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「弦製造の方のインタビューを聴いてうっすらと感じた気持ち」

2021/10/14 00:00

 一昨日、youtubeで弦の製造者の方が語られていたムービーを見て思った事がいくつかありました。
 一番に思ったことは、楽器の性能をフルに発揮することと、楽器製造会社は楽器を守ることを、弦の製造会社は楽器の保守よりも弦のコンディションを良い状態にする事で弦による音の劣化の苦情を避ける事を考えの基軸に持っているんだろうなぁ…という感覚でした。

 弦の製造会社から弦の寿命は10日と言われても、それでお金を稼いでいる人でない限りかなり厳しく経済を脅かします。たとえば5本のギターを維持していくとして、年間の弦代を試算すると…弦代が1セット600円として…、「(5本×3セット×600円)×12ケ月」で、10万8千円となってしまいます。

 そんなにお金がかかると厳しいので、極限ギターは2本持ちを限界と考えたとする…「(2本×3セット×600円)×12ケ月= 43,200円」と、それでもまだそこそこ高く一般人には感じるように思います。

 とはいえ、昔はエレキギターなど贅沢品で、45年くらい前は1セット1,000円もしていましたし、ギター自体も物価からすれば随分高かったので、今はまるで安いとも言えるのですが…。
 しかし、それだけ容易に始める事が出来るようになったからこそ、消耗品代の出費を抑えたくなると感じます。

 良いコンディションで使うには…、「ギターは1台で我慢する」となってしまうと、ギター製造会社はギターが売れなくなって困る・・・ということになってしまうかもしれません。
 それなりに真剣にギターをやっている人以外はギターなど弾かないでくれ…と、人によってはそんな誤った解釈をしてしまうかも…。

 究極、消耗しない弦があれば素晴らしいのでしょうが、それでも複数台所有する人は1ケ月以上弦をもたせるために、やや煌びやかさは失われても(良い音のコンディションを失っても…)コーティング弦を張る人が増えるのは当然の成り行きかもしれません。
 各関連楽器も、多く商品を買ってくれるユーザーをターゲットとするため、ピュアなそのままのニッケル弦(エレキの場合)ではなくてコーティング弦を音色の基軸にしていく…。

 10日以上使っている弦が、一定の時期からビビったり詰まったりする・・・という質問に対して、寿命を超えた弦の状態だから解決法は「弦の張替え」という答えだったのですが、ぼくはどうもピンと来ません・・・。
 アマチュアでコード弾きくらいしかしない人が(質問はそのような人を想定していた)1日1時間以内のプレイで10日間で急に音詰まりやビビりが発生するとしたら、ギターのセッティングの問題でないとしたら、粗悪弦ではないだろうか・・・とぼくは感じてしまうでしょう。
 ギンギンに短三度のチョーキングを1曲内に数回以上繰り返す曲や、ギンギンにアームを駆使する曲ばかり1時間練習してたとすれば、それこそ3日もせずに弦はダメになっちゃうでしょうが、ギターを弾いた後にちゃんと弦を裏側まで拭いてきれいにしておけば、1ケ月は使えると感じています。
 そりゃあ、2週間もすれば音の劣化はハッキリわかるようにはなって来ますが、音痴になったり、各弦のバランスがメチャクチャになってしまうほどではないように思います。

 個人的に自分のギターの多くは、弦の劣化した頃の音も想定して、弦の張り替え直後はジャラジャラうるさい音が出るように設定しており、なるべくテンションが弱くなるようにしているため、弦を張り替えて5日後~20日後くらいが一番良い音が出るようになっています。
 張り替え直後はやや軽薄な音がしますが、まる1ケ月くらいは問題なく弾ける音です。

 また、あまり弾いていないギターは新しい弦に張り替えてまったく弾かずに置いているものもありますが、2年以上放置のものもあります。(長い期間弾かないギターの弦のチューニングは1度下げています。)

 職業でギターを弾いている訳ではないので、本当に気に入ったギターがあれば、たった1本の所有で良いのかも知れませんが、Fender系ではGibson系の音も弾き心地も体験出来ず、その逆も然りだと思います。
 さらには、ソリッドの立ち上がりの良さは魅力ですが、セミアコ等のエアー感も魅力です。
 右利きの方ならば貸し借りも可能かと思いますが、左利きはなかなか居ないのでそれも難しいわけで…。

 結局、1本にギターを絞るということは、出したいいろいろな音から、どうしても必要な自分の根幹のみを残して、その他を諦めるという事になるのかな…と思います。
 けれど、自分の得意なコントロール域はある程度わかっていても、それで全てに対応できる能力はなく、また、音で選んだギターと弾きやすさで選んだギターは違ったりするわけで…、特に年齢的な衰えは弾きやすさの方を重んじ出し、理想の音からは遠ざかります。
 あと3年後に迫った無職の老後には、維持費の問題からきっとギターは1本に絞らなくてはならない事となりましょうが、今のぼくにはこの1本を特定できていません。

 そんな中、弦の製造をする方について望みたい気持ちは、既成事実で「弦の寿命は10日」と決めず、たとえばコーティング無しでどれだけ寿命を延ばせるか(例えば、死ににくい材質、死ににくい太さの割に弱いテンションなどの工夫や発明)をしつつ、安価なままで販売する等の研究もしてほしいなと個人的には感じました。

 ○○とはそういうもの…という概念であれば、クリーンな音が当たり前の時代に、ロックを生んだ歪んだ音のギターはあり得ないもので抹殺されるべきだったでしょう。
 目先の儲けを考えれば「現在作っている弦の寿命を守って弦交換させる。」でしょうが、「寿命を極限まで伸ばして、ギターオーナーの所有しやすさを増強し、ギタープレイヤー数自体の増加を狙い、複数台所有しやすい環境を構築する。」という技術革新の方が状況を好転させるのではないでしょうか・・・。
 どんなもんでしょうか。。。

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