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「ぼくのルーツミュージック(4)最終回」■33歳~現在60歳直前

2019/07/19 00:00

■33歳~現在60歳直前

 ひょんなことから友人の結婚式で演奏することになり、3年近く触らなかったギターはまったく弾き方を忘れて指はフニャフニャで弦は抑えられないし、苦労しましたがなんとか演奏をしました。
 昔、フォークデュオのシンドバッドというグループのバックでギターを弾いていたのですが、そのボーカルの鈴木くんの結婚式で、メンバーはボーカルの鈴木くん・ぼくの在籍していたケンミミストーンズのドラマー鎌田さん、その後は柳ジョージのバンドのギターを担当した岡澤さん、名前忘れたけれど当時のクリエーションのベースの人でしたが、実践から遠のいていたぼくはかなり演奏の足を引っ張ったかなと思います。

 音楽がやりたいのか、人前に立ちたいのか、他の何かがしたいのか・・・わからないまま、またギターをしまい込んでしまおうかと思っていたのですが、会社帰りに銀座の画廊にかかっていた油絵に興味を持ちまして・・・、それは湖畔に生い茂る木々の中の1本に空いた穴から覗ける湖畔の景色だったのですが、頭にストーリーと音楽イメージが浮かんで来てしまいました。
 それを描いた画家の老人にその話をしたところ、思い浮かんだものをカタチにしなさいと言われ、それ以降の音楽制作については童話的なストーリーのある組曲としています。

 バンドのメンバーが少なくなっても演奏可能な形態を捜して、エレキギターを諦めてウードやサズなどの民族楽器に持ち替えた時期もありますし、「自分」というイメージ以外はまったくやってきた音楽にも関連性はなかったかもしれません。
 特に民族楽器をプレイしていた時など、チューニングも使い方もまるでわからないので、まったく自己流で使っていましたし、イメージした感じになれば楽器など何でもいいとさえ思いました。

 そうですね。ぼくがやりたかったことは「音楽」だけではなく、絵画や映像やストーリー制作など、ぼくには出来ない他の芸術の素材に自分の音楽を使っていただいてコラボした作品がたくさんできることだったのだと理解しました。

 当然、それを目指してはいますが、メジャーでもない挫折したミュージシャンですから他の芸術を志している方から相手にされるわけではないので、出来るはずもなく自分で物語を考えながら曲を進行させて来ました。

 最終的な結論として、音楽そのものからぼくの音楽的なルーツを説明するのは困難で、ギター弾き的な部分のみに限っては1960~1970年代を基軸とした音楽のギタープレイに根ざしてはいるものの、「音楽」というものについてではなく、常に他のものとのコラボを欲していたし、絵画や演劇・映画・お話などから受ける影響は音楽自体よりもはるかに大きく、その中でも童話的なファンタジーのような色合いがあるものを一番に好む・・・・これは間違いなく、藤城清治の創り上げた世界の「木馬座」ファンであり、そこがぼくの原点になっているのではないかと思います。
 逆に、音楽とは音楽以外からの刺激を受けた自分がイメージを楽器演奏する行為で、音楽自体が音楽を作るもとにはなっていないことが判ってきました。

 だから、ぼくの音楽のルーツは・・・「木馬座」ファンであったという事です。

 60歳になってもまだオトナになれない理由も、Wonder Boys以後にやったバンドが小さい子どもたちだけにはウケが良いのも、たぶん、ぼくのどうしようもない頑固で勝手な理想主義も、きっとそこに答えがあったのだなと思います。

 ギターは、絵画を描けない自分にとって筆のようなものだし、キャンバスはお客様と演奏者の間にある空間、伝わった時にはもっと大きな1つの作品になっていくお客様との共同作業・・・そんな感じでしょうか。
 いつまでやってもダメかもしれませんが、なるべく、なんとか続けられるうちは細々とでも続けていきたい夢だなと思っています。

 全4回のプログ、長くてすみませんでした。

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