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「ギターのボディーの厚さの好み問題?から、自分を科学してみる(笑)」

2021/09/16 17:00

 エレキギターのボディーの厚さについて調べてみて、リペアマンの方のブログかと思いますが、テレキャスターの当初のオリジナルにおいては、アルダーボディーのカスタムは、アッシュボディーのスタンダードよりも3mmボディーが薄くつくってある…との事が書かれていました。

 その理由は、アッシュに比べて音のくっきり感と明るさが損なわれるアルダー材を薄くする事で、アッシュ材のようなアタック、サスティーン、くっきり感、明るい音を様々な環境下で保つ狙いだっただろう…との事でした。

 という事は、ボディーは薄いほどアタック、サスティーン、くっきり感、明るい音が強調されるのかな…。

 確かに、昔、お盆をボディーにしたペラペラの冗談ギターを弾いた事がありますが、若干低域が足りないかな…とは感じたものの、ぼく的には普通と変わらずに使えるし、むしろコントロールしやすい音だと感じたのを思い出しました。

 ぼくはなるべくムスタングやSGのように薄いボディーでありながら、アッシュ材のブックマッチ2ピースボディーで、メイプル1ピースネックにローズウッドよりも硬い指板で作られたギターが経験値の上では理想に感じています。
 これはそうすると、かなりカチンカチンに硬い音で、バリバリ鳴るけれど低域は少ないギター…という事にきっとなりますよね~。

 でもぼくの音はスモーキーな、どちらかと言うと中域に寄った音です。
 なぜ、カチンカチンな音になるだろうという特性のギターでそうなるか…は、以前このブログでも書いたのですが、中学~高校時代の自宅でのギターの弾き方に理由は由来します。

 当時はファズ以外の歪みエフェクターは発明されておらず、また、ギターアンプはゲイン・マスターとボリュームがわかれておらずに1ボリュームだったので、歪むギター音色を出したければアンプをフルボリューム近くで弾かなくてはなりませんでした。
 都心部の家庭ではそんな爆音は出せないため、ぼくはフルボリュームにした40Wのギターアンプ"Roland CA40"を布団に包み、押し入れの中に突っ込んで押し入れの戸を閉めてギターを弾く事でオーバードライブトーンを得ていました。
 今考えたらめちゃくちゃ危険ですが、当時のぼくはそれくらいしか思いつかなかったのです。

 さて、それで音を出してみると、消音のためのパッケージでもの凄く高域落ちしてしまうので、コントロールするギターとしては硬い音のギターの方が「何を弾いているかがわかった」というわけです。
 しかし、布団ミュートした音に慣れてしまった自分としては、普通に布団ミュートの無い音では音が硬過ぎて細くて弾きにくい…。
 ライブではアンプのスピーカーを壁に向ける事でアンプをやや消音してフルボリュームにし、アンプのトーンは絞り気味に甘い音で弾くようになっていました。

 18歳になった頃にはオーバードライブエフェクターが発売されはじめ、アンプにはゲイン・マスターとプリアンプボリュームとパワーアンプボリュームが別々にセットできるようになりました。

 ハコバンド等のトラで仕事をする事も多くなり、フルボリュームの爆音ギター…というわけにはいかず、PAオペレーター等は居ない環境の中、自分でステージ上で音のバランスをきちんととらなくてはならないため、オーバードライブエフェクターとボリュームペダルを使って、出したい音色をそれぞれの状況にマッチしたボリュームで弾くようになりました。

 しかし、そんな中でもぼくのアンプトーンは高域と低域の削れた中域ばかりが耳に残る…いわゆる「ラジカセみたいな音」だったのは、あの「布団包みトーン」を基軸とした音色の好みからです。

 それとぼくのピッキングは弱めであまりコネたりしないでサラサラと弾いていくタイプですし、フレットの抑えもギューッとは抑えず、軽めに抑えます。
 なので、強く弾いて音を強く出す等して音にコントラストを出すようなブースト型ではなく、普通に弾くところから弱く弾くようにして・・・ブーストではなくカットの方向でコントラストのバリエーションを作っています。

 これはアンプに対する使い方でも同様な使用法となっており、ブーストしてボリュームを上げたり、ブーストして歪みをつくることはしないで、予めバランス的には大き過ぎる音量でセットしたギターアンプに対し、ボリュームペダルでボリュームをカットしてバランスする・・・というカット方向で音を作っています。

 ずいぶん回り道しましたが、この「ブーストではなく、カットで音を作っていく方法」は、ギターやギターのコントロール部分についても同様です。やっと最初のお話につながりました(笑)。

 まず、硬い音を出したい時にものすごくアンプのトーンで硬い音にしてしまうと、甘い音を出したい時にアンプのセッティングを変更しないと、多分スカスカな音になってしまうでしょう。
 けれど、硬いギターの音から、フラットなセッティングのアンプで受け入れた音を「硬い音」とすれば、ハーフミュートで弾いたり、なるべく緩いピッキングでギターを弾いたり、それでも甘くなり足りない時はギター側のトーンを下げたりで対応できますから、アンプのセッティングを変化させる必要はなくなります。
 硬い音から甘い音、長いサスティーンからミュートして短いサスティーン、多い倍音の音を緩く弾いて少ない倍音・・・はコントロール可能ですが、その逆は全て個別のエフェクターを用いないとできないし、もうそのギターの本来の音ではなくなってしまうようにも感じます。

 ドライブトーンとクリーントーンも、2chアンプのクリーンチャンネルとドライブチャンネルを切り替えるか、または、ドライブエフェクターのオン・オフでコントロールする・・・という方法がありますが、これでは基本2時音色しか使えず、さらにその2音色は関連性のない遠いトーンの音となり、なんだか違和感を感じることもあります。
 しかし、それを使わずにアンプは一番歪んだ音色にセットした状態のみのセッティングでギターのボリュームコントロールのみで歪み具合をコントロールするという方法がぼくのやり方です。
 ボリュームを絞っていくと高域が落ちて来ますので、なるべく高域特性の良いギター(またはハイパスフィルターをボリュームポッドに装着する)で、かつ、歪み具合を幅広くコントロールする幅を持たせるため、通常Bカーブのボリュームポッドが装着されたギターの場合はAカーブのものに変更しないとコントロール幅が狭くて使えないことになってしまいますが、Aカーブのイメージの場合、ボリューム100%をフルドライブトーンとした場合、65~70%くらいがクランチトーン、50%くらいがダーティークリーン、45%以下がクリーントーンという感じで使え、それらのトーンは全て同じアンプトーンの中での変化なので一切の違和感を感じさせない・・・という2つの大きな利点をぼくは感じています。

 まぁ、ぼくの場合は「ギターアンプ」は基本的にギターアンプではなくて、プリアンプ部分とパワーアンプ部分は別で、プリアンプは”Sansamp classic”パワーアンプはギターアンプのクリーントーンという事になっていますけど・・・(笑)。
 そのプリアンプ部に匹敵する”Sansamp classic”のセッティングは、やや甘めのトーンにセットしたブギーのマークシリーズ風のシミュレーションにしています。

 そのようなわけで「硬い明るい音で立ち上がりの良いギター」を好む理由は、自分が最小のセッティングで思い通りの使い方がコントロールできる可能性が高いギターだから・・・という理由でした。

 あとは、ジャズギターに興味がない・・・という点もあるかもしれませんね。
 ぼくの好みなジャラジャラ鳴るギターは、細い弦で・ネックはやや逆反り・アクション低くてテンション弱い・・・という特徴ですから、ジャズギター好きの方からは「軽薄な音のギター」と言われる事の多い下品なギターだろうと思います。
 しかし、ぼくは下品と言われようとも、ポーンというようなアンプ音色・歯切れの良いミディアムのセルロイドピックで弾くとバチバチペンペンとしか鳴ってくれないギター、カントリーライクなチョーキングの歯切れの良いパッセージを感情豊かに弾けるとは思えないキツいテンションでは、ジャズ以外の音楽をプレイしにくくしているとしか感じられません。
 でも、そういうギターが「優れた職人ギター」と評価されているので、ポップスやロックンロール・スクイーズギターのブルース・カントリー等の他の音楽で使いやすいギターが「下品」と言われてしまうのでしょうね。。。

 「ギターボディーの厚みがないと音が軽薄になるし、ネックの重さとのバランスによっては音のデットポイントが発生しやすい。」という理由で薄いボディーのギターを良く思わないギタービルダーの方が多いらしいと聞くことがあります。

 正直、所持しているSGは1台を除いて全てデッドポイントがあります。
 けれどそれを使っている理由は、デッドポイントの音は前のフレットをチョーキングして出すなどの不便をしてでも得られる「圧倒的に軽量でハイポジションが弾きやすい」という性能を得たいからです。
 ちなみにデッドポイントが無い1台は、ネックがボディーと同じマホガニー材ではなく、ネック材がメイプルなので明らかにネックの方がボディーより重い、いわゆるヘッド落ちする”SG Faded”です。
 
 年齢が行ってくると膝や腰がきつくて、この軽量さがなければ立ってライブを行うのを諦めるか、それとも軽いSGを持って立つのか・・・(または、立てる限界の20分くらいのライブで活動を諦めるか)の選択になる人は多いと思います。
 私の場合は心臓血管の破裂を予防するために飲んでいる心臓の働きを弱める薬の影響でボーっとなってしまうため、3.5kg以上のギターでライブを行うならば倒れないように座って演奏するしかなくなるので、理想は2.8~3.2kgくらいのギターということになりますが、ネックは重いものが好みなので、余計にボディーは軽い必要があります。
 近年は坐骨神経痛にも悩まされているので、逆に座って演奏するのも厳しい時はあります。
 さらには、ぼくの左腕は小学生の頃に複雑骨折した後、通常の方とは90度ズレてつながってしまったため、皆さんが考えると地面に真下にピックを向けた状態がぼくのピッキングしている状態だと思っていただけると理解していただけるかと思いますが、身体の前の真ん中よりややネック寄りの方向でピッキングしないと肘に負担がかかり、あっという間に腱鞘炎になってしまいますので、弾くポジションによってギターを身体から離したり近づけたりしながら、普通の人よりもギターを右寄り(右利きだったら左寄りですね・・・)に抱えて弾いています。
 このようなポジションですと、手首の楽さ等も含めると、ストラトのようなボディーカットはダメで、SGやムスタングくらいのボディーの厚さが最良だったという個人的な結論です。

 あとは、ミディアムスケールとロングスケールの違いによって再生される低域の違いもボディーの厚さに関連するのでしょうが、ぼくはテンションの緩いギターでサスティーンのコントロールをしやすくする方が、ハーフミュート等で低域を擬似的に作り出しやすいので、かえってミディアムスケール・薄いボディーの方がコントロールしやすくて気に入っています。
 背が164cmで手も小さく女性並みということもあるのかな・・・。

 平均的に誰にも向くギターというものはないかもしれませんが、「ジャズギターと難しいヘビメタは断念して、それ以外のギターを織り交ぜて(特に歌物)プレイしたい」「あまり力まないで軽く弾いてプレイしたい」「音色設定をコロコロ変えずに、音は弾き方とギター側でコントロールしたい」などが一致すれば、もしかしたらご意見が合うかもしれません。

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