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Wrap it !

2014/12/02 17:40

 配信代行業者にiTunesやAmazonからの配信を依頼して、12月中旬に配信販売が開始される予定の4曲の組曲「空飛ぶ自転車と赤い竜」ですが、その4曲について、1曲づつ、過去のエピソードなどを話すとお約束した第2回目です。

 今日は2曲目のたった1分30秒の小曲「Wrap it !」についてお話したいと思います。

 さて、上の写真はこの曲の作曲にあたって意識したミュージシャンです。
写真の大きさが影響の度合いの大きさだと考えていただいて良いかもしれません。

 いや、2007年の作曲時点では大きな写真2つの影響しかなかったのですが、今回の録音し直しによってギターシンセのパートのみ、その他二つが加わりました。

 最近巷で流行しているラップとは、いったい何なんだろう…旧来の日本にもその歴史はなかったのか…等を真剣に考えて出来た曲でした。

 なんと、ラップはリズム&ブルースの一派に含まれている音楽だと言われているので、なら、リズム&ブルースと言えば1960年代のスタックスソウル、スタックスソウルと言えばオーティスレディングやサム&デイブの演奏「ブッカーT&MG's」ということで、サウンドアレンジの大筋はブッカーT&MG's風にすることにしました。

 2007年当時はギターとベースとドラムだけだったので、シンプルな録音でしたが、ギターシンセを使った今回の録音の中で全然2007年の時より良くなったのはこの曲だと思います。
 村上がギターシンセでホーンセクションのパートを録ったのですが、たまに間違えていてけっこうリアル(笑)だったりします。
 ぼくはオルガンとバイオリンをギターシンセでプレイしました。

 多くの皆さんについては「ブッカーT&MG's」と言うよりも、もしかしたら、「映画Blues Brothers」で演奏していたおじさんたち…と言った方がわかるかもしれませんね。
 つい先日、ベースのドナルドダックダンがなんと日本公演中に亡くなってしまいましたが、ギターのスティーブクロッパーとドナルドダックダンが作り出すリフのリズム感はどれだけロックに影響を与えたかと思うと計り知れないな〜と思います。
 MG'sなくして真のソウルグルーブマスターはあり得ないと思います。

 で、なぜバイオリン?という感じかと思いますが、ここでケイトブッシュとクリームが関係してきます(笑)。

 ケイトブッシュというと、多くの皆様はホニャ〜っとした静かめな曲を想像する方が多いようですが、ぼくはハチャメチャな「バイオリン」というロックンロール曲です。
 その曲のような狂気なバイオリンを加味したいと思いイントロ部分にかすかに入れてみました。
 また、中サビの部分にもコソッとバイオリンでクリームのヒット曲のリフをうっすらと入れてみました。

 そんな具合で、ブッカーT&MG'sのサウンドに狂気なバイオリンを追加したのが演奏になっています。

 さて、じゃあ、なぜ、写真でも一番デカい影響について「トニー谷」なのか…なのですが。。。。

 若い皆さんはご存知ないかもしれませんが、トニー谷という人はソロパンをパーカッションにしてリズミカルに喋るのをネタにしていた芸人さんです。
 当然、まだラップ等というものは世の中に発祥していない遠い昔の話です。

 ラップはリズム&ブルースのひとつだということでブッカーT&MG'sのサウンドを模倣しましたが、いやはや、ラップはより古いカタチとして日本に存在していたじゃないか…と感じ、だったら、トニー谷がラップという言葉を使ってやるなら何をやるのか…を想像してみることにしました。

 やっぱり、ソロバンをシャカシャカやりながら「サランラップにクレラップ…」って言うんじゃないか…と思ったわけです。
 そして、リズム&ブルースとジャパニーズ古典ラップのコラボレーションな曲となり、"Rap music"は"Wrap music"へと変換されました。

 お話の内容は以下のとおりです。
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 一旦家に帰って少女がした旅支度、それはお弁当づくりでした。
 少女のお弁当はちょっと変わっています。おにぎりとかも入ってはいますが、思い出やトランプなどもラップに詰め込みます。
 そして空飛ぶ自転車に乗り、ペダルを漕ぎだしました。

 自転車はゆったりと空に浮かび上がったかと思うと、一漕ぎが5m〜50m〜50km〜50000kmという具合にスピードを上げて天高く昇って行きますが、不思議なことにゆったりとした乗り心地で、息も苦しくならず、まるでどこかに吸い寄せられていくような感じです。

 ついには地球を飛び出て、太陽系を離れ、銀河系も遠くに見えるくらい遠い宇宙まで来ました。
 時間という観念がなくなってしまったので、ゆっくりと瞬間移動しているような感じ…と言えばいいのでしょうか…。
 少女が家を出てから数十万光年以上経っているのに、地球時間的感覚だとまだ2〜3時間といった感覚しかありません。

 次第に自転車の飛ぶスピードがゆっくりになって来たようです。

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 そんな内容です。

 使用した楽器は、ぼくは"Gibson Custom shop SG Standard VOS"にサンズアンプクラシックのみです。
 村上はフジゲン製G&Lのベースですが、ややプレベに近い音色にセットして録音しました。

 コミックソング風と言えばそれまでですが、制作時には「子どもでも楽しめて日本的になごむリズム&ブルース」を目指した試みでした。

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