さて、昨日、配信代行業者にiTunesやAmazonからの配信を依頼して、12月中旬に配信販売が開始される予定の4曲の組曲「空飛ぶ自転車と赤い竜」ですが、その4曲について、1曲づつ、過去のエピソードなどを話したいと思います。
組曲の4曲は以下の曲ですが、今日は1曲目の「空飛ぶ自転車」についてお話したいと思います。
1.空飛ぶ自転車
2.Wrap it !
3.赤い竜
4.Dream
まず、「空飛ぶ自転車」とはどんな曲かと申しますと、こんな曲です。
前バンド時代の2007年にこの組曲は一度CD化したのですが、録音途中でドラマーが脱退し、その時の録音ではこの「空飛ぶ自転車」のみが生のドラムでの録音で、その他の曲は脱退のためドラムマシンでの録音となり、3曲と1曲に別れてしまった感じでとてもバランスの悪い仕上がりになってしまいました。
また、曲のバランスの問題に加え、現ユニットとなってからの新曲組曲「人形大戦」の方が楽曲レベルは高いものの、ポップさでは過去の曲の方があったかと思う点と、なんとかワンマンで60分ライブが出来るようにレパートリーを増やしたいという関係から、「空飛ぶ自転車と赤い竜」組曲の録音し直すこととしました。
その1曲目である「空飛ぶ自転車」。
歌詞のお話の内容は・・・、
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あるところに普通の少女が住んでいました。
その日はなにか不思議に気持ち良い春の休日の朝。
何が気持ち良いって、そりゃもう、いつものような憂鬱感なんてまるでなく、まるで身体が軽く感じるくらいウキウキしちゃう日だったのですから…。
そうそう、いつもの憂鬱っていうのは「いったい私は何のために生きてるの?」「私にはこれといった夢がなくて進む道がわからない。」そういったみんなが思うような悩みですね。
そんな気持ちがスッと晴れて少女はあまり気持ち良いので、家を飛び出ると元気よく自転車に飛び乗りました。
すると、どうしたことでしょう…、ペダルを漕ぐごとに自転車は宙に浮き、空を飛び出したではありませんか。。。
実はこの「空飛ぶ自転車」はある人?からの招待状のようなものだったようです。
ペダルを漕ぐと勝手に方向を定めて飛んでいき、ペダルを戻すと自分の家に向かうようです。
少女は「これはきっと、夢を捜す旅に違いない」「なんだか長い旅になりそうだ」と予感して、一旦家で旅支度をしてから空飛ぶ自転車の旅をすることにしました。
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と、そんなお話のところまでの曲です。
空飛ぶ自転車・・・ということで、かなりSFチックであるべきなのかとは思いますが、この曲を作った頃のバンドコンセプトは「モダン・レトロ」であり、ダンエレクトロ社のとてもビザール的な初心者用ギター(及びベース)を使っていたこともあり、まったくSF的ではありません(笑)。
今、思い出してみると、「誰も気がつかないくらいにちょっとだけ、シンディーローパーを意識して作った曲」だったように記憶しています。
しかし、今となっては、どこがそうだったのか・・・全く覚えていません。
2007年当時はダンエレクトロ社のギターとベース、それにカクテルドラムだけという超シンプルな録音でしたが、今回の録音し直し版ではかなりデラックスに(笑)普通な楽器を使っています。
ドラムはZOOMのドラムマシンですが、ギターは今のユニットになってから使用していなかったストラト(Fender custom shop 1957type)でバッキングとオブリガードを、最近のメインギターのSG(Gibson custom shop SG standard VOS)でギターソロという豪華な(笑)使い方。
ベースはフジゲン製のG&Lで、ややジャズベースに似せた音でコンプレッサーのみ使ってライン録音しました。
ギターは、TECH21社のサンズアンプクラシックとブーストDLA(ディレイ)を使ってライン録りしました。
しかし、ギターやベースの音よりも以前の録音とは全然違う点、それは「人形大戦」組曲から使用開始したローランドのギターシンセですね。
この曲でもフォークギター風の音、シンセオルガン風の音、笛系の音、軽くストリングスなど使っています。
それによってサウンドには以前より聴きやすさと厚みが出ています(と思います)。
録音した4曲の中でこの曲だけFender Storatocasterを使いましたが、当初はSGだけ、またはGibson FireBirdで録音しようかと思っていました。
しかし、軽やかでサラッとしたバッキングイメージは、どうしてもFenderギターでなくてはイメージが出てこないため、また、ライブでの音のイメージと変えたいということもあり、Fender Storatocasterを使用しました。
もう、あまりFender Storatocasterを人前で弾くことはないだろうと思いますが、この1993年に購入したFender Storatocasterはぼくの第二の人生そのものだったと思います。
1990年に一度音楽を完全にやめて、ほとんどの楽器を処分してしまったぼくが、1993年に再度音楽をやりはじめるために購入したギターでした。
3年間まったくギターに触らなかったため、本当にどうやって弾いていいかわからなくなってしまった自分、まさにゼロの状態に戻った下手さに付き合ってくれたのがこのFender Storatocasterでした。
3年前、ドラマーがやめ、さらになかなか見つからないドラマーやキーボードプレイヤーを探し求めるバンド活動を断念し、予めギターとベースを除いたオケを作り、それに合せてライブをする今のユニットのスタイルに切り替えたのは、音楽的には「第三の人生」かも知れません。
その「第三の人生」では、長年使って来たFenderギターの使用をやめ、Gibson系のギターを主軸としました。
最初は単純に、オケの使用で迫力が減少する点をパワーのあるハムバッキングピックアップのギターで対応し、強い歪み音色でもノイズが酷くならないようにしよう…という目的で、当初はFender Telecaster Deluxeを使いたいと思っていました。
しかし、Fenderでは左利き用のTelecaster Deluxeは作らないと言われたため、諦めてGibsonに鞍替えした感じです。
そういった意味では、旧来のメインギター(Fender Storatocaster)と現在のメインギター(Gibson SG)の共演という感じで、ぼくにとっては感慨深い録音となりました。
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