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「Gibson SG Junior」

2020/12/02 00:00

 61歳の今、45年以上エレキギターを弾いて来て(実感ありませんし、はじめて5年くらいで技術的成長は止まった感がありますが・・・)、ぼくなりのGibson系の理想的なカタチはコレだ!と感じているのが改造した"Gibson SG Junior"です。
 前にも何度か書いているのですが、改造から半年近く経った今、また改めて変わらない気持ちを書き留めておこうと思います。

 Fender Telecaster用のフロント用ピックアップの中でも出力が小さめなビンテージタイプのピックアップ(しかも40年前のもの)をSG Juniorに追加した改造ギターですが、通常、シングルコイルピックアップでは驚異的にパワーのあるP-90をリアに配しているのに、極端にパワーの無いピックアップをフロントに追加する・・・普通だったら考えられないバランスの悪さが懸念されて行わない改造でしょう・・・。

 この改造に踏み切った理由がいくつかありました。
 理由は自分の得意・苦手の問題でした。

1. 「どうしてもハムバッキングピックアップを上手くコントロールできない。」

■ ぼく自身が、自分の好むアンプ音色チューニング(スモーキーな歪み設定)とフロント・リアそれぞれに欲しい音色と多彩性の上で、シングルコイルのはやい音の立ち上がりと、クリスピーな高域、締まった低域、ピッキングニュアンスで幅広く変わる音色がコントロールする対象のギター弾きであり、明らかにシングルコイルピックアップの方が向いていた。

(1) 特にハムバッキングのフロントピックアップは音がブーミーになり、ボリュームを20%未満でしか使用できず、「クリーンなバッキング用の音」以外の使用用途が作れなかった。

(2) リアピックアップについても、ハムバッキングでは音色が一辺倒で「強い歪みの音色」のみしか使えなかった。

(3) ハムバッキングのフロント・リアのミックストーンでは、フロントをほぼ20%のボリュームで固定している状態ではリアのみと変化がほとんどなく、センターポジションは使用用途がなかった。


2. 「ストップテールピース・チューンOマチックブリッジという構造のギターの音が好きになれない。」

■共振がブリッジとテールピースにわかれるためなのか、なんとなく音がダイレクトに感じられず、ストレートな音がコントロールしやすい自分としては好めない。

3. 「好きな木材の問題」

■残念ながらマホガニーとローズウッドというGibsonらしい木材の粘った音よりも、アッシュ・メイプルとFenderらしい木材のストレートな音の方が好み。


 そもそも論になってしまいますが、たぶん、リアピックアップ・フロントピックアップ・ミックストーンに求める音色が人それぞれかなり違うのではないかと思います。
 どうしてもぼくの使い勝手の基準はFender Telecasterになっている感がありますので、「同じような使い勝手でコントロールしたい。」というのと、「SG Juniorの荒っぽいパワフルで乱暴なロック的シングルコイルP-90リアのドライブトーン(けれど、ボリュームを絞るとブルージーでクリスピーなトーン)が好き。」「もともとリアではかなりハードなドライブトーン、フロントではクランチからクリーンまで・・・、という好みなので、いちいち歪み具合や低域のカットなどをエフェクターで切り替えるのではなくギター側ピックアップの出力差で対応したい。」「リアピックアップのノイズが凄く酷いので、センターポジションをホームポジションにしてノイズキャンセルしたい。」それらの思いが「フロントピックアップにTelecaster用を追加」という改造に向かわせました。

 なぜ他のGibsonギターでなく、このSG Juniorを選んで改造したのか・・・ですが、ボディやネックのマホガニーは変わらないものの、指板がローズウッドではなくて焼いたメイプル材だったこと(音の立ち上がりが良くてストレートな音)、1ピックアップのギターだったので1ボリューム1トーンだったこと(ミックスポジションでの多彩な利用が可能になる可能性)、バーブリッジだったこと(直接的で強い音)、それらが理由でしたが、単純に破壊的なほど乱暴に暴れるオールディーなリアピックアップの音がライブで使いたいけれど、多彩な楽曲の中でリア1発のギターで全曲をプレイするのは厳しいから…というところだったと思います。

 フロントピックアップの追加とピックアップセレクターの追加以外は、ボリュームポッドをAカーブのものに交換したこと、ペグをグローバーのものに交換したところくらいです。

 これでぼくにとっては一番理想的なGibson系ソリッドギターになりました。
 リアとフロントのパワー差は倍以上の差があると思いますし、フロントの音は艶やかでありながらもどんなに歪ませてもSans-ampではクランチ程度の歪みまでです。リアは強烈なハードドライブするパワーある音です。このアンバランスさがぼくにはとても使いやすい好都合なセッティングです。

 バーブリッヂのダイレクトな音が通常のテールピース&チューンオーマチックブリッヂより好きでしたが、どうしても弦の駒がなく平坦なところに弦が設置となる関係でサスティーンが減少してしまいますが、ペグをスピードタイプのGroverに変更することにより少しだけテンションが緩くなってわずかですがサスティーンが向上しました。チューニングの安定度も上がりました。また、少し音が落ち着いた感じがします。

 ピックアップセレクターのセンター(ミックスポジション)は、ノイズキャンセル効果を考えて音を出す寸前までのホームポジションにしておくため・・・と当初は考えていましたが、実際には音色も魅力的な音が出るため、逆にバッキング時やポップな曲でよく使うポジションになりました。

 また、スカスカに軽いあまり質の良くないマホガニー材でネックやボディーが作られているのか、やたらに軽いため、指板に使われている焼きメイプルのツーンとした音がマホガニーの粘った音に勝ってしまっている感じでぼくには好都合でした。

 改造前と改造後の音のイメージを比較・・・というわけには使用アンプ等違っていかないのですが、一応、改造前のムービーと比較してみます。

改造前

改造後


 そんなわけで、12月8日のランチライブではこのギターを使います。

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