264Guitars佐藤さんにお願いしているLegendのシンラインのボディーのみを活かして全体を作り直すシンラインモデルですが、完成間近です。
ネックはもう、ほぼ出来ていて塗装の乾きを待つのみですね~。塗装面のイメージは"Vanzandt"ブランドの薄い1度塗りのラッカーにそっくりな高級感・ビンテージ感のある仕上げになっています。
フェンダーの64.8cmのスケールではなく、ギブソンの62.8cmのスケールでもなく、誰もやらないであろうその中間のDanelectroの63.6cmのスケールで出来上がる予定です。
なぜそのようなスケールにしようとしているのか・・・ですが、一番の理由は「指の力も弱り、肩・腕・指の関節も神経痛で痛くなることも多いので、少しでも弦長を短くしてテンションを弱めたい。」というところが最初にあります。
要は「背の低めな(手が小さい)これからドンドン老人になっていく者に優しいギターをつくる」です。
そうなると、レギュラースケール用に作られているボディーにネックを装着する場合、ミディアムスケールでは20フレットくらいにフレット数を減らさないとチューニングが合わなくなってしまうのでミディアムスケールは諦めました。
また、ミディアムスケールのフェンダー系ギターの場合、かなり重いギターでないと低域が頼りない音になってしまう感じがするので、老人に優しい軽いギターを・・・と考えている自分にとってはあまり良い選択ではないとも感じました。
そこで思いついたのがオールドDanelectroのスケール、すなわちフェンダーとギブソンのちょうど真ん中の63.6cmスケールでした。
当初は21フレットを考えていましたが、指板のツバ出しをすれば22フレットまでいけそうだと佐藤さんからお話をいただき、そうすることに・・・。
でも、ネックの横幅はフェンダーと変わらないので、たぶん、横も縦も細い"Vanzandt Bronson"のように「ネックがすべて小さくなった」という感じにはならないと思いますし、きっと鈍感な人ならスケールの違いもわからないかもしれませんね。
ネックの握りやフレットのRについては、現代のアメリカやメキシコのFenderに近いRが少なくて薄めな握りのUシェイプ、フレットも近代的な1970年代以降のミディアムジャンボという希望でお願いしていますが、こればっかりは作り手の感覚もありますので似ているであろうものの、ちょっとは違っているのだろうな・・・と思っています。
写真を見る限りでは、どうも硬いメイプルのネックに、ローズウッドと黒檀の中間くらいに硬いパーフェロー指板なので、なんというか、音は高域がキーンで低域はゴチーンというような感じになるのかな・・・、塗装が薄いので"Vanzandt"のように木材らしい鳴りの良い音になりそうかな・・・、それにセミアコボディーが装着されるので硬い音にモワ~ッと残響があるのかな・・・なんて勝手に想像しています(笑)。
テンションがきついとコントロールしにくくなるので、なるべくテンションが弱いといいなぁ。。。
で、当初は佐藤さんに「え~っ」って言われちゃった仕様なのですが、ナットはブラス(真鍮)です。
ぼくは以前からどのギターでもナットをブラスにしたいと思っていましたが、実は金属ナットのギターはDanelectroしか所持したことがありませんでした。
ブリッジ駒もブラスの駒のものに変更するつもりなのですが、たぶん、ぼくは真鍮がとても好きなのではないか・・・と予感したというか・・・。
好きだったギターの多くがブラスの駒を銀色に塗ったものばかりでした。
テレキャスターのピックアップの音が好きなのですが、フロントとリアの音量が、ストラトよりパワーの差があって使いやすいという事があります。
もうひとつ、なぜかテレキャスターのリアの音って、なんというかとても「ありがたい音」に感じています。
たぶん、ピックアップの下に真鍮(ブラス)のプレートが貼られているからではなかろうかと感じています。
同じ金属でも、アルミは軽い音に感じる気がするし、最近の硬すぎる超合金やステンレスはジャキジャキ煩いと感じるし、どれもブラスに勝っているとは思えません。
なぜナットを金属に・・・と考えるかですが、まずはこれから死ぬまで使い続けるギターだとすれば牛骨や新素材のタスクよりも金属ははるかに耐久性があると思われます。
次に、フレットを抑えた音はニッケルに弦が押し付けられた音なのに、ナット直の開放弦の音は金属でなく牛骨の音っていうのは、よーく考えてみると不自然なのではないか・・・。抑えた音が金属ならば、開放の音も金属な方が自然な気がする・・・と思ったのでした。
また、これは根拠がありませんが、ぼくの感覚として、プラスティックや骨よりも金属の方が硬い低域の音が強く出るような気がしています。たぶん気のせいではないと思います。
そうすると、スケールが短くなったことによる強い低域の不足を補えるのではないか・・・とも思いました。
あとはセッティングの問題もありますが、ぼくのようになるべく弦高を低くして弦のテンションを弱めたい場合に損失してしまうのが各弦でのバランスされたサスティーンですが、金属のナットにすることでサスティーンが増加してバランスするのではないかと期待して考えています。
また、パーフェロー指板のネックですが、メイプルネックのギター同様にヘッド側にトラスロッドを挿す設定にしてもらいました。
ややわずかに逆反り気味に真ん中が上がったネックが好きなため、調整は微妙で、梅雨時とかはしょっちゅうトラスロッドをいじることになるので、いちいちネックをはずして調整するのは面倒だと考えました。
今のメキシコ製Fenderのギターがそうなっており、とても重宝したためにこの仕様をお願いしました。
しかし、昨日佐藤さんから送っていただいた写真で塗装の感じを見ますと、本当に仕上がりが"Vanzandt"のネックのように見えます。
音や鳴り方は"Vanzandt Bronson"のネックは素晴らしいのですが、ちょっと5フレットから下の握りがいくらなんでも子ども用のように細すぎると感じていたので、ぼくにとってはその改良版とも感じられるネックになるかもしれませんね・・・。
問題は"Legend"のボディーで本当に大丈夫か・・・、作っていただくピックアップとの相性はどうか・・・、ただそれだけですね。
あとは、スケールがわずかに短いのでオクターブチューニングは大丈夫か・・・ですか。
ピックアップについては、「リアは、フェンダー的なやや粗いけどガリッとした中域にパワーのある感じで、フロントは、艶やかだけど硬めな、低域はあまり歪まず、高域がクランチに歪む感じ。そんな感じが理想です。リアはパワフル、フロントは繊細、ミックスでノイズキャンセルしつつ、サラッとバッキングに向いた音。」という希望は伝えていますが、まぁ、音はピックアップだけでなくボディーやネックとのバランスでもありますし、どうなるか・・・。楽しみです。
予定では、今月末までには仕上がって来るようです。
そうなると、少なくとも半年くらいはこのギターばかり弾くことになるんだろうなぁ。
楽しみ過ぎます!
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