11月1日(日)12時30分からSammy's Hawaiian Caféで行うランチライブですが、写真のレトロなギター「Danelectro DC-59」を使おうかと思っています。ベースももちろん「Danelectro DC Bass」です。
ついでに美妃もDanelectroのエレアコで1曲だけplayの予定です。
なぜ美妃が1曲だけギターを持つのかは後日のブログで書くとして…。
サスティーンも短くて、パワーもなく、カサカサで低域もなくて昔の6石トランジスタラジオのような中域ばかりの音なDanelectroのギターについては、いろいろな思いがあります。
まずぼく個人としてはレッドツェッペリン・ジミペイジがカシミールという曲を弾く時に持っていたこのDanelectroギターについて、とにかくルックスがカッコイイとずーっと思っていました。
なぜでしょうか・・・、アザラシのようなカタチのピックガードなのかな・・・。
1950~1960年代にアメリカ・シアーズの通販カタログショッピングで売られた建築材や口紅のケースの廃材などを利用して作られたオンボロギターなのですが、巨匠となった多くのギタリストたちがデビュー前やデビュー直後に使っていた(このギターで多くのミュージシャンたちが自分のスタイルをつくりあげて来たんだな・・・と。)そんなところから、ロックという音楽をやっているならば、その黎明期の中心だった同社のギターは1台は使ってみたいとも思っていました。
ピックアップは「リップスティック」と呼ばれていますが、本当に通販用の口紅のケースを再利用して作ったピックアップだそうです。
ネジなども、ちゃんと強度もあって音の伝達を考えた楽器用のものではなく、安っぽいただのネジですし、ボディー材も木ではなくカラーボックスのような合板です。
ネックの木もフニャフニャと思われる木です。
でも、ちょっと面白いのが、普通はブリッジは硬い金属でナットは牛骨(プラスティック)で作られていることが多いと思いますが、Danelectroのナットはアルミでブリッジは木片になっており、木片ブリッジは平たくて鋭角がないために、とても面白いミュート音になります。
高域も出ていないのですが、低域が出ないためになんとなくカラッとした音に聞こえて、中域の中だけで低域も高域もコントロールする楽しさがあります。
あまりにもタイトでない音は、なんともいえないルーズさを作ってくれます。
悪口を言っているわけではないのですが、書いてしまうとそうも読み取れるかもしれませんね・・・。
でも、本当は弾いていて楽しいギターなんです。
そうですね、ポルシェやフェラーリで公道をゆっくり走っても楽しくないでしょうが、スバル360で床までアクセル踏みつぶして乗った方が楽しいと感じるのに似ているのではないだろうか・・・と思います。
それと、そこはかとなく漂うレトロなおもちゃ感覚ですね。
なかなか左利き用は販売されなく、谷口楽器に「入荷してよ~」とお願いしてから5年くらいだったでしょうか・・・、製造元が韓国から中国に変わった頃、2004年くらいからでしょうか、店頭に左利き用が並ぶようになり、数本購入しました。
使ってみて思ったこと。。。このチープな音のギターでダイナミックに弾くことができる技術をもったとすれば、FenderやGibsonに持ち替えた際には恐ろしいほどダイナミック過ぎるギターが弾ける・・・ということでした。
逆に言えば、「このギターやベースはレトロでチープな音が魅力だけれど、歌を歌いはじめたばかりで歌唱力の無い人に合わせるにはその迫力の無さが幸いしてボーカルとのバランスをつくりやすい。」という事でした。
まさに、歌など歌った事もない中学生だった美妃に歌わせることになったこのバンドの15年前の状況にはピッタリの楽器セットでした。
ギター・ベースだけでなく、当時は居たドラマーのドラムにも手を加えてバランスをとりました。立って叩くカクテルドラムの胴を半分に切り、ハイハットの開閉も出来るようにし、「低音が出ない音の小さなドラム」をつくって、パワー・音圧・音色のバランスをキチッとあわせました。
全体のバランスが良いため、迫力の無さを感じられず、まだちゃんと歌えていないボーカルも一応ちゃんと聴こえるようにできました。
↓下は2007年当時の演奏です。13年前ですね~。
その後のギターの変遷は、美妃のボーカリストとしての進化に順じ、また、演奏形態の変更を考慮しながら変えてきましたが、最初の時期にこういった工夫をしていくことは非常に良い効果をもたらしたと思います。
そんな懐かしい楽器セットを10年以上ぶりに次のライブでは使ってみる予定です。
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