに短いため、弾きやすいだけでなく、Fenderとは違った独特な音色が期待できます。
 ちなみに624mmの通常のGibsonより4.65mm少ないスケールは、1950年代のレスポールのスケールに由来しているそうです。
 それもあって、FenderのBroncoを語源としながらGibsonの~sonを合体させてBronsonとしたのでしょうか・・・(笑)

 また、塗装はVanzandtはすべて薄塗りでサラッとした塗装になっていて、それはメタリックでも同様とのことなので、今まで所持したことのない紫色のメタリックがピンクに焼けてボケたような感じのバーガンディーミストという色にしようと思います。この塗装のサラサラ感は蕁麻疹体質のぼくには本当に助かります。安心してギターが弾けそうです。

 このギターの特徴として、Gibsonのミディアムスケールにほぼ等しいスケールという事以外にも、通常のFenderギターは裏通しでほぼ直角にテンションがかけられた弦の入口になっていますが、このギターはブリッジプレートの脇に弦を固定するようになっており、裏からではなく表で弦を引っ掛ける構造です。
 たぶん、これによって強いボディー低域鳴りの仕方はせずネックからトップへの表面の鳴りが強い音で、ブリッジ駒にかかるテンションが通常Fenderギターよりも下がる構造なので、やや張りの弱い・Gibson同等のテンションになっている可能性が高いです。
 また、ボディーもムスタングと同じスリムなカタチをしているので、小さな身体でも持ちやすくなっていると思います。

 オリジナルとの変更希望についてですが、まずボディー材をオリジナルのアルダー材から、できれば板目のライトウエイトアッシュの2ピースブックマッチでお願いしたいと考えています。
 ちょっとボケるアルダーの音よりも、アッシュの強くて存在感のある音の方が空間系エフェクターを強めに使っている今の自分としては、選択したいなぁと思っています。
 また、柾目の強いサスティーンも魅力ではありますが、板目のバリバリした音の方がぼくは好きなので、そういった板目のライトウエイトアッシュがあればお願いしたいと思っています。

 オリジナルは普通にフェンダー的なヘッドデザインですが、以前谷口楽器で見たサイケロンというギターがマッチングヘッドでカッコ良かったので、ボディー同色のマッチングヘッドにしたいと思っています。
 その他はAカーブのポッドで右利き用と同じ回転にしてもらうこと、メイプルネックにマダガスカルローズ指板のスラブ貼り、ピックアップカバーは白を選択、ピックガードは金属製のアノダイズド(左用の製作が無理ならばべっ甲柄)を選択の予定です。

 実はこのギターの音は聞いたことがなく、たまたま店頭にあったストラトからのイメージで注文を決定しました。
 要は、Vanzandtの現在のギターが素晴らしいと判断し、かつ、最廉価器種のBronsonは自分のニーズを満たす可能性が高いと感じたからです。

 店頭でVanzandtのストラトに感じたイメージは、フレットがややフラット気味で弾きやすいこと、各弦のテンションが安定していること、ハイポジションもローポジションもバランス良くきれいな音がでていました。
 結局、ピックアップの特性を生かしたギターづくりがVanzandtのコンセプトのようですが、「バランスの良さ」が一番の魅力で、それは手巻きのピックアップだけが主となっているわけではなく、極薄のラッカー塗装と木材の質と組み込み作業の妙でつくられる絶妙のバランスが弾き手とともに作る音、たとえば誰が弾いても同質な音になるわけではなく、その人のピッキングなりのその人の音、そのそれぞれが様々に美しい音になるだろうと想像できるギターの個性を際立たせるのではなく弾き手の個性を引き出す音だったのです。

 ぼくの感覚として現代のVanzandtに受けた印象は、あくまでもビンテージギターのような枯れた音の魅力を感じさせながらも本当は枯れてはおらず良くとおり、モダンなフレーズも弾きやすいセッティング、オールディーな音を感じさせるのにはるかにもっと存在感のある中域が太い音で、ピックアップ勝ちないわゆる電気的なパワーを感じさせる音とは正反対の木材の鳴りが電気を上回る音色決定をしている現代を生きる理想のビンテージ風ギターだと感じました。

 また、Bronsonに搭載されるピックアップは、ムスタングに装着されているものよりも、ポールピースがフラットになっているストラトのピックアップに近い特性と書かれており、そこも、全然高域が出ずに引っ込んだ音だったムスタングの嫌な思い出を消し去る説明で、非常に期待できます。

 最初はテレキャスターのミディアムスケールを考えていたのですが、サラッとした肌触りの塗装、裏通ししない弦の張り方をするブリッジプレートや、テレキャスターより薄いボディー、バカバカしいほどシンプルな見栄え、自分自身が今の旬としてビギナーズモデルを極めたいと感じているところ、VanzandtというブランドのFenderとは違った個性と信頼をイメージできたことで、人生最後の購入になる(宝くじが数千万円当たった場合は除く(笑))ギターを選ぶことにします。

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