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Steinberger Spirit GT-Proの印象

2014/06/17 12:55

 Steinberger Spirit GT-Proを購入してYOUTUBEにもインプレッションビデオも載せていますが、このギターの変わったイメージをうまく伝えられていないなぁ…と思い、再度となりますがこのブログでこのギターについて書かせていただきます。

 ぼくは「コンパクトで持ち運びしやすい」という、謂わばトラベルギターのやや品位の高いもの…のつもりで約4万円・韓国製のこのSteinberger Spirit GT-Proを購入したのですが、購入してからこのギターのあまりにも他と違った特性?に驚かされ、随分と楽しませてもらっています。
 今日はその辺を中心にお話していきたいと思います。

 極小で電池でも使えるギターアンプのZT-amp Lunchbox JuniorとこのSteinberger Spirit GT-Proを持つと、まるで折りたたみの小さな釣竿と2〜3匹しか魚が入らないであろう小さなクーラーボックスを持って歩いているようにしか見えず、とてもライブで使えるギターセットを担いで運んでいるようには見えません。
 ハッキリ言ってしまえば、それだけがこのギターを購入した理由でした。

 しかし、このギターを買ってからというもの、日々自分の思っていたエレキギターというものの常識をくつがしてくれる…と言うべきか、はたまた、好みの音と利便性や汎用性の違いをまざまざと眼前に見せつけて教えてくれるとでも言えばよいのでしょうか…、そんな気がして、30年以上エレキギターを弾いて来た感覚を白紙にさせられる思いです。

 ギターというものは木材が共振して音を奏でるので、そのギターそれぞれに得意なキーがあったり苦手な音程があったりするもの、音量についても音程域によってそのギターの特性が活かされるのが普通、そんな木材のクセによる共振と倍音・ピックアップの相性でつくられるのがエレキギターの音…と、迷わずそう思い続けていました。

 しかし、Steinberger Spirit GT-Proについては、「無駄な共振」にあたるボディー側面やヘッドの存在がなく、謂わば、ヘッドの無いネックだけのギター?のようなものですから、共振するボディーとネックがお互いの共振を打ち消したりすることもなく、ヘッドの無駄な共振で余計な倍音を発生させてサスティーンを短くすることもありません。

 けれど、その無駄な共振から生まれる音を「ギターの個性」だと信じ続けていたぼく…、それがギターの魅力だと思ってきました。

 それに比べるとSteinberger Spirit GT-Proの音は無味乾燥、どの音程域でも音量はフラット、得意な音程域もなければ苦手な音程域もない…のですが、まるでボリュームコントロールは「これはギターではなくてオーディオなのでは?」と思うくらいにフラットでコントローラブル。
 さらには、音色もピックアップに忠実であって無駄な倍音の影響を受けないため、ギターアンプから出力しても、ラインでアンプシミュレータでもコントロールしやすく、超フラットなつまらない特性はエフェクターの相性も気にしません…。

 自分ひとりで弾いていても全くつまらない音のギターなのですが、いざ、バンドで利用してみるととてもコントロールしやすい。。。そのコントロールのしやすさは今までエレキギターに感じていた「好み」とは関係なく、まるでオーディオ機器のようです。

 座っているとボディー下の空間がすくなくて弾きにくいところはありますが、実践的に立って弾けばまったく弾きにくいとは感じませんし、ヘッドが無いということでかなり狭い場所・天井の低い場所でもギターが弾けて便利だと言えましょう。

 欠点と言えば、勢いよくローポジションに手首を移動した際に、たまにネックを外してしまう程度ですか…。

 不思議なギターです。
 倍音が豊かではなく以前から自分が持っていた感覚では良い音とは思えない蛋白で特徴のない無味乾燥な音、それなのに無駄な共振を取り去ったがためかサスティーンのある安定的でコントローラブルな音のギター。

 今ぼくは、そんな、感じたことのない新しい感覚を楽しんでギターを弾いています。

 さて、本物のUSA Steinbergerのギターはグラファイトで作られており、木材ではありません。
 韓国製Spiritではそれに近い特性の木材を…ということでしょうか、ボディもネックも硬いメイプルが使われています。
 もしこれを柔らかくて軽いマホガニーで作ったらどんな音になるのかな…等と思ってしまいました。
 というのも、StainbergerはGibson傘下のブランドですが、ネックの接続角度等の関係でGibsonよりもFenderに近い音に感じますので、Gibsonに近い音色もセット出来た方が楽しいと思いました。

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