今日は色々なギターのネックを付け替えたりして、本当に残りの生涯、最終的に残すギター(たぶん、今後はこれらのギターしか使わないであろうギター)を確認しました。
この3台こそがぼくの最後のギターたちになるんだなと改めて確認した次第です。
これ以外に、エレアコのVG EAR01とギターシンセコントローラーを組み込んだSG、それと雨の日用に購入した黒いFender Player Telecasterのメイプル指板も残しますが、これらは録音のみに使うギターや雨の日専用で、最終的な自分のギターというわけではないので、最終的に自分らしいギターとしては3台をチョイスすることにしました。
けれど、この3台とも弱点というか苦手なところもあり、3台あっても不安なところも感じます。
カスタムショップのストラトや、もっと良いグレードのギターも何台も所持していましたが、色々弾いてみて、やはりこの3台だなと思っています。
まず、写真1番下の黒いギター「Gibson SG Junior」からお話ししていきます。実はこのギターがたぶんメイン中の最高のメインになっています。
このギターは購入時にはナット割れしていた不良品で、Gibsonの1960年代初期の復刻版廉価モデル(2010年製造6万円くらい)のSG Juniorですが、ボディー材・ネック材ともスカスカのボロいマホガニーで軽くて雨の日にはネックがグニャグニャ曲がってしまう欠点のある、ボロいって言ってしまったらそれまでのギターです。
指板は廉価モデルということもあって高額なローズウッド材は使われずにメイプル材を焦がしたものを貼ってあるものですが、ネック材がボロいためか、この指板が音の速い立ち上がりやトーンに影響し、リアのP-90ピックアップを極端なまでにハードに鳴らしてくれます。
その音があまりに魅力的だったので、出力が弱い古い35年前のFender Telecasterのフロントに装着していたピックアップを、このSGのフロントに追加する改造を施したところ、これがまたジキルとハイドと言ってもいいくらい性格の違う音を共有する唯一無二のぼくらしいギターになりました。
しかし、雨の日という強い天敵があって、雨が降るとネックが不安定となり、ビビりまくって音詰まりを起こしてしまい、調整してもまた30分後にはおかしくなる・・・という、かなり神経質なところが困っているところです。
それでもメイン中のメインになっている理由は「圧倒的な重量の軽さ」です。
他のギターは全て3.3kg以上あり、ライブ45分経過程度で腰痛が勃発しますが、これは2.7kg程度しかなく、さらにはSGというギターの形状特性でボディーとネックがほぼ同様の重さでボディー側に重さが偏っていないために重量をさほど感じられないところが他のギターに勝る、まさにライブに特化した能力に感じています。
真ん中の「Fender Player Telecaster」ですが、これは現行のメキシコ製造の中で一番安い割高な左利き用でも8万円程度の廉価版のギターですが、個人的にはメキシコ製造のギターでかつてこんなにオールラウンドに使えるスタンダードモデルで良いギターはなかったと感じているくらい気に入っているギターです。
このギターも廉価版なので指板は高額なローズウッドを使用できず、パーフェローというもっと硬い木材を指板に使っていますが、新開発のメキシコオリジナルのピックアップの硬めな音との相性が素晴らしい、立ち上がりの良い音です。
弦のテンションが緩めで、とにかく弾きやすさは所持するギターの中でダントツに良いです。
家でひとりで弾いているとあまり良い音には感じないのですが、バンドで合わせて弾くとアンサンブルの中では素晴らしい抜けたサウンド、バッキング時の張り出し感のある気持ち良い音が響く、不思議ですがライブに本当に適したギターです。
SG Juniorほどではありませんが、雨の日にはジャリというアタック感がなくなってペキッと言ってしまうのが残念なところです。
で、一番上の「Vanzandt Bronson」は、本来はFenderのビギナー廉価ギター Duo Sonicの古いモデルをVanzandt製ピックアップに合わせて高品位にコピーしたもののはずなのですが、ぼくのものは配線もボディー材もオリジナルとは全く違った内容で特注したものです。(後の特注部分は、カラー・ピックガードの柄・マッチングヘッドでした。)
ボディーはテレキャスター同様にセンターブックマッチの2ピースのアッシュ材、配線は近年のテレキャスター同様ですが、トーン無しの各ピックアップの独立ボリュームとしています。
なので、通常のDuo Sonicよりも、「ミディアムスケールになったボディーの薄いテレキャスター」という感覚があります。
このVanzandtギターを製作しているのは、Moonのギターを制作している工房がアメリカVanzandt 社から委託を受けて製造しているため、素晴らしい出来のギターとなっています。
また、このように軽いオーダーメイドに応じてくれるので、諦めない本当に気にいるギターの制作が可能です。
BronsonはVanzandt では1番安価なモデルなので、特注でも20万円で作ることが出来ました。
音は本当に自分の考えうるギターの中では最高に気に入っていますし、ルックスもかなり気に入っています。
このギターは雨天にもそんなに強く影響は受けず、一定のクウォリティーを維持してくれます。
そんな完璧と言えるようなギターですが、たった一つだけ弱点があります。。。
ネックが細いというよりも、サイズが小さいという感覚があり、またネックとボディーのジョイント位置の問題からか、通常のミディアムスケールのギターよりもはるかにネックが短く感じ、目をつぶると感覚的に2フレットズレてしまい、ハイポジションに指が入りづらい・・・「他のギターからの持ち替えに違和感があり、ミストーンを出しやすい」という状況になります。。。
このギターを最後の1本として他のギターを弾かないようになれば、このギターだけに慣れてしまえばいいので問題ありませんが、他のギターと併用する中では、なかなかメインとしづらいところがあります。
そう考えると、このバンドが持続してやれているうちは、ほぼFender Player TelecasterとGibson SG Juniorを交互に使うことが多く、Vanzandt Bronsonは本当にたまに使う程度になるかなと思います。
そして、数年後、収入も無くなってバンド活動ができなくなったら、きっとぼくはガレージバンドのソフトでオケを作って自宅でチマチマとギターを弾いてビデオ配信でもたまにやりそうな気がするので、そう人生の最後の時が来たらVanzandt Bronsonだけを使うのかな・・・と思います。
しかし、若い頃から考えて、最終的に自分がこのようなギターを選ぶとは全く思いませんでした。
中学~高校の頃は絶対にレスポールとストラトだと思っていましたし、大学時代は1952年タイプのテレキャスターとES-335だと思っていたし、その後は高価な特注ギターかなと考えていたと思うし、FenderやGibsonのカスタムショップモデルがやっぱりいいのかなとか・・・。
確かに高額なモデルはそれなりに良いなと感じるものが多かったと思いますが、その楽器の特徴的な歴史の中にある本物の音が出力されるような感じがして、自分が演奏するどんな音楽でもそれ1本で演奏できる・・・という自分が必要とするものではなかった感じがします。
1本だけでオールラウンドに演奏するには、まるでジキルとハイドのように対照的なサウンドを併せ持つ音色幅の広いギター(SG Junior )、とにかく弾きやすくてコントロールしやすいギター(Player Telecaster)、ライブで体力消耗を極力抑えて良いプレイに繋げる絶対的な軽さ(SG Junior)、オールディーであっても新しいサウンドにも向く何よりも自分が理想的だなと思える信頼できる音色とルックス(Bronson)だったのかなと思います。
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