欲しい楽器が現れてしまいました。
いえ、数年前に触って「面白いなぁ」と思っていたのですが、今回、2つの点に驚き欲しくなってしまいました。
物としてはDメジャースケールが鳴るようにフレッティングされており、半音が無いため、なんとなくメチャクチャに弾いてもおかしな音が出ないようになっていて、音としてはマウンテンダルシマーを意識しつつ、ギターのように抱えて弾ける楽器を目指しているようです。
ただし、基本のチューニングがマウンテンダルシマーはD・A・Aが多いのに対し、この楽器はD・A・Dとなっているようです。
さて、驚きその1は、この楽器の名称です。なんとカナダのゴダンの下に位置するアコースティック楽器ブランドシーガルのこの製品名は「Merlin」だったのです。。。
あのぼくの憧れの大魔術師マーリンです!
なぜマーリン?
きっと、ギター等の弦楽器はいろいろと難しいと思われるけれど、コレだったら不思議なくらい誰でも弾けて楽しめちゃう魔法の弦楽器だ・・・という意味かもしれません。
そんな魔法のような楽器マーリンは、本来であればマウンテンダルシマーをイメージして生まれた楽器なので、アメリカカントリーミュージックを奏でるのに向いた楽器なのでしょうが、北アメリカアパラチア山脈付近に移住してきたアイルランド人が作った楽器がマウンテンダルシマーだということなので、クロマチックでないメジャー音階フレットの打ち方等、アメリカンミュージックになって行く前の時期のクラシック古楽で使われる楽器等にも似ている気がするし(マウンテンダルシマーのかたち自体がなんとなくハーディーガディーにも近い感じがするし)、マーリンは楽器のサイズ的には騎馬民族国家キルギスのコムズという弦楽器や、イスラムギターとも呼ばれるトルコのサズ系楽器で一番小さいジュラ、三線や三味線のルーツ楽器のイランのセタールなどにも近い感覚をぼくは感じます。
そういったところが、アメリカ国内での需要を超えてヨーロッパ人にも人気を得ているところのような気がします。(Youtubeを見ると、沢山の方々がマーリンをプレイしているムービーがアップされていて驚きます。)
アメリカやヨーロッパでは、ウクレレとかよりもはるかにメジャーな、ギターに追いつけ追い越せのように感じてしまうイメージすら持ちました。
驚きその2でもありますが、ゴダンのギターは左利き用が比較的豊富なことでも有名ですが、その下のブランドであるシーガルは、ギターも左利き用が充実しきっているわけではないのに、なんと、このマーリンについては左利き用を製造しているのです。
残念ながらぼくの欲しいマホガニートップの方は左利き用の設定はない(もしくは日本入荷がない)らしく、スプルーストップだけしか左利き用は用意されていないようですが、とにかく、こんなヘンテコな楽器に対して左利き用の設定があるわけです。(Youtubeでも数人の左利きがプレイをアップされていました。)
うーむ。。。。シーガルは・・・いや、ゴダンは。。。もしや、革命を起こそうとしているのではないか・・・・。
それは大魔術師の魔法のように、静かに、そして確実に底辺から広がっていく・・・・。マーリンという名の下に。。。
難しいギターの必要性を縮小し、失いつつある多くの人々の楽器への興味をその簡単さと安い価格・自由さから呼び起こし、多種多様なそれぞれの民族楽器的な古い響きの郷愁感で安らぎを感じさせ・・・・、すなわち、この革命は、ギターという難しくなった専門職文化を放棄し、だれでも思うがままにオリジナルなプレイを楽しめる民間人のための新たな楽器の提案なのではないだろうか・・・と感じてしまったのです。
それを感じてなのか、Youtubeでプレイしている方は、簡単な弾き方の指導ムービーが一番多く、誰もがスーパーマジック、すなわち「誰もがこの楽器をプレイしたくなる魔法をかける」ことをしようと、マーリンに自身がなろうとしているのではないかと感じました。
ん? マーリンになれる?
それならぼくもやりたい~(笑)。
けれど、ぼくがやるとすればほぼ皆さんとは違うものになるでしょうね。
一つのアイルランドのようなスタイルか、カントリーミュージックのようなスタイルかではなく、相反するイメージの音楽を奏でたいし、簡単に見えて簡単なプレイではなく、難しく聴こえるけど簡単なプレイ(インチキっぽいプレイ)とかをしたいなと思います。できればですが(笑)
アメリカやヨーロッパではかなりプレイしている人も多いと思われるマーリンですが、日本人ではイシバシ楽器の宣伝ムービーくらいしか見当たらず、まったく日本人はアウトオブ眼中のようです。
日本人には相手にされず、英米・ヨーロッパ・南米・東南アジアには高評価・・・。。。。それって、ぼくのやっている音楽と同じです。
よし、ならば敢えてプレイしちゃおう~。
ってことで、KEY渋谷店に注文してしまいました。
マーリンという名前、新しい楽器、軽く小さい、わかりやすそう・・・これはぼくの人生に必然的に出会いが予定された楽器かもしれない気がしてきました。
よし、ぼくは日本一のマーリンプレイヤー魔術師になるぞ~。
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